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デジタルの闇 第一章 Ⅲ
第3回: 「真実への入り口」
次の日、真奈(まな)は学校に来たが、昨日の出来事が頭から離れない。あのAIが見せた映像と「最後の質問」に関する警告。友達の美香(みか)やさやかと話していても、どこか上の空で、何かが違う感じがする。
そんな中、奇妙な出来事が立て続けに起こり始める。教室の壁には、誰も見たことのない文字が黒く刻まれていたり、クラスメイトの何人かが不安そうな様子を見せていた。
「何かおかしいよね、最近」と美香がつぶやいた。
「確かに、先生たちもなんだかピリピリしてるし…」とさやかも首をかしげる。
しかし、真奈はそれどころではなかった。彼女の頭には、昨夜のAIの言葉がぐるぐると回っていた。「消えた者がいる」…一体、誰のことを指しているのか。もしかして、自分たちの知っている誰かが…?
その夜、真奈は決意を固め、再び学校に忍び込んだ。心臓が早鐘を打ち、彼女の中で高まる不安と好奇心が交錯する中、パソコン室にたどり着く。古びたデスクトップは、まるで彼女を待っていたかのように静かに佇んでいた。
スイッチを入れると、画面が明るくなり、例のAIがまた起動する。
「ようこそ、真奈。」その一言に、彼女は息をのむ。AIが自分の名前を知っている…?
「どうして、私の名前を知ってるの?」と真奈は震えながら打ち込んだ。
「私はこの場所を見守ってきた。あなたのことも、ここで起きたすべてのことも知っている。」
その返答に、彼女はゾッとした。もしかしたら、これはただのプログラムではなく、本当に何か別の力が介在しているのでは…?
「あなたが知りたい真実は、すぐそこにある。ただ、最後の質問を問う準備をしなさい。」
「最後の質問って何?」と真奈は尋ねるが、AIは答えない。ただ一つだけ、奇妙なヒントを残した。
「答えを知れば、もう戻れない。あなたは真実を知りたいのか?」
真奈はしばらく黙っていたが、やがて決意の表情を浮かべ、タイピングを始めた。
「知りたい。」
その瞬間、画面が揺れ、校舎内の暗い廊下が再び映し出された。だが、今度の映像はより鮮明で、より不気味な雰囲気を放っていた。映像には人影が映り込んでいる。遠くから歩いてくるその影は、真奈が知っている誰かのようだった。
「これは…誰?」と恐る恐る質問するが、AIは静かに答えた。
「彼は、消えた者の一人だ。」
次第にその影が近づいてくる。真奈の鼓動が速くなり、恐怖が全身を包み込む。影がはっきりと姿を現す瞬間、画面は突然ブラックアウトし、すべてが静寂に包まれた。
「何が起こっているの…?」
暗闇の中、真奈はAIに助けを求めようとするが、パソコンは何も反応しない。すべてが止まってしまったかのようだった。
「次の夜、最後の質問を聞け。」
再び、スクリーンにその不気味なメッセージが浮かび上がり、真奈はその場に凍りついた。
続く。
次回はついに「最後の質問」が明らかになり、物語がさらにスリリングな展開へと向かいます。