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party や water の t の発音が、なぜ 「ラ行」や「ダ行」のようになるの?

party や water のように 母音と母音(弱母音)に挟まれているtは、アメリカ英語(General American)(略GA) の発音では、日本語の「ラ行」 または「ダ行」のように聞こえます。

同じ party や water でも、イギリス英語(Queen's English)(略QE)では、tは tとして聞こえます。一体 この違いは何なのでしょう?

これは、同じ英語でも GAとQEでは、舌の形状が大きく違っているからです。

QEは 単に舌に力を込めておいて発音します。舌に力を込めることで、自然に舌全体が盛り上がります。そして、舌の左右の両端は、上の左右の奥歯に当たります。

舌の左右の両端が上の奥歯に当たるくらい舌に力を込め、舌を盛り上げることで、舌と上あご(口蓋)の間が狭くなります。つまり、呼気や音声の通る空間が狭くなるという訳です。

呼気や音声の通る空間が狭くなれば、そこを通過する呼気や音声の勢いは強くなります。従って、音声周波数が高くなります。

(舌を盛り上げるには、下あご(下の前歯)を前に突き出すようにしても、舌は盛り上がります)


これに対し、GA場合は QEのように 単に舌に力を込めるということではなく、舌を喉の奥に引き込むような感じにします。

このようにすることで、舌に力が加わります。舌に力が加わると、舌の左右の両端は QEの場合と同じように、上の左右の奥歯に当たっている状態になります。

QEと違うところは、GAは舌を喉の奥に引き込むようにしているために、舌の中央部分が後ろに引っ張られ低くなるということです。

この舌の状態を 口を大きく開けて前面から見てみると、舌は中央部分が低いⅤ字のような形状になっています。

更に、GAを発声するときには 鼻音的な発声をするために、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を下げた状態にします。つまり、常に ng を発音するときの構えをしているという訳です。

日本語やQEの発音では、口蓋垂は、鼻音のmやnあるいは ng を発音するとき以外、上部に上がった状態になり、呼気や音声の鼻腔ヘの侵入を防ぐ役目をしています。

ところが、GAの場合 ほぼすべての音声を、常態的に口蓋垂を下げておいて発音しているのです。

舌をⅤ字のような形状にし、口蓋垂を下げた状態にしておいて発声することで、他の英語には無い GA独特の響きのある音声を醸し出しているのです。


アメリカ英語(GA)の発音を手っ取り早く身につけたい人は、舌を思いっきり喉の奥に引き込むような感じにする、あるいは舌を力の限り口腔の奥に引き込むようにすることで、自動的に口蓋垂が下がった状態になり鼻音化の音声で発音できるようになります。(この発声法に慣れてくると,それほど舌に力を込めることを意識しなくても,楽にGAの発音ができるようになってきます)

舌を強く口腔の奥に引き込んでいる状態のままで、party, や water を発音してみて下さい。

どうですか? tの発音が自然に「ラ行」や「ダ行」になっていたのではないでしょうか。


今日は、ここまでにしておきます。

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