「夢って何?」ーPerfume LIVE [polygon wave] の初音ミクファンに向けておすすめする文章
ここ数年ミクさんと同時にPerfumeさんを追いかけて、Perfumeさんからもミクさんっぽい何かを感じていましたので好きです。
PerfumeファンとしてもミクさんのファンにPerfumeのライブを見てもらいたい!と思っているのだが、なかなかそういうチャンスもなく、どのライブをおすすめするのをずっと悩んでいました。
そして、ここでまさかのプライムビデオにて最新ライブ全編配信が来ると思わなかったので、よし宣伝するぞ!と思ってこの記事を書きました。記事タイトルの語彙力のなさはお許しください
ただ単に「見てください!」と言っても多分何も伝わらないので、この記事は私個人的な感想とこのライブの見どころをわかりやすくミクファンに伝えようと思います。
*この記事はライブのネタバレがございます。ネタバレが気になる方は、一回プライムビデオで全編ご覧になってからお読みください。
まず、プライムビデオを契約中の方はぜひ一回見てください。
本当にすごいですこのライブは!!!!(語彙力)
もっとはっきり言いますと、先日のMIKUBREAKのライブを「すごい!」と思える方には特に今回のpolygon waveがおすすめです。
そもそもpolygon waveとは?
ざっくり言うとこんな感じです↓
なお、本公演の再演は来年の一月に同じ会場で開催されます。そりゃそうよだって神ライブは二日オンリーなんて勿体無い!!!と思うぐらいこのライブはとてもいいです。まずはトレーラーだけでも見てください↓
polygon waveの見どころは?
そもそもPerfumeはよく「ダンスがすごい!」「テクノロジーが(よくわからんけど)すごい!」と、毎回紅白歌合戦でのパフォーマンスがそういう感じの評価が圧倒的に多いです。
でも、もちろんそれだけではありません。ミクファン視点でまとめるとこんな感じです↓
ダンス
近年のマジカルミライは、ミクたちの振り付けは単なるアイドルダンスから、少しかっこいいイケイケダンスになっていく傾向があります。具体的に言うと「ヒビカセ」、「Satisfaction」、「Gimme×Gimme」その辺です。
これらの振り付けの共通点は「手と足の動きが実は細かい」、「全身で歌詞を表現している」です。だからそれらのダンスが好きな方はPerfumeのダンスに魅了される可能性が極めて高いです。Perfumeのダンスの特徴は下記の通りです↓
ヒールを履いて踊るプロ
リズムの取り方が細かいが、まるでロボットのように正確なシンクロ表現
時にはリズムに合わせて一人だけ早く・遅く・別のダンスをしているところ、でもその後はまた自然に合わせるのが素敵
中心メンバーがちょこちょこ変わることによって、それぞれの魅力を感じられる
歌詞や音など、ダンスで歌を表現するところが面白い、特に手の動きがとても細かくて美しい
過度な力を出さず、身体の表現バランスを考えて、美しく魅せる
可愛さ、格好良さ、美しさを詰まっている
以上なポイントを少し意識してダンスを見ると、新しい世界が広がりますよ!
