L'étoile brillante -l'autre côté-
二人一緒にいなきゃ成り立たない。
そんな状況を作ってしまうことは避けたかった。
足場が崩れることで、立つことすらままならなくなるのを嫌がったからだ。
心のなかの、1つの答えを悟られたくなかった。
誰でも弱いところはある。そう言っても
自分で其れを受け止めることと、君に其れを見せるのは別の話だ。
背中合わせで過ごす時間は、常に目を見られていると何か悟られそうだから。
通わせようとする心を時として拒むのは、一人の時間がほしいから。
合わせる唇を受け入れるのは、自分を受け入れてもらう保険が欲しいから。
心を弄ろうとする手を拒まないのは、思いの隠し場所を完備しているから。
本能的に身体を合わせるのは、君が側にいるという実感を持ちたいから。
時折、完璧に隠しきった心を見透かされてしまった時は、
少しバツが悪くなると共に、酷く臆病になる。
「ええかっこしい」と言われれば其れまでかも知れないが、
「隠し事」の罪悪感と「自尊心」への侵入という点で
裸の僕を見られてしまったかもしれないと考えるその結果だ。
そんな時は、逆に目で君に訴える。
まるで目から消え入りそうな星灯りを出して、君を照らしだすように。
目先の闇をすこしばかり明るくするように。
正直、目先にある闇が怖くないと言えば、嘘になる。
それでも、僕はこの先を照らし出す術を知っている。
この先を照らしだした時に、君がどう思うかは別として、
方法論として知っている。
それは「その先を照らしだしたんだから、歩かないの?」という催促を
しているようで違和感に心が揉まれることも有る。
それでも何より心強いのは、照らし出す先を歩くのは
僕一人ではないという事実だ。
光があるからと先陣切ってこの先を歩こうとする君が
暗がりを怖がっているかどうかはわからない。
それとも、暗がりは怖くないが歩こうとする勇気がない、
そんな思いを我慢して歩みを止めないのかもわからない。
僕の発光に促され、渋々前に踏み出しているかもしれない。
だけど、何が待ち構えているかわからないその先を
歩こうとするそんな君の、少しでも支えになればと
そんな思いを持ち合わせたまま、
僕は君自身と、その先の暗闇に光をもたらす。
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