志存高遠 目標は高く持て その8
新たな目標ができたのは、1社目、2社目の会社で、「自動化技術に携わったことだ。
文系出身の僕が、ある分野で世界でシェア1位の起業から相談を受け、センサーの選定をしたら、「どうせなら、ラインに組み込んでもらえないか?」と言われた。
日頃から、「不可能だと思わない」ことをモットーにしていた僕は、やれるだけやってみましょうと、やや無謀だとは思ったけど仕事を請けてしまった。
実は、いざとなったら相談できる人脈はあったからだ。
そういうのは商社マンの「腕」なんだよ。
でもね、自力で出来ちゃった。
かなり難しい話で、お客さんの技術者がギブアップした案件を、文系の商社マンの僕にできるわけがないと思うのが普通でしょ?
できないと思えばできないけど、やる気になればできないことはない。かもしれない。
光半導体は知り尽くしていたし、センサー技術は得意分野。
ちょうど、お客さんの悩みを解決できるセンサーを見つけた。
あとはこれを、ラインに取り付け、「GO」か「NG」かによって、先に進めるかはじくかを判定し、その動作を機会に指示を出さなければならない。
それを自動化しているのがPC(プログラマブルコンピューター)で、このプログラムを変更する必要がある。
いやあ、徹夜で勉強しました。
だって、BASICを遊びで学んだくらいの知識しかなかったから。
回路図なんかも見ながら、イメージトレーニングして、取付金具も、知り合いの金属加工会社の機会を借りて加工して作って、いよいよ決行日!
もう心臓はバクバク。
だって初めだから。
少し気が楽だったのは、お客さんもできなかったことだから、僕ができたらお客さんは「儲けもの」だということ。
僕の会社は、費用を丸ごと損するだけ。
部下を2人連れて(その時は25才だったけど営業課長で、実質社長代行でした)現場に乗り込んだ。
センサーを組みつけ、PCと配線して、プログラムを準備した通りに組み替えて・・・。
いよいよ、スイッチオン!
緊張の一瞬。
静寂の中、素材が自動機の中に吸い込まれて行きました。
「すぽっ」
そんな音だったと思う。
成功したんだよ。
正常に判別した。
お客さんも感動して、握手してくれた。
え、文系の僕が、理系の技術者にできないことをしちゃった!
た、た、た、楽しい!
しばらく、その自動機を見ていた。
調子よく動いていたよ。
その後も、心配で何度か電話で確認したり、訪問もしたけど、全く問題ないということで、一安心。
その経験を通して、考えたことがあるんだ。
<続く>
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