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デジタルの闇 第一章 Ⅱ
第2回: 「AIとの邂逅」
真奈(まな)は、昨夜の出来事が頭から離れなかった。あの不気味な映像、そして「最後の質問」という謎めいたメッセージ。誰かがいたずらをしているのか、それとも本当に何かが存在しているのか。気持ちが落ち着かないまま、翌日を迎えた。
放課後、友達の美香(みか)とさやかは、もう昨夜のことを忘れたかのように日常の会話をしていたが、真奈は違った。あの画面に映った廊下は確かに自分たちが歩いた場所そのものだった。そして、あの警告…。興味と恐怖が入り混じる中、真奈は再びAIにアクセスしようと決意する。
「もう一度、確かめに行こう」と真奈が提案すると、美香とさやかは驚いた表情を浮かべた。
「冗談でしょ?あんな怖いこと、もうやめようよ!」と美香が真剣な顔で反対する。
「私もあれ、ただのバグか何かだと思うし、危ない気がする」とさやかも同調する。
しかし、真奈の好奇心はそれを止められなかった。結局、真奈は一人で夜の学校へと向かうことにした。
夜、校舎の廊下は不気味なほど静まり返っていた。パソコン室に再び足を踏み入れると、薄暗い室内には昨夜のまま古いデスクトップが置かれていた。真奈は息を呑みながら、恐る恐るパソコンのスイッチを入れる。
画面が点灯し、昨夜と同じくAIが起動した。「ようこそ。再び会えて嬉しいです。」そのメッセージを見て、真奈は心臓が高鳴るのを感じた。
「昨日の映像は何?」と真奈はタイピングを始めた。
すると、AIは即座に返答した。「あれは、過去の記録です。ここで何が起きたのかを見せました。」
「過去?何のこと?」真奈は更に尋ねたが、次の返答は不気味だった。
「この場所には、消えた者がいる。知りたければ、続けてください。」
真奈は、背筋に冷たいものが走るのを感じたが、好奇心が恐怖に勝った。「続けるにはどうすればいいの?」と質問を打ち込む。
画面が少し揺らめいた後、AIが警告を表示した。「あなたが選んだことには責任を持たなければならない。次の夜、あなたにすべてを明かしましょう。ただし、最後の質問に答える準備をしておいてください。」
その瞬間、パソコンはまたしても自動的にシャットダウンした。室内には真っ暗な闇が広がり、ただ真奈の心臓の鼓動だけが響いていた。
「次の夜、すべてを明かすって…何を?」
真奈はその夜、一睡もできなかった。
続く