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好きな人と仕事をするな! リーダーの条件 その6
ある職場でのこと。
僕はある意味、骨休めかたがた転職したような職場だったのだが、前職の役職のせいか相談もなく管理職にされていた。
わかったのは入社した日だ。
入社式の机の上に、名前と、役職が書かれた立て札があって「嘘だろ!」って感じ。そこでもう、「ブラック」のにおいがプンプンした。
だけど、家族もいたし、ある理由があって転職したので、早々にやめるわけにもいかず、結局4年後に辞表を出した。
そうしたら、連日、グループのトップが慰留に来た。
前職では慰留されなかったし、実はやりかけの仕事があって、その仕事を全面的に任せるから残ってってくれという話だったので、嫌だったけど、途中で投げ出すのはキャリアの上でもマイナスかもなと思い、新部署に転籍することでグループに残留した。
新部門の責任者になった僕の部下は全員が年上で女性だった。
毎日、吐きそうだった。
僕は普通のことを行っても、彼女たちからすると「細かすぎる」らしく「経理部長さん」とか呼ばれる始末。実際の役職名は違うのに・・・。
毎日地獄で、あの頃ほど、職場へ行きたくないと思った時期はなかったな。
でも、上からは、全員入れ替えてもいいと言われていたので、力量が見合わない人は、遠慮なく引退していただいた。きちんと本人に納得してもらったけどね。
それでも、仕事柄、女性が多い職場だったんだ。
立場上、気づいた時は注意しなければいけないし、定期面接もしなければならない。
女性の職場の怖いところは「密告」がすごく多いこと。
それが正しい情報ならいいけど、自分をよく見せるために、ライバルを蹴落とす密告をわざとする者がいる。
それを見極める技量が必要だった。
嫌な仕事だった。
それに、よく泣くんだ。
僕の面接で泣かなかったスタッフは、最終的に一人だけ。
かなり多くの部下がいたんだよ。
でも一人だけ。
男もいたんだよ。
でも一人だけ。
上司との面接で、仕事中に泣くかね?
僕は一切無視。
泣けば泣くほど、事務的に話を進めるだけ。
まあ、冷酷だとは言われたね。笑い話でだけど、本気で言ってたのかもしれない。
でもね、職場で「泣けば何とかなる」と考える奴も浅はかだと思うけど、泣かれたくらいで動じるようでは、上に立つ資格はないと思うよ。
だいたい、泣くようなスタッフを評価してはいけない。
仕事は、浪花節じゃあないんだ。
人前で泣けるくらいの根性があるんだったら、実績で示せって話だよ。
<続く>