【ビジネス日本語】セミナー講演やスピーチで使うビジネス日本語の練習用ロールプレイ&練習問題
それでは、ロールプレイで練習していきましょう。
誤回答の誤りの理由がわからない場合には、後述に解説を掲載していますので、ご確認下さい。
なお、正解はあくまで、一般的な用法における正解です。誤りとして表現されているものも、状況によって使われることもございますので、その旨をご理解いただき、練習していただければ幸いです。
セミナー開始の挨拶ロールプレイ
シナリオ1: 初回のセミナー
誤回答:
「今日は私のセミナーにお越しいただき、ありがとうございます。私の名前はジョン・スミスです。イギリスから来ました。皆さんと一緒に楽しみながら学びたいと思います。」
正しい表現:
A: 「本日は私のセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。私はジョン・スミスと申します。イギリスより参りました。皆様と一緒に有意義な時間を過ごせれば幸いです。」
B: 「皆さん、こんにちは。私はジョン・スミスです。イギリスから来ました。今日は皆さんと一緒に学ぶことを楽しみにしています。」
C: 「ご来場いただきありがとうございます。私の名前はジョン・スミスです。イギリスからお邪魔しています。今日は日本の皆様と学びを深めたいと思います。」
シナリオ2: 特定のテーマに焦点を当てたセミナー
誤回答:
「今日私が話しますテーマは『イギリス経済の未来』です。楽しみにしています。」
正しい表現:
A: 「本日のテーマは『イギリス経済の未来』です。どうぞご期待ください。」
B: 「今日は、『イギリス経済の未来』についてお話しいたします。皆様のご興味を引く内容をお届けできると信じています。」
C: 「今日は、『イギリス経済の未来』というテーマでお話しさせていただきます。皆様のご参加をお待ちしておりました。」
シナリオ3: 自己紹介を含む挨拶
誤回答:
「私の名前はジョン・スミスです。10年以上、経済コンサルタントとして働いてきました。今日は日本の経済について私の見解を共有します。」
正しい表現:
A: 「はじめまして、ジョン・スミスと申します。これまでに10年以上、経済コンサルタントとして活動してきました。今日は日本の経済について私見を述べさせていただきます。」
B: 「私はジョン・スミスです。10年以上にわたり経済コンサルタントをしております。今日は日本の経済について私の経験を基にお話しします。」
C: 「ジョン・スミスです。長年にわたり経済コンサルタントとしてイギリスで活動してきました。今日は私が見てきた日本の経済についてお話ししたいと思います。」
質疑応答のロールプレイ
シナリオ1: 質問がわからない時
誤回答:
「その質問、何か説明してもらえますか?」
正しい表現:
A: 「その質問の意味がよくわかりませんでした。もう一度お願いできますか?」
B: 「すみません、その質問の内容が理解できませんでした。もう一度お願いします。」
C: 「質問が少しわかりにくかったです。もう一度お願いできますか?」
シナリオ2: 長い質問に対する答え
誤回答:
「長い質問ですね。それでは、はい、それは...」
正しい表現:
A: 「複雑な質問ですね。順を追ってお答えします。まず...」
B: 「ご質問ありがとうございます。ポイントごとにお答えしていきます。まず第一に...」
C: 「長い質問ですが、大きく分けて答えます。まず一つ目に...」
シナリオ3: 質問に対する直接的な答えがわからない時
誤回答:
「それについて知りません。ごめんなさい。」
正しい表現:
A: 「その点については、現在の情報が手元にございません。後ほど調査し、メールでご連絡いたします。」
B: 「申し訳ありませんが、私の知識ではすぐに答えられません。後で詳しく調べてお返事いたします。」
C: 「それに関する詳細な情報を持っていないので、今後調べてフィードバックさせていただきます。」
これらのシチュエーションを通じて、日本語のビジネスシーンで使える表現や、間違えやすいポイントを学ぶことができます。
誤りがわからなかった時の解説
シナリオ1: 初回のセミナー
誤回答: 「今日は私のセミナーにお越しいただき、ありがとうございます。私の名前はジョン・スミスです。イギリスから来ました。皆さんと一緒に楽しみながら学びたいと思います。」
問題点: 「楽しみながら学びたい」という表現は、ビジネスやセミナーという正式な場には少しカジュアルすぎる。また、「私の名前は」と直接名乗るよりも、「ジョン・スミスと申します」と名乗る方が丁寧です。
B: 「皆さん、こんにちは。私はジョン・スミスです。イギリスから来ました。今日は皆さんと一緒に学ぶことを楽しみにしています。」
理由: 「こんにちは」はビジネスの場では少しカジュアルすぎることがあります。特にセミナーの冒頭では、「おはようございます」や「こんにちは」よりも「お集まりいただきありがとうございます」などの正式な挨拶が適切です。また、自己紹介の部分は「私はジョン・スミスです」と述べるよりも「ジョン・スミスと申します」などの謙虚な表現が好まれます。
C: 「ご来場いただきありがとうございます。私の名前はジョン・スミスです。イギリスからお邪魔しています。今日は日本の皆様と学びを深めたいと思います。」
理由: 「お邪魔しています」は訪問者としての謙遜を表す表現ですが、セミナーの講師として登場する際には、「お邪魔する」より「参りました」が適切です。また、「今日は日本の皆様と学びを深めたいと思います」は、講師としての役割が明確ではなく、参加者と対等に学ぶというニュアンスが強く出てしまいます。講師は教える側として、「私見を述べさせていただきます」や「情報を共有します」などの表現が適切です。
シナリオ2: 特定のテーマに焦点を当てたセミナー
誤回答: 「今日私が話しますテーマは『イギリス経済の未来』です。楽しみにしています。」
