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【流山市立おおぐろの森中学校】令和生まれの木造中学校、なにこれすごい。
「都心から一番近い森のまち」をキャッチフレーズに発展する流山市。市内からは、流鉄、JR武蔵野線、東武アーバンパークライン、そして2005年に開通したつくばエクスプレスに乗ることができ、とても便利なまちです。私の最寄りJR駅(田舎)からも、2時間かからずに行けます。
森のまち、と言うだけあって生き物をはじめとする自然をとても大切にしているようです。特に中部地域(おおたかの森、初石駅周辺)は人間だけではなく生き物みんなに優しいまち、という風に感じました。
北部の運河沿い、南流山、国道沿いの地区もそのうち行こうと考えています。流山市を調べる人間として、一度は。
前置きはこれくらいにしておきます。
今回は、今年(2022年)の4月に開校した流山市立おおぐろの森中学校の見学会のレポートです。タイトルにもある通り、テンション高いです。うおー!
おおぐろの森中学校の基本データ
正式名称:流山市立おおぐろの森中学校
所在地:〒270-0122 千葉県流山市大畔581番地
構造:木造+一部鉄筋コンクリート造・鉄骨造
竣工年月:2022年3月
コンセプト:「高台の緑に溶け込む 森の中の木の学び舎」
見学会へ
市内在住の人は無料ですが、外からの人は500円払います。500円で合法的に中学校に入れるなんて、最高ですね。しかも写真を撮って良い。ありがとうございます。
みなさん行くのが早いです。写真バシャバシャ撮ってるのわたしだけです。どんどん置いていかれていますが、楽しいからいいですね。せっかくの機会ですし。ここまでの移動費で入場料の数倍かかっているし…笑
(ここから先の文章には全て感嘆符が付いていると思ってお読みください。より私の感情に近付きます。)
昇降口
ここは受付でした。そんなことより土足と上靴の境はあるけれど、段差が無い。驚きです。バリアフリーを感じました。下駄箱の上に置くクラスの看板は、10組まで用意されていました。1クラス30人だとしても、下駄箱は900人分以上あるんでしょうね。
そして!!!木のにおい!!!がします!!!めちゃくちゃ良いです!!!
学校内に音楽が流れています。たぶん校歌です。女性が歌っていますね。この声は木村弓さんか、一青窈さんでしょうか。あとはピアノの音だけです。そしたら、弾いているのは中川俊郎さんですかね。
体育館
壁はRC造ですが、天井は木造です。私が知っている体育館より、横に長めに感じました。四角い箱の中にステージという箱が置いてあるようなデザインでした。面白いですね。
体育館棟のトイレは入って良いと聞いたので行ってみました。トイレの洗面台の鏡は丸で、壁は四角いタイルでした。ちなみに、トイレの蓋はありません。洋式トイレの高さは表現しずらいんですけど、身長150cmくらいの人に丁度いいんじゃないでしょうか。建てたばっかりというのもありますが、清潔感のあるデザインで寝っ転がってもいいんじゃないかと思ってしまいました(やめてください)。
体育館、わたしがよく見るのは通路?より上側全部がガラス張りで、下は30cmくらいの小さな窓があるものです。なので、窓が少ないと感じました。でも壁の色が明るめで天井が暗めで窓もあって、明るく感じましたね。
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階段
普通教室の棟は木造、体育館と特別教室棟のはRC造っぽいですね。手すりと階段は木で作られています。壁の白と、木の色がマッチしていて良いですね。資料によると、階段は3種類あるそうですよ。
一段一段の幅がちょっとだけ広いなと感じました。そして、階段の下と踊り場、上に点字ブロックが付いています。バリアフリーです。点字ブロックの銀色もまた馴染んでいますね。
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武道場
剣道の試合場が1面、柔道の畳が1面置ける広さです。畳を片付ければ剣道の試合場をもう1面取れますかね。壁のかなり高いところに、窓があります。プールから覗けるのかもしれないですね。やっぱり、ここは木で大正解です。
普通教室
私が見た感じ、ここの教室は正方形だと思います。8×8くらいでしょうか。教室といったら黒板側の辺が短い長方形(基本は7×9くらい)です。学級編成の人数上限が変わったとかもあるのでしょうか(ソース不明)。2022年現在の中学校の上限は1クラス40人です。千葉県独自のルールで中1は35人、中2,3は38人以上でクラスを分けることができます(たぶん)。机が簡単に並べてある教室がありましたが、ちょっと狭いかなという感覚です。
正方形だとするならば、横幅が広くなります。つまりは、教室を前から後ろに通るのは楽ですが、横に通るのは厳しいと考えられます。休み時間ならばみんな椅子をしまっているので問題はありませんが、授業中など、座っている人の後ろを歩くのには狭すぎます。なので、そういうときは黒板前か教室の1番後ろまで移動しなければならないのかもしれません。ワークの返却など、個人への配り物は少々大変かもしれない、と思いました。
