数種類ある「ア」に聞こえる音を、明確に区別して発音する
アメリカ英語の発音には、私たち日本人にとって 「ア」に聞こえる音が幾つもあります。
例えば、about や ago を「アバウト」や「アゴウ」のように聞き取り、money や mother を「マアネー」や「マアザー」のように聞き取っています。
abóut や agó の a は、シュワ―とか あいまい母音と呼ばれている母音で、常に弱く発音されます。英語では最も頻繁に使われる母音です。
語句や文の中で ストレス(=アクセント)の無い母音(a,e,i,o,u)は、(ゆっくり発音した場合を除き) 通常の速さで発音したときには、この あいまい母音に変わります。
なぜなら、ストレスのない弱母音を あいまい母音として発音することで、舌の動きや口の開く具合を一々変化させる必要がなくなり、発音全体の流れをスムーズにできるからです。
あいまい母音は、アメリカ英語の発音の基準の構え (=口をわずかに開いておいて舌を喉の奥に強く引き込むような感じ) のままで、軽く または 弱く「ア」と発音する音です。
一方の money や mother の「ア」は、あいまい母音と同じ発音の構えのままで、強く そして短く「ア」と発音する音です。この「ア」には ストレスがあるため強く発音されます。
この「ア」を発音する語には、money や mother の他に come, cólor, sum, Súnday, Mónday, month, mónkey, rubber, run 等があります。
このように、アメリカ英語の基準となる発音の構え (舌を喉の奥に強く引き込むような感じ) にするだけで、日本語の発音の調音位置全体がアメリカ英語の発音の調音位置に自動的に移動するために、アメリカ英語の(音声の共鳴の度合いが高い)発音を容易に身に付けることができるのです。
ぜひ、自分でやってみて、アメリカ英語の音声の響きを実感してみて下さい。
以上です。
今日のまとめ
①あいまい母音(=シュワ―)は、舌を喉の奥に強く引き込むような感じにしておいて、軽く 弱く「ア」と発音する。
②語句や文中の弱母音の発音は、発音の流れをスムーズにするために あいまい母音に変化させる。
③color, Sunday, Monday等で「ア」と聞こえる音は、あいまい母音と同じ発音の構え (口をわずかに開き、舌を喉の奥に強く引き込むような感じにする) のままで、強く短く「ア」と発音する。