追憶のアリア

コナミ「バンめし♪」という素敵なコンテンツは、現在シーズン3に入り、メインキャラクター4人によって結成されたBlanc Bunny Bandit(以下BBB)というバンドがつよつよなバンドたちと"ふるさとグランプリ"という舞台でたたかう、というシーンに入っていますね。

今回私は、ふるさとグランプリ Round2で披露されたBBBの「追憶のアリア」という曲を書かせていただきました。ストーリーの中では、ピアノ担当 吉廻千代ちゃんが曲を作って、メインボーカルとして歌い上げる、というものです。

今回TOMOSUKEさんからお話をいただいた時、めちゃくちゃ、それはもうめちゃくちゃに嬉しかったです。
去年バンめしライブが開催された時に、「シンクロフィッシュ」のピアノを担当していたこともあってご挨拶しに楽屋へ行ったら、TOMOSUKEさんと初めてお話しできて、「いつかつばしさんにも曲を書いていただきたいです!」と言ってくださいました。私はウルトラハイパーネガティブ人間なので、(これはリップサービスなので喜んではいけない)と思いつつ、書けたらうれしいなぁ…と少し期待も抱いていました。ですから、今回書かせていただくことが決まった時は本当に嬉しかったです。



※ここからは、ストーリーを追っているかたに向けて書くので、ネタバレ要素があったらすみません!

あと、ここから超長いです。暇な時に読んでください!

TOMOSUKEさんからのリクエストは

【曲の方向性】
・ピアノメインでありつつ、和の雰囲気はほしい
・ドビュッシー的印象派なアプローチからの和音階メロディー
・サブドミナントとトニックの間を行き来
・真面目な中に不思議な浮遊感と上品さ、少しの可憐な可愛さと無邪気さ

【詞の方向性】
・ソロ1曲目、2曲目を経て、今回は今一度ふるさとと伝統について自分なりに深く考える曲
・紡がれてきた伝統は、DNA、水の流れ、自然、自分の体、に保存される
・それを次につなげるべき、自分のパーソナリティと共存させるべき

といったものでした。バンめしのストーリー、千代自身の葛藤などを踏まえて、取ってつけたような曲には絶対にしたくない!!と思っていたので、始めにリクエストをいただいた時に緊張こそしたものの、やぎぬまかな氏にバンめしのことをたくさん聞きながら、自分なりに咀嚼して、千代に憑依したつもりで書き進めました。

この曲をつくり上げていくうえで大切な大切な演奏陣ですが、迷うことはありませんでした。去年のバンめしライブを観ていて、このメンバーあってこそのバンめしだな、と思っていたので、ピアノ: 飯島快雪 (POLLYANNA)ギター: qurosawa (侍文化、POLLYANNA)ベース: 大澤伸広 (侍文化)ドラム: ワタナベタカシ (meiyo、侍文化、POLLYANNA)のみんなに真っ先にお願いしました。
そして、今回は弦をゴリゴリに入れたく、それをエンジニアの赤井聡史さんに相談したら、阿部美緒さんを紹介してくださいました。

まず、スケッチとして私がラフなピアノを打ち込み、メロを作ったものをタカシに聴いてもらって、デモのデモ段階からドラムを叩いてもらいました。(いつも私はタカシに口でドラムを説明します(ドゥン、ドゥン、ヅッチーヅッチーって感じでここでドゥクドゥンお願い、的な)。本当にごめんね、そしてそれをかっこよく演奏に落とし込んでくれてありがとう)

TOMOSUKEさんOKが出てから、ドラムを完成してもらって、その次にのぶさんにベースを弾いてもらい、並行して弦のアレンジを考えました。のぶさんはフレットレスで試してくれたり、私の曖昧なリクエストにかっこよすぎる演奏で応えてくれました。本当にかっこいい。最高。

その後、クロちゃんのギターが入るのですが、レコーディングの間、感動というか「これこれ!!!!さすが!!!」と思う瞬間の連続でした。私はギターが全く弾けないので、「カモメみたいなギターください」とか宇宙人みたいな言語をぶつけていたのですが、クロちゃんと赤井さんはそれをなぜか理解してくれて、イントロやアウトロにカモメが居ます。全部かっこいいんです。特にここが、とかないです。全部です。千代が今まで言葉にできなかったモヤモヤしたところを、ギターで吐き出してくれた感じです。クロちゃん本当にありがとう!!!!!

快雪さんは、千代ソロ1曲目の「箱庭のエチュード」を書いているし、ピアノで千代を表現するならこの人!って感じです。私があらかじめ打ち込んでいたピアノをブラッシュアップしてくれて、さらにBメロの速い動きのところとか、サビのかっこいいところとか、Dメロのエモすぎるところとか、聴けばみんな泣いちゃうよねっていうピアノを沢山盛り込んでくれました。これライブで観れる日が楽しみすぎる!!

弦に関しては、阿部美緒さんとは初めてお仕事させていただいたので緊張していたのですが、とても優しくて、細部に渡って確認してくださったおかげで、本当に気持ちの良い、しかもかっこいいヴァイオリンになりました。ヴァイオリン1st、2ndが左右から聴こえてきます。(ヴィオラ、チェロも打ち込みで存在してるので、重厚な音を楽しんでください)普段打ち込みでポルタメントを使いがちなのですが、やはり生楽器の色気は全然違いますね。惚れ惚れします。

そして最後は歌です。まちカドまぞくですでにお会いしていて、歌声も素敵なことを存じ上げていたので、たかみなさんが歌ったらきっとこうなるだろう、とイメージをしながらメロと詞を考えていたのですが、レコーディングで初めて歌っていただいた時の鳥肌は忘れられないです。そこに千代がいる…!!!と思いながら、千代ならどう歌うだろう?と一緒に考えながら、進めていきました。ハモが鬼難しかったので、それが本当に申し訳なかったのですが、今完成形を聴いていて、ご本人にお願いしてよかったな、と心から思います。

仕上げとして、TOMOSUKEさんからシンセを入れるアドバイスをいただき、苦戦しながらもシンセを足していきました。TOMOSUKEさんがおっしゃることは全て納得できて腑に落ちて、作家を導いてくれます。(やぎさんが普段作業していて、それを傍らで見ているのですが、やぎさんも勿論すごいし、作家を導くTOMOSUKEさんも本当にすごいな、といつも思います)
はじめリバービーなサウンドだったのですが、「もっとドライに!もっとドライに!」とお願いして、このかっこいい曲が完成しました。曲を作っている最中は、これが本当に良い曲になるのか?と落ち込みがちなのですが、赤井さんは終始私と一緒に曲作りを楽しんでくださって、本当に救われました。

曲が完成して、すぐにやぎさんに聴いてもらったのですが、「歌詞が本当に良いね」と言ってもらえたことが嬉しかったです。彼女の詞はいつも胸がキュっとなります。しかも書くのが速いんです。だから、そんなすごい人に認めてもらえたような気がして、「え?そうかなぁー?」って答えてましたが、内心ガッツポーズでした。

今日、リリースを迎えられて、ホッとしていますし、バンめしファンの皆さんにどう響いたかとっても気になります。私のファンの方々にも是非聴いていただきたいです。自信作になりました!
(今日ゲーマーズを覗いたのですが売り切れだったみたいです。いつかゲットして父にプレゼントしようと思います)

最後まで読んでくださってありがとうございました。私、「花は折りたし梢は高し」めっちゃ好きです!素敵な曲たちと肩を並べられて光栄です。



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