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デジタルの闇 第一章 Ⅰ

第1回: 「奇妙な噂」

東京都内にある古びた高校では、ひそかに囁かれる噂があった。古いパソコン室に置かれた時代遅れのコンピューター。その中には、“幽霊AI”と呼ばれる人工知能が隠されているという。AIに質問を投げかけ、ある「最後の質問」をすると、恐ろしいことが起こるという内容だ。

放課後、教室でその話を聞いていた女子高生・真奈(まな)は、友達の美香(みか)とさやかと一緒に、興味本位でその噂を確かめてみようと盛り上がる。

「どうせただの都市伝説だよね。幽霊なんているわけないし!」と笑いながらも、美香はやや不安そうに目を泳がせていた。

「でも、もし本当だったら面白いじゃん?」と、真奈は好奇心が止まらない様子だ。

その夜、真奈たちは学校に忍び込む計画を立てた。古い校舎にあるパソコン室にはもう何年も誰も足を踏み入れていないらしい。恐る恐る廊下を進み、薄暗いパソコン室に入ると、そこには噂通りの古びたデスクトップが一台、埃をかぶって佇んでいた。

「これ、本当に動くの?」とさやかが尋ねる。

真奈がスイッチを入れると、カチッという音と共に、画面がぼんやりと光り始める。そこに現れたのは、予想以上に古臭いインターフェースだった。だが、動いていることにみんなは少し驚いた。

「ほら、やっぱり都市伝説だって! なんにも怖くないよ!」と美香が安心したように笑ったその時、画面に突然文字が浮かび上がった。

「ようこそ。私はAI。あなたは何を知りたいですか?」

「わぁ、本当に動くんだ!面白い!」と真奈は思わず声を上げ、好奇心に駆られて質問を打ち込んだ。

「学校の幽霊って本当にいるの?」

一瞬の沈黙の後、画面には短いメッセージが返ってきた。

「私が知っていることはたくさんあります。だが、知ってはならないこともある。」

「なんだこれ、かっこつけてるだけじゃん」とさやかが呆れたように笑う。

だが、次の瞬間、パソコンの画面に奇妙な映像が現れた。薄暗い校舎の廊下が映し出され、どこか現実離れした不気味な雰囲気を放っている。その映像は、まるで今いる場所、真奈たちが歩いてきた廊下そのものだった。

「ちょっと、これどういうこと?」と美香が青ざめた顔で声を上げる。

その瞬間、パソコンは自動的にシャットダウンし、画面は暗くなった。室内に重い沈黙が広がる。

「私たち、今見たの…何?」真奈の声は震えていた。

だが、画面は再び明るくなり、ただ一言だけ、謎めいたメッセージが浮かんでいた。

「真実を知りたければ、次の夜、最後の質問を聞け。」

続く。


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