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apple, happy, family 等の「a」の発音は、「ア列」の発音ではなく、「エ列」で発音する。

これまで、日本語の母音はアイウエオの五音で、英語の母音は16~25くらいあると言われてきました。

分類の仕方によっては、上記のようになるのかも知れません。

しかしながら、ほぼすべての言語の母音の原音は、「アイウエオ」の五音です。(母音が、五音もない言語もあるようです)

例えば、日本語の「ア」を、私たち日本人が日本語を話すときの舌の状態で発音してみると、あまり口を開けずに発音する「ア」も、大きく口を開けて発音する「ア」も、同じ「ア」に聞こえます。
下の図は、日本語の「ア」の発音図です。


一方、アメリカ英語の舌で、同じように口の開け方を変えて[a]を発音してみれば、日本語の舌で発音した場合とは異なり、明らかに発音が変わります。

下の図は、曖昧母音(schwa)の「ア」(上)と、hot や stop の(broad aの)「ア」(下)の発音図です。


上記の二つの発音図は、どちらも「ア」で発音します。決して音声を変えて発音するわけではありませんが、その発音は大きく変わります。

口をあまり開けずに軽く弱く「ア」と発音すれば曖昧母音の「ア」になり、口を大きく開けて「ア」と発音すれば、 hot や stop の「ア」になるのです。

アメリカ英語の発音では、(発音の強弱はありますが)口の開き具合を変えて発音すれば音が変わるのです。これらの母音の原音は、「ア」なのです。


つぎに、曖昧母音(schwa)の「ア」と、come, mother, sun 等の逆さのV (inverted v )の「ア」を比べてみます。
下の図は、曖昧母音とinverted v (逆さのV)の「ア」の発音図です。

どちらも「ア」と発音する音ですが、曖昧母音の「ア」は強勢(ストレス)がないため、軽く弱く発音します。
これに対し、come や mother の「ア」は、強勢があるため強く、そして短く発音します。
発音の構えや口の開き具合は同じです。
これらの母音の原音も「ア」なのです。

以上でお分かりのように、日本人がアメリカ英語のア系母音の発音を、すべて「ア」でとらえてしまうのは、日本語の舌でしか発音していないからです。

これは、アメリカ英語の発音は、曖昧母音の発音の構えが、すべての発音の基本(原点)だということを認識せず、(音の変化のない)日本語のままで発音することから起きる発音現象なのです。

アメリカ英語を話す人たちは、「ア」という発音を、口の開け方を変えたり、発声に強弱をつけたりして、「ア」のバリエーションを増やしているのです。

英語の発音が苦手な私たち日本人も、アメリカ英語の舌で発音すれば、上記のようにバリエーションを増やすことができるのです。

英語の発音、特にアメリカ英語の発音ができない、あるいは発音が苦手な人は、日本語の舌でアメリカ英語の発音を身につけようとしているのです。

本来、母語の発音を身につけることは、それほど難しいことではないのです。

英語は、私たち日本人の母語ではないのです。英語には英語の発音の仕方があるのです。

英語の発音を、容易に、正確に、そして確実に身につけるには、英語を母語としている人たちと同じように発音することです。

それをしないで、日本語の発音のままで英語の発音を身につけようとするから難しくなるのです。

しかしながら、上記のような事情を知っている人は、英語ネィティブを含めても、殆んどいないというのが現実です。

以上のような事柄を認識せず、高額な費用をかけ、相当な努力を強いられ、かなりの時間を費やして身につけた発音は、アメリカ英語の純正発音ではないため、しばらく発音しないでいると、発音できなくなってしまう恐れもあるのです。


さて、apple や happy, family 等の a の発音の仕方ですが、この a は「ア列」 ではなく「エ列」で発音します。

口を大きく開けて「エ」と発音すれば、アッシュ(ash)と言われている「ア」と「エ」の中間の音になります。

下の図は、アッシュを含めた「ア」の基本母音とEカナ記号と共に表しています。

アッシュのEカナ記号は、アッシュの発音に合わせて、口を大きく開けて「エ」と発音することを表しています。

Eカナ記号は、カタカナでは区別できなかったアメリカ英語の基本母音の「ア」を、上図のように、口の開け方を中心に表記しています。

今回は以上です。

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