楽曲
中田ヤスタカさんプロデュースの楽曲はEDMを前面に押したゴリゴリなアゲアゲ曲も、懐かしさと新しさを同時に感じられ昭和ディスコテイストな曲も、どれも魅力的です。
女の子の恋の気持ちを表現する曲も多く、聴きごたえがあります。
今回polygon waveの選曲バランスがかなり良く、Perfume楽曲の多様性を実感できると思います。まあ一言でまとめると
ミクノポップが好きな人は絶対Perfumeの曲が好きになるに間違いありません!です(笑)
テクノロジーを使った演出
マジカルミライはそもそもモーションキャプチャーやLEDを使っていて、かなりテクノロジーを近く感じていますが、Perfumeライブはよりテクノロジーの演出を前面に押しています。
今までは3D全身スキャン、人体追跡プロジェクションマッピング、リアルタイムCG合成、自走型スクリーンなど、さまざまなテクノロジーを技術担当のライゾマティクスさんの協力により、大胆に取り入れています。
それによって、Perfumeの演出は「ダンスと立ち位置が全く間違っていない」というシビアな前提で作られています。少しだけでもズレてしまったら、すぐ違和感を感じてしまうぐらい、とても細かく作られています。
近年ではテクノロジーの側面を少し落として、LEDスクリーンの映像とレーザー、そして照明で主役を補佐する感じとなりましたが、それでも見えないところ、なかなか気づかないところで最先端なテクノロジーを使っています。
特に、LEDスクリーンの映像演出はダンスと合わせているところが、とても大事な見どころです。テクノロジーにあまり詳しくない方にもすぐその凄さを実感してもらえるぐらい、とてもかっこよくてすごいです。
polygon waveでは、とてもデカイLEDスクリーンを使っていますので、ぜひ正確なダンスパフォーマンスと共に、LEDスクリーンの映像演出を注目してください。
メンバーのトーク、そして人柄の魅力
Perfumeのファン層は女性が多く、そして年齢層が広いのがポイントです。女性アイドルグループとしてはとても珍しいことです。体感としてはマジカルミライよりも女性比率が多いです。その理由は三人の人柄にあります。
結成から20年近く過ぎましたら、不仲説などはほぼなく、とても仲良くしている三人に惹かれた方が人が多いです。30代に入ったメンバーは素敵な大人の女性として憧れている傾向もあります。
また、ライブをメイン活動としているので、スキャンダルな話もかなり少ないです。ボカロの良さの一つはミクたちは人間じゃないので、そういった話とは無縁で済むのは当然ですが、Perfumeも安心して観れる存在になっています。
性格以外、三人が場を盛り上げるプロでもあります。MCは面白く、ライブ現場をポジティブな空間に変えていきます。そしてファンやスタッフに対する感謝な気持ちを口にすることも多く、聞いているうちに「こちらこそありがとう!」と言いたくなります。ちなみに海外公演では、現地ファンにMC内容を翻訳してもらうことになっていて、とても素敵です。
そして欠かせないのは、ファンと繋がるライブの定番コーナー「P.T.A.のコーナー」です。ファンと一緒に体を動かして、会場の一体感をさらに高いところまで連れて行きます。特にメンバーのあ〜ちゃんが考えてきた動きがとても面白くて、真似して踊っているうちに筋肉痛がひどくなります(笑)
高度なパフォーマンスを見てちょっと近づきにくいと感じてしまう方はいるかもしれませんが、メンバーの面白いトークと時々ダンスの間に見せた明るい笑顔がいいギャップになっております。
マジカルミライと同じく、Perfumeのライブは初心者には優しく作られていますので、ぜひ。
*マジカルミライのMCを慣れてしまったら多分PerfumeのMCがとて〜も長く感じてしまうぐらい、とても長いMCなので休憩タイムとして使ってもいい
polygon waveの世界観ー「夢」について
*ここからはpolygon waveのライブネタバレ、そして個人的な解釈もございます。
マジカルミライでは「命に嫌われている。」など、かなりダークなテーマな曲も取り入れてくれています。それはボカロの良さだと考えています。それとは正反対に、Perfumeライブとメンバーは昔からポジティブな印象が強く、あまりネガティブな感情を表に出すこともありませんでしたが
polygon waveは、今までのライブとは違って、ダークな表現があります(ここ重要)
少し時間を遡って、2020年2月に開催された「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」の話をしますが、このライブの東京ドーム千秋楽は当日コロナの影響により、開演約3時間前に急遽中止となり、メンバー自身も当然、それに関わっているスタッフ全員、そして何よりずっとライブを楽しみにしてきたファンの方々にとって、とても辛い記憶となりました。
*その一部始終は2020年9月に開催されたオンラインライブ「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」で観れます。Netflixで配信中↓
それからいくつかのフェス出演も決まっていたものの、またコロナによって中止となり、ライブをメイン活動としているPerfumeにとって非常に辛い時間でした。
