apple や cat, ham 等の -á-は、「ア」のように聞こえますが、「ア」ではありません
apple や cat の -a- は、「エ」と「ア」の中間の音で、「ア」の口の構えをしておいて、「エ」と発音します。
日本語の舌(=舌に力を込めない状態=舌がリラックスしている状態)で、口を少し開けておいて「エ」と発音しても、大きく開けておいて「エ」と発音しても、どちらも「エ」に聞こえます。
アメリカ英語の舌(=舌を喉の奥に強く引き込むような感じにした状態=舌を口腔の後部に強く引くようにした状態)では、口を少し開けておいて「エ」と発音した場合、通常の「エ」の発音なので「エ」に聞こえます。
ところが、アメリカ英語の舌で、口を「エ」の時よりも大きく(1,5㎝程)開けておいて「エ」と発音した場合、聞こえる音は「エ」ではなく、「ア」と「エ」の中間の音、つまり、apple や cat の -a- になります。
日本人が日本語の舌で発音しているものを、アメリカ英語の舌で発音すれば日本語の時の調音位置が、アメリカ英語の調音位置に自動的に移動する、というのは こういうことなのです。
このことについてもう少し お話しすると、日本語の母音は アイウエオの五音だと言われています。
これに対し、アメリカ英語の母音は 20種類以上あると言われています。しかしながら、この20種類という数字は、学者によって違っています。つまり、あいまいだということです。
私は、日本語もアメリカ英語(や その他の言語)も、母音の種類は 短母音のアイウエオ(aeiou)しかなく、それ以外の短母音や二重(三重)母音、あるいは 長母音は、すべてアイウエオ(aeiou)から派生したものだと捉えています。
つまり、口の開け方や唇の形状を変えることで、アイウエオ(aeiou)(の組み合わせ)だけで すべての母音を発音できるということです。これには、音の長短や強弱の変化も含まれています。
このように捉えると、アメリカ英語の母音が身近に感じられ、母音の習得が容易になるのではないでしょうか。
以上です。
今日のまとめ
①apple や cat, ham 等の -a- を、アメリカ英語の舌で発音する場合、口をやや大きく開けておいて「エ」と発音すればいい。
②日本語の舌を、アメリカ英語の舌(舌を喉の奥に強く引き込むような感じ)にすることで、日本語を発音しているときの調音位置が自動的にアメリカ英語の調音位置に移動する。
③アメリカ英語の舌で発音することにより、アイウエオの五音(R音性母音も含む)で、すべてのアメリカ英語の母音を発音することができるようになる。