階段
コーチという言葉の由来は
馬車から来ています。
(ブランドにもありますね)
目的地へ運ぶ存在なのです。
まずは生徒達の目的地はどこなのか明確にしましょう。
そして共有してください。
例えば少し高い目標かもしれません。
そこに到達できるよう
指導者は階段を設置していくイメージです。
生徒の目標や課題に到達できるような階段
しかも登りやすい階段を作ってください
もう少し具体的な例をあげます。
私が以前勤めていたスイミングスクールのお話です。
生徒にはもちろん4泳法(クロール、背泳ぎ、バタフライ、平泳ぎ)を順番に指導します。
そして色々な事ができるようになるにつれて進級していきます。
1級はメドレーのタイムを達成できれば到達できます。
一応スイミングスクールの商品としてはそこを目標にします。
(もちろん生徒側の意向もあり、クロールまでで退会される方もいましたが、それはそれで良いのです。)
そして、肝心なのが
一級にたどり着くまでの級制度
なんと37級もありました。
ちなみに37級は顔洗いから始まります。
36級は3秒の顔付けです。
このように非常に細かいのです。
級が上がると生徒達は成長を感じます。
成長を感じるとモチベーションが上がります。
モチベーションが上がると人は楽しく努力します。(しかも本人は努力を苦としません)
努力すると上達します。
いい循環が生まれます。
そうなのです。
コーチは馬車のように、ただ運ぶのではなく
階段として登りやすい環境を整えることに集中した方が良い事が多いです。
生徒達をよく見て間違った方向へ努力をしないようにする必要はありますが、伸びるか伸びないかは本人の努力に任せるくらいがちょうどいいです。
努力してもらうために、登りやすい階段を作ります。
卓球で言うならフォア打ち10回の人が11回出来たら褒めましょう。
数字にならなくても、少しフォームが綺麗になったら(腰が回るようになったり、軸が安定したりしたら)褒めましょう。
楽しむことが目的の人なら、日々楽しんでやってくれてることすら褒めて良いです。
また初めてドライブを指導する際でも
ドライブとは何か伝える、回転の掛け方を教える(ラケットが難しい場合は素手も良いです)、振り方を教える、トスして打ってみる、障害物などをいれてトスして打ってみる、多球練習で打ってみる、多球練習で動いて打ってみる、一球で打ってみる、一球で動いて打ってみる、他の打法も混ぜて応用してみる
小分けにして指導した方が、理解も深まりやすいのです。初めてのことは特に。
(自転車の補助輪と同じですね)
そして段階のひとつひとつで上達を共有しましょう。
本人以上に、指導者が成長に気付いてください。
そして伝えてください。
本人が成長に気付けるように練習します。
少しでも良いです。(個人差はありますが。)
小さなことからよい循環は始まります。
そんな感じです。
さて、ここでまたひとつポイントがあります。
はたして階段は
細かければ細かいほど
どんどん登りやすくなるのでしょうか?
ここが難しい問題なのです。
もしかしたら足の長い人にとって、細かすぎる階段は登りづらいかもしれません。
そうなのです。
登りやすい階段とは、〝登りやすい〟段差で出来ています。
センスの良い生徒だったり、大人と子供では卓球の上達スピードが異なります。
ここは生徒の事をみて向き合わないとわからない部分です。
目の前の生徒にとって
なにが一番気持ちよく登れる階段なのか
いつでも察する様に心がけましょう。
もしかしたらフォア打ちより、ドライブなどの回転要素に触れた方が、惹かれるかもしれません。
それはちょっと他の人の知らないことを習っているという優越感に近い感覚から来るものかもしれないし、
フォア打ちはすでに出来る感覚があって、繰り返しに飽き飽きしているのかもしれません。
部活動などの集団での指導だと、この問題はよくある話だと思います。
上達スピードの速い子は、上達スピードが早いことを認めたうえで、
プラスアルファなにかひとつ上の階段を登る様、課題を提供できる様にしましょう。
フットワーク練習を回数だけでなく、姿勢を低く動いてみるよう求めたり。
相手の動きを見る様に求めたり。
また掘り下げる話ですがこの際の伝え方も重要なポイントですね。
なんにしても生徒の気持ちをよく見てください。
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