それとは別に、デビュー当時からPerfumeの振り付けとライブ演出を担当しているMIKIKOさんは、元々東京オリンピック開会式の演出担当でもございました。
Perfumeのダンスの先生に当たるMIKIKOさんは、Perfumeの第四人メンバーと呼ばれるぐらい、メンバーと非常に仲が良く、さまざまな挑戦をクリアしてきて、ようやく東京オリンピックの開催が目の前までやってきましたが、オリンピック開会式の演出担当は、事情によって別の方に変わり、Perfumeを東京オリンピックの舞台に立たせる夢も潰れてしまいました。MIKIKOさんは本件によって体調が崩れてしまったこともあり、一ファンとしてPerfumeのこれからをとても心配していました。
そこから約1年半を過ぎ、ようやくPerfumeは実際リアルライブを開催することができました。それが今回のpolygon waveとなります。
polygon waveのオープニング曲「システムリブート」、名前通り「Perfumeの再始動」を表すインスト曲となります。ライブではさらに三人の声が流れます。
英語版の挨拶「We are Perfume(私たちはPerfumeです)」と三人が海外公演の時に言いますが、その「We(私たち)」は元々Perfumeの三人だけだったものの、ライブ活動ができなくなり、Perfumeとして成り立っていないと実感しているメンバーは、自分自身の存在についてかなり苦悩していたではないかと思います。
だから、今回のライブは「We」の概念をさらに拡大し、ファンを巻き込んで、メンバー、ファン、スタッフ全員が揃って、全てがPerfumeになっていくという概念です。
このパートは、コロナ禍で葛藤していた三人とMIKIKOさんから出された「回答」となります。
ライブの中盤では、その葛藤から回答まで辿り着くまでの過程を描写している演出がありました。
ここでは、ELEVENPLAYのダンサーたちがメンバーの黒い手の影のLEDスクリーン映像と共に踊り出す。ライブがなかなかできないことに対する気持ちを体全身で表現しています。
セリフは言わば自省的なもので、自身とファンの存在を疑っていたことを表します。
フェス出演に関しては既にセットリストも考えていたが、実際に披露することもできなかったので、「それ(Perfumeとしての自分)は届かない」になった。
メンバーは自身の存在に再度見直すこととなり、自分は一体誰なのか、このご時世でまたできることがあるか、そして自分はそれを踏まえて何をしたいのか、などを考えていました。そして再度自分に問いかけて「自分はPerfumeだ」という事実を確認し、このpolygon waveで届けることにしました。
そのあとこのライブのテーマソング「ポリゴンウェイヴ」を歌い始めた。
ライブは、みんなの夢だと前からずっと思っています。毎年マジカルミライに参戦するのが私の目標であり、ライブそのものが「夢」、儚いけど美しく存在していると、polygon wave全体なテーマとなます。
例えライブや音楽そのものが不要不急だと言われても、それでも夢の中でその素敵な気持ちを感じていたいと、きっとマジカルミライの参加者たちもそう思っているはずです。
最後にメンバー退場の時、自分の回答を再度提示し、これからファンのみんなと共に次の「夢」へ向かっていくことを表しました。
退場後「See you at the next stage.(次のステージで会いましょう。)」とスクリーンに表示され、実際終演後すぐ次のライブツアー「Reframe Tour 2021」が発表されました。まさにいい夢の終わり方ですね。
ちなみに、Reframeの2019年公演もNetflixで配信中、普段のライブよりテクノロジーに極めて前面に押した内容となりますので、かっこいい演出が見たい方には特におすすめです↓
話が長くなりましたが、ボカロとマジカルミライ考察勢には興味深い内容ではないでしょうか?さらにセットリストも深堀できるところもありますが、それを語ってしまうとこの記事が終わらんのでここで一回締めます。
余談
実はマジカルミライ2014のオープニング演出(球を握ってダンスするやつ)とレディーガガさんの前座演出は、MIKIKOさん主催のダンサーグループ「ELEVENPLAY」とライゾマティクスさんの技術共演となります。ELEVENPLAYは今回のバックダンサーも担当しています。
いつかまた別の形で、MIKIKOさんとライゾマティクスさんがミクたちのライブを関わってくれると、心よりずっと期待しています。
あとメンバーののっちさん、プロセカやってるらしいです。ミクさん呼びって、のっちさんも実はミクファンなのでは?とひっそり思っています(笑)
最後に
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
最近になって私のミクファン友人もPerfumeの大ファンとなり、いつかライブへ行く約束もしました。やはり同志が増えることって嬉しいことなんだね。
この文章を読んだあなたも、少しPerfumeに対して興味を持ってくれれば、ぜひ、プライムビデオでpolygon waveを見てください。
あと、Perfumeの過去ライブ映像も今後プライムビデオで配信されるらしいので、楽しみが増えましたね!
もっとpolygon waveを勉強したい人向け↓
次のPerfumeライブ、もしくはミクライブでお会いすることを楽しみにしています。