button, curtain, Manhattan 等のtの 発音うまくできていますか?

tの発音は通常、舌先を上の歯茎に付けておいて息をため、舌先を歯茎から離したときに破裂させたようにして出す息の音です。これをtの破裂音と言います。

button, curtain, Manhattan 等のtの発音は、強い息を伴った破裂音のtとは異なります。これらのtは 舌先を歯茎に付けたまま (つまり、破裂させないまま) で次の子音を発音します。このような発音をtの閉鎖音と言います。

閉鎖音のtの後ろは母音ですが、アメリカ英語ではtとnの間にある強勢の無い母音は脱落させて発音します。

なぜ母音を脱落させてしまうのかと言いますと、tとnは、調音位置(=発音の際の舌等の位置) が同じなので、tとnの間にある母音を脱落させることで、tとnを連続してスムーズに発音できるようになるからです。

どういうことかと言いますと、tの後ろの母音を発音すれば舌先をいったん歯茎から離すことになります。そうすると、次のnを発音するときに改めて舌先を歯茎に付けることになります。

 母音とは、「アイウエオ」のように 音声を舌や歯や くちびる等にさえぎ られることなく、そして 舌先を口腔内のどこにも触れさせずに発音することができる音声のことです。   

また、tを破裂音で発音してしまうと、舌が歯茎から離れることになるので次のnの発音で再度 舌先を歯茎に付けることになります。

このように、舌先を歯茎にくっつけたり離したりすることを繰り返さないためにtを閉鎖状態にしているのです。

舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて発声するアメリカ英語では、発音時のわずかな舌の移動も避けるような傾向があるのです。


tの閉鎖音の発音の仕方についての説明を続けます。

button は butt,  certain は cert,  Manhattan は Manhatt, のように それぞれを語頭から発音し、太字で表しているtの部分で発音を 一瞬 中断します。 

発音を中断するということは、tを発音するために歯茎に付けておいた舌先を、付けたままの状態にしておくということです。従って、舌先を歯茎から離さないということになります。勿論、息も ほんの一瞬ですが止めます。

そして、一瞬息を止めた後 そのまま次のnを発音すれば、nの前のtは破裂せずに閉鎖音になるという訳です。

尚、語尾のnの発音は「ン」ではなく、「ヌ」と発音してください。後ろに母音の付く「ヌウ」ではなく、「ヌ」です。後ろに母音を付けないようにするには、発音が終わるまで舌先を歯茎に付けたままにしておいてください。

他にtを閉鎖音として発音する語には、certainly, eaten, gotten, kitten, mitten, mountain, written 等があります。


アメリカ英語のそれぞれの発音の変化には、日本語を発音するときの舌 (=日本語舌) の状態では解からない、"アメリカ英語舌”ならではの合理的な理由があります。

この、アメリカ英語の発音の原理・原則を知ることで、リスピ(リスニング力とスピーキング力)を飛躍的に向上させる道が開けてきます。

以上です。


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