エアコンは教室後方に設置されています。そして、生徒のロッカーの他に外窓側にも収納スペースがあります。服をかけるラックも可動式で各クラスにあります。
何より驚いたのが、黒板です。黒板上部にライトが設置されています。まだ1度も書かれていない緑色の黒板が、とても綺麗に見えます。
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ドアは横開きで、指はさみ防止の減速機が付いています。減速機が動き出しから閉まるまでは3秒くらいかかります。絶対に指を挟ませない、その意思を感じました。超安全ですね。
廊下
天井の高さは一般的です。木造なので、壁はぬくもりを感じます。木の部分には何かが塗ってあるようでしたが、きちんと木の質感を感じられます。
写真を撮り忘れてしまったのですが、森側の普通教室棟の廊下の中央に吹き抜けがありました。2階と3階、そして天窓まで抜けています。小学校側のほうは、資料によると3階は天窓があるそうですね。またデザインが異なるそうです。
森側だけ2階とになっている理由は、1階にある職員室にあると教えてくださいました。規模の大きい学校なので、こうしないと全職員の机が配置できないから、だそうです。説明が難しいですが、だから2階の廊下は広く、吹き抜けができています。
ただの壁ではなく、絵が描いてあったりしました。お洒落です。
大畔地区は昔「むら」があったようです。小学校、中学校の敷地内にはたくさんの跡があるとか。校舎内に「遺跡コーナー」というものがあります。学校建設にあたり発掘調査が行われたようで、その時出土した土器などが飾られていました。
校舎の端には、雑談できるようなスペースがあります。大きな窓があるので、日当たりも良いです。椅子も置いてあって、ここで昼休みに話したり、プロレスごっこをしている未来の中学生たちが想像できました。
おおぐろの森小学校は廊下幅が3.8mなので、中学校もそれくらいでしょうか。
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音楽室
この学校自体が自然の中にあるのでそこまで気にする必要はないだろうと思いましたが、音楽室は森側にあります。他の教室からも離れているので、のびのびと演奏できますね。奇声を上げても怒られなさそうです。はい。森を見ながら音楽を奏でることができるっていいですね。
体育館棟と繋がっているのでRC造ですが、内装はふんだんに木材を使っていて、ぬくもりがありました。
図書室
とても広いです。広々としています。棚の間が広く、明るい雰囲気です。棚は3段までです。低いところにある本は中学生の体格には取りずらいんじゃないかと思いましたが、高いところと比べれば圧倒的に取りやすいですね。
バーコードを貼って、カバーをかけただけでまだ誰にも読まれていない本がほとんど。どの本も傷一つ無く、色鮮やかで、生徒に読まれるのを今か今かと待っているようでした。はやく4月になってほしいですね。
図書室の横には、本を読むスペースがあります。ライトは暖色系です。木に合う色ですね。よく見ると、木材の組み方が教室棟と異なります。
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ホール
でっかいスクリーンがあります。くそでかスピーカーもあります。色々なことに使えそうです。道路に近く、隣のおおぐろの森小学校と連携するときにも使う予定だそうです。ホールの近くには調理室など、学校教育以外でも使える部屋があります。学校自体がそうですが、ホール周辺は特に学校外とのつながりがありますね。地域連携、って言うんでしょうか。
調理・被服室
調理室には電子レンジがあります。ガスコンロがあります。その下にはグリルがあります。すべて、机の数あります。すごいです。最近の学校って調理室と被服室って分かれているんですね。わたしの学校はまとめて家庭科室でした。生徒数とも関係があるのかもしれません。
その他特別教室
普通教室とは離れた場所にまとめて配置されています。特別教室棟です。その目的に合った机と椅子が置かれていました。アクティブラーニング室の机は色々な組み合わせに出来るようになっていてすごかったです。令和を感じました。頭が柔らかくなりそうです。
中庭・外
色鮮やかな花がたくさん植わっていました。水が流れるのか、ビオトープを作るのかはわからないですが、小石の部分がありました。大畔の森との繋がりを考えて設計されたそうです。
外にも椅子がありました。校舎のデザインに合った椅子の形だなと思いました。災害時にはトイレになるそうですよ。わたしもここに避難させてください。
森側に灰色の砂が敷いてある場所がありました。おおぐろの森小学校にも似たような場所があり、そこは増築予定の場所です。たしかに今の予測だと溢れるか溢れないかなので、増築するならここですね。
徒歩で登校する人、自転車通学の人、車で通学(通勤)の入り口が分けられていました。
「エリア」を決める
例えば、授業を受けていたら突然硫黄のにおいがしてきたら、どう感じますか?
