アメリカ英語の発音の変化を検証する7⃣

どうしてmeet you や YouTube の t-y や tu の発音が、テュではなくチュのように聞こえるの?

日本語の「タ」「テ」「ト」の調音位置は、上の前歯にあります。つまり、「タ」「テ」「ト」のどれかを発音する場合、舌先を上の前歯に軽く付けておいて「タ」とか「テ」、あるいは「ト」と言えばいい訳です。

「タ」「チ」「ツ」「テ」「ト」の「チ」の調音位置は、「タ」「テ」「ト」とは違っています。「チ」の調音位置は上の前歯ではなく、上の歯茎です。歯茎に当たる舌の位置も、舌先ではなく もう少し後ろにあります。

その、もう少し後ろの部分を、歯茎に しっかりと付けておいて「チ」と言えば「チ」の発音になるのです。

実際に「タ」「テ」「ト」を発音してみれば、舌先は同じ位置にとどまっています。「タ」と「チ」を交互に発音してみれば、歯や歯茎に当たる舌の位置が「タ」と「チ」では違っていることが分かります。


アメリカ英語(略GA)の t の調音位置は、日本語の「タ」「テ」「ト」と ほぼ同じです。ch の調音位置も「チ」と ほぼ同じです。

ところが、発音時の舌の形状が、日本語を話す私たち日本人の舌とは大きく違っているのです。

これまで繰り返し述べてきましたが、私たち日本人は、舌に力を込めることなく日本語を話しています。一方、GAを話す人たちは、常に 舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて発声しているのです。

つまり、GAを話す人たちの舌の奥部には 常に 強い力が加えられているのです。そのため、彼らの舌の奥部の動きは制限され、窮屈な状態になっています。

舌の奥部がこのような状況になっているために、舌先を軽く前歯の裏に付けて発音する t は、うつろな状態にならざるを得なくなっているのです。

GAの発音の変化の中で、その殆んどを t が占めているのは、上記のような背景があるからです。

上記のような状態のtは、meet you や YouTube 等を発音するとき、舌をしっかりと歯茎に付けておいて発音する ch にとって代わられているのです。

それが、meechu や Youchube の発音になって表れているのです。

と言っても、GAを話している人たちは、あくまでも‟ t ”を発音しているのですが、結果として  t は、様々な音に変化しているのです。

以上です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?