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アメリカ英語の発音の変化を検証する5⃣

center, internet, twenty, winter, want to~ 等の語句では、n と弱母音に挟まれた t (n‟t”◌)は省略され、発音しないのは どうして? 

アメリカ英語(General American)(以下GA)を話す人たちは、舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、あるいは 舌を口腔の後部に引いておいて発声しています。

しかしながら、GAを話す人たちは このことを意識しているわけではありません。無意識のうちにやっているわけです。

これは、私たち日本人も声を出すとき、いちいち舌の状態を意識しているわけではないのと同じです。

私たちは、舌に力を込めて声を出すということなど考えたこともないし、英語ネイティブの人たちが、常に舌を緊張させておいて(=常に舌に力を込めておいて)発声していることに気づくこともありませんでした。

そのため、私たちは日本語を話すときの舌の状態のままで、英語を話していました。ここに、私たち日本人が英語の発音を苦手にする原因があったのです。

GAの音声で英語を話す人たちは、上記(太字)のようにしておいて center, internet, twenty, winter, want to~等を発音しています。

center, internet, twenty, winter, want to~のように、n と○(弱母音)に挟まれた t は、省略しているという訳ではなく、調音位置が同じ n に同化し 聞こえなくなってしまっているのです。

これは、イギリス英語やオーストラリア英語にはない、GA独特の音声変化の現象です。

なぜ このような音声変化が起きるのかと言いますと、①GAは(ほぼ)すべての発音を‟鼻音化”して発音しているということ。② n と t が同じ調音位置だということ。③ t の後ろの母音にストレス(=アクセント)が無いこと。

上記①②③の条件が揃っている場合に、発話者が意識するしないにかかわらず、t の音声は自然に n に同化、あるいは吸収され聞こえなくなってしまうのです。

GAの発音ができない私たちでも、舌を思いっきり口腔の奥に引き込むようにしておいて、あるいは舌を力いっぱい喉の奥に引き込むような感じにしておいて上記の語句を発音すれば、GAを話している人たちと同じように t の発音は聞こえなくなります。

舌を思いっきり とか 舌を力いっぱいの部分を太字にしているのは、そのようにすることで、自動的に口蓋垂(=いわゆるノドチンコ)が下がり、私たちの発音が‟鼻音化”するからです。

GAでは、(ほぼ)すべての発音を鼻音化しています。t の発音も鼻音化しています。鼻音の n に続いて発音する(鼻音化されている )t は、調音位置も n と同じです。t が n に同化、あるいは吸収される条件が揃っているのです。

※intérnal のように t の後ろの母音にストレスがある場合は、t を強く発音するため、n の影響を受けることはありません。

舌に力を込めることなく、従って 舌がゆる~い状態で発声している私たち日本人が、GAの発音を身に付けるには、舌を力いっぱい口腔の奥に引くようにして、あるいは 舌を思いっきり喉の奥に引き込むような感じにしておい発声しなければならないのです。

舌の状態を上記のようにすることで、日本語を発音していた時の調音位置が、まとまって自動的にGAの調音位置に移動するのです。

ということは、f や th 等 日本語に無い発音だけを身に付ければいい訳です。日本語に無い発音でも、r は10秒以内、Lは 明るい Ⅼ も暗い Ⅼ 1分で身に付きます。

このやり方でGAの発音を身に付ければ、一生忘れることはありません。

以上です。

 



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