問題点: 「私が話します」という表現は英語の直訳的で、日本語では「私がお話しするテーマは」とする方が自然。さらに、「楽しみにしています」は講師が言うには少し軽い印象を与えます。
B: 「今日は、『イギリス経済の未来』についてお話しいたします。皆様のご興味を引く内容をお届けできると信じています。」
理由: 「皆様のご興味を引く内容をお届けできると信じています」と言うのは、やや自信過剰に見える可能性があります。セミナーのテーマを紹介する際には、内容に対する期待を高めることは良いですが、過度に自信を示す表現は、聴衆にプレッシャーを与えるかもしれません。また、「お話しいたします」という表現は、少し硬すぎるか、または必要以上に高圧的にも見えかねません。
C: 「今日は、『イギリス経済の未来』というテーマでお話しさせていただきます。皆様のご参加をお待ちしておりました。」
理由: 「皆様のご参加をお待ちしておりました」は、過去形を使うことで、すでに自分が参加者を待っていたかのように表現されてしまいます。セミナーの開始時には、現在形や未来形で「お待ちしております」が適切です。また、「お話しさせていただきます」は丁寧ではありますが、「お話しいたします」という方がビジネスシーンでは一般的で、よりプロフェッショナルな印象を与えます。
シナリオ3: 自己紹介を含む挨拶
誤回答: 「私の名前はジョン・スミスです。10年以上、経済コンサルタントとして働いてきました。今日は日本の経済について私の見解を共有します。」
問題点: 自己紹介の部分は良いのですが、「私の見解を共有します」よりも「私見を述べさせていただきます」などの表現の方が謙虚で適切です。
B: 「私はジョン・スミスです。10年以上にわたり経済コンサルタントをしております。今日は日本の経済について私の経験を基にお話しします。」
理由: 「私はジョン・スミスです」と直接名乗るのは、英語の自己紹介の形式を踏襲していますが、日本語では「ジョン・スミスと申します」と言う方が丁寧で、ビジネスマナーに則っています。また、「私の経験を基にお話しします」は具体性に欠け、どのような話をするのかが明確でないため、聴衆に期待感を持たせるには不十分です。
C: 「ジョン・スミスです。長年にわたり経済コンサルタントとしてイギリスで活動してきました。今日は私が見てきた日本の経済についてお話ししたいと思います。」
理由: 「ジョン・スミスです」と名乗るのは適切ではありますが、「長年にわたり」とは具体的な期間が明示されていないため、少し曖昧です。また、「今日は私が見てきた日本の経済についてお話ししたいと思います」は、やや不確定な表現で、セミナーの内容が事前に準備されたものであることを伝える力が弱いです。「私見を述べさせていただきます」や「私の経験を交えてお話しします」などの方が確固たる意図を伝えます。
質疑応答のロールプレイ
シナリオ1: 質問がわからない時
誤回答: 「その質問、何か説明してもらえますか?」
問題点: 「何か説明してもらえますか?」という表現は少し唐突で、相手に理解を強いるような印象を与えます。もっと丁寧に「もう一度お願いできますか?」という表現の方が好ましいです。
B: 「すみません、その質問の内容が理解できませんでした。もう一度お願いします。」
理由: 「すみません、その質問の内容が理解できませんでした」というのは、少し口語的で、ビジネスシーンに比べてカジュアルに感じられます。ビジネスの場では、より丁寧に「わかりませんでした」と述べる方が適切です。
C: 「質問が少しわかりにくかったです。もう一度お願いできますか?」
理由: 「わかりにくかったです」は、質問をした人に対して間接的な批判のように受け取られる可能性があります。質問が理解できなかったのは講師側の問題として、「わかりませんでした」と素直に伝えるのが良いです。
シナリオ2: 長い質問に対する答え
誤回答: 「長い質問ですね。それでは、はい、それは...」
問題点: 「長い質問ですね」はやや軽薄に感じられ、質問の内容が重視されていないように見えます。また、「はい、それは...」は非常に唐突で、質問に対する準備ができていない印象を与えます。
B: 「ご質問ありがとうございます。ポイントごとにお答えしていきます。まず第一に...」
理由: 「ポイントごとにお答えしていきます」自体は悪くないが、「まず第一に...」という表現は少し冗長で、直接「まず...」と続ける方が自然です。また、この文脈では、よりシンプルに「まず」と始めるのが一般的です。
C: 「長い質問ですが、大きく分けて答えます。まず一つ目に...」
理由: 「長い質問ですが」という前置きは、質問が長いことを指摘することで、質問者に対して不快感を与える可能性があります。また、「大きく分けて答えます」もやや不必要に冗長で、直接的に「まず一つ目に...」と進めるのが好ましいです。
シナリオ3: 質問に対する直接的な答えがわからない時
誤回答: 「それについて知りません。ごめんなさい。」
問題点: 「知りません」は、相手に対して自分が無知であることを認めるような表現で、ビジネスシーンではあまり好まれません。代わりに、調査して後で返事をするなどのフィードバックを約束する方がプロフェッショナルです。
B: 「申し訳ありませんが、私の知識ではすぐに答えられません。後で詳しく調べてお返事いたします。」
理由: 「私の知識ではすぐに答えられません」と言うと、自分の知識不足を強調してしまい、聴衆に不信感を与える可能性があります。Aの表現では情報が手元にないことを主張しており、責任を自分だけでなく状況にも分散しています。
C: 「それに関する詳細な情報を持っていないので、今後調べてフィードバックさせていただきます。」
理由: 「詳細な情報を持っていないので」とは言っても、「今後」調べるというのは具体的な時期を示さず、曖昧です。具体的なフィードバックの予定を示すことで、より信頼を得ることができます。