真面目に授業を受けていたのに、硫黄のにおいなんかしたら刺激が強すぎて授業に集中できません。先生側からしても無視をして授業を続けたいでしょう。でも気になっちゃって、「なんかにおうねー」「何の実験をしているんだろうねー」と逸れてしまう。
ちなみに、これは友人の話です。この友人の学校は、校舎の端に特別教室を設置することで、廊下も教室の一部に入れることができます。そうすることで、より広く教室を取ることができる、という考えだったのでしょう。
おおぐろの森中学校のような教室の配置だったら、こんなことは起きないでしょう。友人の学校のつくりが悪いと言いたいわけではありませんが、どこを重視するかは大事です。
見学会に参加して
学校を建てるときに考えなければならないことがたくさん見つかりました。おおぐろの森中学校を作るとき、どんなことを考えながら設計したのかを考えさせられました。とても良い経験になりました。楽しかったです。
木の特性上、この校舎はだんだん色が濃くなるでしょう。その色の変化と生徒がつけた足跡と。この校舎で生徒が学んだことは、校舎にしっかりと刻まれます。たくさんの思い出ができるといいですね。
こんなずっと1人でニヤニヤしている人間を追い出さず最後までじっくり見させてくださった流山市さん、ありがとうございます。
あとがき
このnote、教室の配置についてを語る予定でした。なのにいつの間にかこんな内容に…(笑)
「エリア」を決める、本来ならばこの段落がメインです。今回は諦めました。この話題は、またいつか。
(おまけ)おおたかの森を歩く
見学会には駐車場が無いため、歩きなどで行かなければなりません。そのため私は朝10時に流山おおたかの森駅…ではなく南流山駅に降りました。なぜって、まち歩きをしてみればわかります。とっても楽しいです。
(こういうとき、まちの写真を撮っておけばよかったと後悔する。つまりは写真が1枚も無い)
住宅街には、最近建てたであろう家がほとんど。そして車庫にはヴォクシーやセレナなど、ファミリーカーが止まっていました。まちも家も車も、ぜーんぶ新しくて綺麗でした。
土地がひろびろとしているように感じました。それは、一軒家の庭が広い(から草むしり大変そう)というわけではなく、大通りが広いとか、歩道も3人横並びになってもいいくらいに広いからだと思います。横並びで歩くのはできそう、ってだけでやっていいわけではないです。邪魔にならないようにしようね。
休日だったので、公園には子どもがたくさん遊んでいました。子どもと言っても、ベビーカーや自転車で来て親子で遊んでいるのが多い印象です。公園も整備されていました。公園から危険を取り除くとただの芝生広場になりそうですが、おおたかの森地区の公園は危険は取り除いてあるけれども、それでも楽しめそうなんです。よくわからないですけど。
必要なところには歩道もあり、安全も確保されているようです。しかし、2024年4月に開校されるの市野谷小学校のまわりは抜け道があるなど、安全のために改善が必要な箇所があるそうです。ここも、完成したら見に行きたいですね。
多すぎる参考文献
ネットニュース
学校のホームページ
基本設計
学校施設だより
説明会
(仮称)市野谷小学校の学校建設に関わる説明会(令和3年7月3日開催)
その他
少人数指導に関して
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/2013konwakai/documents/251224siryo3-5shoninzu.pdf
見学会の個人的ハイライト
「すみません、日本テレビの○○○○という番組なんですけれども、来年からここに入学される方ですか?」
あの日本テレビさんが取材に来ていました。びっくりです。テレビで見たあの番組名が四角いのに書かれている線付き手持ちマイクを見れました。
そして私、小学生じゃないです。中学生でもないです。笑いました。
※このnoteは、わたしの別のアカウントで2022年5月に投稿したものです。こちらを千葉県用のアカウントにするため、元の記事を削除し、加筆修正しました。これを読んでくださったあなたがもしアカウントを知っていても、秘密ですよ。
最後まで読んでくださりありがとうございました🌞