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日本人が「ア」と発音しているアメリカ英語の基本母音について

日本語の母音は、アイウエオの五音だけなので、「ア」音系の母音の表記は「ア」しかありません。

ところが、アメリカ英語の「ア」音系母音は、二重母音や三重母音を含めると十種類もあるのです。

アメリカ英語の「ア」音系は、基本母音だけでも五種類あります。

そのため、私たち日本人にとって、アメリカ英語の「ア」音系の発音の習得は容易ではないのです。


★実際には、日本人であっても舌の状態をアメリカ英語を話す人たちと同じ状態にすることで、容易に、そして正確に、アメリカ英語の発音を身につけることができます。



これまでの発音学習や発音指導では、「ア」音系母音を明確に区別することができなかったため、すべての「ア」音系母音を、安易にカタカナの「ア」で表記し、日本語の「ア」で発音してきました。

下の図は、アメリカ英語の「ア」音系の基本母音の発音記号と、それらに対応するEカナ記号をセットにして表記しています。
これらとは別に「ア」と発音しているR音性母音も、この図に加えました。

上記のアメリカ英語の発音記号に対し、Eカナ記号は、すべて見た目が「ア」になるようにしました。

上段の左端は、あいまい(曖昧)母音の「ア」です。軽く弱く発音するため Eカナ記号も 丸みを持たせ小さくしています。
曖昧母音は、アメリカ英語の個々の発音の中で、最も多用されている母音です。
また、曖昧母音には、強勢(ストレス)がありません。そのため、よく発音が省略されます。
強勢(ストレス)のない母音は、この音に変化します。

上段の真ん中は、逆さVの「ア」です。この「ア」には、強勢(ストレス)があるため、強く発音します。強く、そして短く発音する音です。
そのため、Eカナ記号も幅を狭くし、角ばった「ア」にしています。
発音の構えは、曖昧母音の「ア」と同じです。
come, mother, sun 等の「ア」です。

上段の右端は、アメリカ英語独自の発音で、母音の後に続くR音性母音の発音です。
R音性母音の発音の仕方は、既に別の記事で説明しています。

下段の左端は、二重母音の[ai][au]の「ア」です。
アの上部の横棒と下部の縦棒の間が、曖昧母音や逆さVの「ア」に比べてやや広くなっているのは、上の二つの「ア」よりも口を広く開けることを意味しています。
I am の I(「アィ」), time の i (「アィ」)の「ア」、house や town の「アゥ」の「ア」です。

下段の真ん中は、「ア」と「エ」の中間の音を表しています。
アの上部の横棒と下部の縦棒の間が二重母音の「ア」のときよりも広くなっているのは、二重母音の「ア」よりも、口を大きく開けることを表しています。
Eカナ記号の表記では、この「ア」は口を大きく開けておいて、「エ」と発音することを表しています。 
apple, cat, family, happy, map 等のです。

最後の下段右端の「ア」は、口を大きく開けておいて「ア」と発音することを表しています。
イギリス英語では、「オ」と発音する音です。
docter, hot, mop, pot, stop 等の「ア」
です。


小学生や中学生向けの英語の参考書や辞典には、至るところにカタカナのフリガナがあふれています。
と、いうことは、小中生にとって英語学習のスタートからカタカナ式の表記や発音を余儀なくされているということではないでしょうか。

果たして、日本の英語学習は、こんな体たらくでいいのでしょうか。


ここまで、日本人の多くが安易に「ア」で発音しているアメリカ英語の基本母音について、そして、これらの基本母音を明確に区別して表記できるEカナ記号等について記述してまいりました。

いかがだったでしょうか?


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