アメリカ英語の発音の変化を検証する2⃣
apple や feel, milk の L の発音が、どうして「ウ」のように聞こえるの?
アメリカ英語(General American)(以下GA)の発音は、常に 舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、あるいは、常に 舌を強く口腔の奥部に引くようにしておいて行われています。
従って、舌の後部には 常に強い力が加えられているために、舌の後部の動きは制限され、発音時の舌は非常に窮屈な状態になっています。つまり、GAを話す人たちの舌の後部は、彼らが英語を話している間、口腔の奥部でほぼ固定された状態になっているということです。
この舌の状態が GAを発音するときの ‟基準となる発音の構え” なのです。
ここからが検証です。 舌の状態を上記のようにしておいて、milk を発音してみて下さい。これまでとは やや違った milk の発音になっていませんでしたか?
今 発音した milk の音声がGAの音声のようになっていればいいのですが、日本式の音声のように聞こえた人は、舌への力の込め方が足りなかったのだと思います。
日本式の音声になっていた人は、今度は思いっきり舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、もう一度 milk と言ってみて下さい。これで 日本語の音声がGAの音声(音質)に変わったと思います。
どうしても、舌を喉の奥に引き込むような感じにできない人は、下の前歯を思いっきり上の前歯より前に出すようにして下さい。このようにすることで、下の前歯は2~3ミリ 上の前歯より前に出ます。これで、舌を喉の奥に引き込むような感じにしたときと同じ状態になります。
さて、Lの発音ですが、Lの発音には 明るいL(clearL)と暗いL(darkL)の二種類あることはご存じですね。明るいLは、後ろに母音が付くLで、暗いLは、後ろに子音があったり、語尾の位置にある場合でしたね。
明るいLは、舌先を歯茎に付けておいて「ル」のように発音し、そのあとに母音を続けて la, li, lu, le, lo のように発音すれば、明るいLの発音になります。
暗いLの場合は、舌先を歯茎に付けておいたままで、「ウ」と発音します。このとき 大切なことは、「ル」や「オ」ではなく、「ウ」と発音することです。
なぜかと言いますと、舌先を歯茎に付けておいて「ル」と発音した場合、舌先が歯茎から離れてしまったり、舌先を歯茎に付けておいたままでの「ル」の発音では、舌の後部が十分に盛り上がらないために、英語の「暗いL」の音にはならないからです。
また、「オ」と発音した場合も、舌の後部が十分に盛り上がらないために、暗いLの音にはならないのです。
暗いLの発音は、あくまでも舌先を歯茎に付けておいたままで「ウ」と発音しなければならないのです。「ウ」と発音することで、自動的に舌の後部が盛り上がり、暗いLの発音になるわけです。
ここで、上記の暗いLの発音の仕方を真似て ‟call” を発音してみて下さい。
call
どうでした? うまくできましたか。語尾のLが、「ウ」のように聞こえましたか? もし「ウ」のように聞こえていなければ、上記の暗いLの場合は... のところに戻って、もう一度 読み直して下さい。繰り返しやってみることで、必ずできるようになります。
もう、一つ付け加えますと、あくまでも GAを発音するときの「基準となる発音の構え」で発音するということです。
暗いLで発音する語には、apple, ball, double, help, milk, Seattle, hotél 等があります。これらの語を活用して、繰り返し練習してください。(hotel の e には ストレスがあります)
この 暗いLを上手に発音することで、英語の発音が引き締まった感じになってきます。
なお、下の前歯を上の前歯より前に出しておいて発音することに馴染んでくると、下の前歯は徐々に後ろに移動してきます。
以上です。
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