発声時、舌に力を込めない日本人、力を込めるアメリカ人
私たち日本人は声を出すとき、舌に力を込めません。ところが、英米人は英語を話すとき、必ず舌に力を込めておいて話します。
舌に力を込めるとはどのようなことかと言いますと、舌に力を込めれば、舌は自然に盛り上がります。
舌が盛り上がると、舌の左右の両端は 上の左右の奥歯に当たります。この形が、イギリス英語を発声するときの「基準となる構え」です。
また、舌が盛り上がると、舌と口蓋(上あご)の間が狭くなり、呼気の勢いが強くなります。つまり、音声周波数が高くなるいう訳です。
呼気の量は大して差が無いにもかかわらず、私たち日本人の呼気の勢いが弱いのは、舌と口蓋の間が広いために、発声時の呼気がジャジャ漏れ状態になっているからです。そのため、日本人の音声周波数は高くなりません。
イギリス人は、単に力を込めて舌を盛り上げるだけですが、アメリカ人は、単に舌に力を込めるということではなく、舌を喉の奥に引き込むような感じに、あるいは 舌を口腔の奥に引くようにしておいて発声します。
舌に力を込め、口腔の奥に引くようにすれば 舌の中央部分が低くなります。つまり、舌の左右の両端は上の奥歯に当たっている状態のままで、中央部分だけが低くなるので、舌は ゆるやかなⅤ字型になるという訳です。
この舌の形がアメリカ英語を発声するときの「基準となる構え」です。舌の形をゆるやかなⅤ字型にすることで、口腔の後部の空間が広くなり、音声の共鳴の度合いが高くなります。
音声周波数は、舌の中央部分が低くなっているために、イギリス英語のようには高くなりません。しかしながら 日本語の周波数よりは高くなっています。
また、舌に力を込め 後部に引き込むようにしているために、発音の種類によっては舌の可動域が制限されることがあります。そのため、自然に発音の変化が発生します。
今日のまとめ
①声を出すとき、日本人は舌に力を込めない。
②英米人は、声を出すとき、必ず舌に力を込める。言い換えれば、舌に力を込めておいて発声する。
③アメリカ人は、単に舌に力を込めるということではなく、舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて発声する。
④舌を喉の奥に引き込むような感じにすることで、舌の中央部分が低くなり、口腔の奥部の空間が広くなる。そのため、音声の共鳴度が高くなる。
⑤さらに、舌を喉の奥に引き込むような感じにしているために舌の動きが窮屈になり、音声変化が起きやすくなる。
以上です。