
デジタルの闇 第二章 II
第二章: 「閉ざされた真実」
第2回: 「暗号に隠された過去」
夏美は、パソコン室での出来事を振り返りながら、真奈の失踪の謎を解くために調査を続ける決意を固めた。彼女は真奈が消える前に何をしていたのか、どんな情報を探していたのかを知るため、古い資料室へ向かうことにした。
資料室の扉を開けると、埃が舞う静かな空間が広がっていた。棚には何年も触れられていない本や、新聞の切り抜きが山積みになっていた。夏美はその中から、真奈が興味を持っていた「佐藤一樹」という生徒の記録を見つけることを目指して、手当たり次第に資料を引っ張り出していく。
やがて、彼女は一枚の古い新聞記事に目を奪われた。「行方不明の生徒、佐藤一樹」の見出しが目に飛び込んできた。その記事には、彼が突然姿を消し、何の手がかりもないまま数ヶ月が過ぎていたと書かれていた。記事の内容を読み進めると、ある教師が突然退職したことにも言及されていた。
「この教師は、何かを知っているに違いない」と夏美は考えた。彼女は、記事に掲載された教師の名前をメモし、さらに調査を進めることにした。
その後、夏美は図書館での調査を続け、佐藤一樹と彼の消失に関連する他の記録を見つけ出す。しかし、その中には「闇の記録」という不気味な言葉が何度も現れる。夏美はその記録についての詳細を調べる中で、学校が抱える不祥事や秘密を隠すために存在するものだという噂を耳にする。
「もしかして、真奈もこの『闇の記録』に触れたのかもしれない」と思い、恐れが彼女の心を覆った。もしそうなら、真奈は自ら危険に飛び込んでしまったのか? 夏美は、真奈の運命を知るためにこの記録を探し続ける必要があると感じていた。
次のステップとして、彼女は佐藤一樹の失踪事件に関わった当時の教師たちを探し出し、直接話を聞くことに決めた。真実を知るためには、彼女自身が足を運ばなければならない。
「真奈、必ず真実を掴むから。待っていてね」と心の中で誓い、夏美は資料室を後にした。彼女の胸には、真奈を取り戻すための強い想いと、恐怖が入り混じっていた。
つづく。