⑧◆舌の状態を、アメリカ英語を話している人たちと同じ状態にしてみて分かったこと
英語の発音ができない私たち日本人の舌の状態を、アメリカ英語を話す人たちの舌と同じ状態にすれば、私たちの発音は、どのように変化するでしょう。
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発音のさまざまな変化がある中で、最も大きな、そして 私たち日本人にとって最も嬉しい変化は、日本語のすべての発音の調音位置が、自動的にアメリカ英語の発音の調音位置に移動するということです。
□調音位置とは、端的に言えば 個々の音の違いを区別して発音するために、それぞれの音を発音するときの舌や唇等の定まった位置のこと。
日本語の発音の調音位置が、アメリカ英語の発音の調音位置に移動することを体感していただくために、日本人が苦手にしている [ r ] を、下記の説明通りに発音してみてください。
まず、日本語を話すときのように、舌に力を込めず、そして 舌先をどこにも触れさせずに「ル」と発音してください。
つぎに、アメリカ人が英語を話すときと同じように、舌を喉の奥に強く
引き込むような感じにしておいて、舌先をどこにも触れないようにして「ル」と発音してみてください。
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日本語の舌で発音した「ル」と、アメリカ英語の舌で発音した「ル」の音の違いがお分かりいただけたでしょうか。
音の違いがお分かりいただけなかった人は、多分 アメリカ英語の舌になっていなかったのだと思います。
今度は確実にアメリカ英語の舌の状態にするために、舌を思いっきり喉の奥に引き込むような感じにしておいて、「ル」と言ってみてください。
いま発音した「ル」が、アメリカ英語の [ r ] の音なのです。
舌に強い力が加わっていれば、舌先はどこにも触れることができないので、 [ r ] の発音は簡単にできるのです。
これまで私たち日本人にとって [ r ] の発音は、最も難しい発音だと言われていました。
ところが、アメリカ英語の舌で [ r ] を発音すれば、 [ r ] は最も簡単に発音できる音になるのです。
続いては、 [ h ] の発音です。h は、日本語の「ハ行」に相当します。
日本語の舌の状態で発音する「ハ行」の調音位置は、「ハヘホ」と「ヒ」、それに「フ」の三ヵ所に分かれています。
「ハヘホ」の調音位置は、英語と同じ喉の奥の咽頭に、「ヒ」の調音位置は上アゴの中央部分にあります。
日本語の舌で「ヒ」を発音してみると、舌先が上アゴに近づくのが実感できます。
「フ」は、唇をとがらせておいて発音するため、上下の唇が調音位置になっています。
この「ハ行」は、アルファベットで表せば ha, hi, hu, he, ho のようになります。
この ha, hi, hu, he, ho の五音をアメリカ英語の舌で発音してみると、五音すべての調音位置が咽頭になっていることが実感できます。
アメリカ英語の舌で「ヒ」を発音しても、日本語の「ヒ」のときのような舌の動きはありません。
手のひらを口の前に立てておいて、日本語の舌とアメリカ英語の舌で「ヒ」([h])を発音してみてください。息の強さの違いが分かります。
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また、アメリカ英語の ha,hi,hu,he,hoの調音位置が、すべて咽頭になっているということは、[フ]を発音するとき唇をとがらせる必要がないということになります。
以上、日本語を話すときの舌の状態を、アメリカ英語の話すときの舌の状態にすることで、日本語のすべての発音の調音位置が、自動的にアメリカ英語の発音の調子音位置に移動するということを実感していただきました。
すべてと言っても、 ここでは [ r ] と[ h ] だけしかできませんでしたが、後日、改めて他の発音もやっていきます。
なお、日本語に無い f,v や th の発音は、別途 学習する必要があります。