Negicco 「Walk With」

こんにちは。
今日2024年8月14日、Negicco 5th フルアルバム『What A Wonderful World』がリリースされました。おめでとうございます!
8曲目に収録されている「Walk With」の作詞・作編曲をしました。


…と、普段のSNSの告知はこれくらいサラっと終わらせるのですが、そんなわけにはいかないのです。なぜなら!!


こんなに言いたいことがあるからです。
読みたいところには目次から飛んでください!

そもそも私はNegiccoが好き

Negiccoとの(一方的な)出会い

2015年1月。私はまだ23歳でした。「まだ23歳」だけど、自分のなかでは「もう23歳」でした。音楽で生きていきたいのに、コンペにも受からないし、自分の作品も3曲入りCD-Rを手刷りしていた頃で、焦りに焦っていました。

そんな時、TwitterでNegicco『Rice&Snow』の情報を目にします。大学の先輩のスカート澤部さんが提供している!ネットレーベルがきっかけで友達になった北園みなみさんが北川さんの曲にマニピュレーターとして参加している!など、まずはそういう情報が目に入りました。
(大好きで尊敬する先輩方のお名前を羅列したいですが割愛します)

この頃って確かまだサブスクが主流じゃなかったような。月末には口座残高が数十円になったり、電気や携帯電話が止まっちゃうぐらい貧乏だった私は、なけなしのお金を握りしめて『Rice&Snow』を買いに行きました。
そしたら全曲最高って…どういうことなんだ…
これがNegiccoと私の出会いです。
(一時期、「トリプル!WONDERLAND」が私の人生の応援歌でした。)

勝手に悔しがるムーブからのスタート

今思えば、若さって無敵だなと思うんですが。当時の私にとってNegiccoってライバルみたいな存在でした。(←笑ってください)
私がライバル視していい相手じゃないんですよNegiccoって。めちゃくちゃすごいしかっこいいし可愛いから。
でも、Kaedeさんと同い年というところも、当時の私がライバル視する材料としては充分で、「それに引きかえ私はどうして…」と勝手にショックを受ける日々でした。

なにくそ。私だって有名になってうんぬんかんぬん…と闘志を燃やしながらの日々でしたが、Negiccoの曲は全部素敵だし、だんだんとシンプルな「好き」に移り変わっていきました。

好き…に変わるきっかけ

そのきっかけのひとつが、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ。
オタ活とかしたことなかった私が、Negiccoのファンの皆さんが一糸乱れぬ掛け声で鑑賞していたり、ニコニコの3人が笑顔で手を振ってくれるのを見て、普通にトゥンクしてしまいました。トゥンクは死語でしょうか?

公演が終わり、ハイタッチ会?握手会?に並んで3人と一言ずつ交わすという体験もしましたが、そこで覚えているのがKaedeさんがハイタッチからの手を握ってくれたことです…。好きです。私のライバルマインドはここで簡単に吹っ飛びました。ありがとう。好きです。

Kaedeさんがモナカフェで

少し時間が経ち、私は2016年4月に1stアルバムをリリースしました。その1年後に開催されたNegi CAFEでKaedeさんが、収録曲の「No More 速度制限 feat. 満員電車」を場内BGMのプレイリストに入れてくださいました。

これに対し、Kaedeさんが「はじめまして」と優しくリプライをくださっているのに、私はなんせ一方的に会ったつもりになっているものですから、「はじめまして」と返していません。私がキモすぎるのでそのツイートは貼りません。

この1ヶ月後に、TWEEDEESのライブのオープニングアクトとして出演したのですが、そこで「愛は光」をカバーしました。


「Walk With」に込めた思いをまとめたくてブログを書き始めたのに、Negiccoへの愛を綴っていたらもう疲れてきました。えーい!書くわよー!!!

「Walk With」曲の方向性

やっとこさ本題です。

まず、雪田さんからご連絡をいただいた時、夢かと思いました。私に曲を任せてもいいかも、と思ってくださった雪田さん、connieさん、本当にありがとうございます。

さて、今回の曲の方向性というか、制作にあたりいただいたリクエストですが、

  • Negiccoの皆さんの生き方を通して

  • 30代(女性)が共感できるような歌詞

  • ダンサブルな方向性ではなく、コーラスが綺麗な曲

という感じでした。

作詞するにあたって

打ち合わせを経て私が一番大事にしたかったのは、「30代(女性)」の繊細で複雑な時期を、たったひとつの価値観で表現しないぞ!という点でした。
私自身33歳で、想像でも妄想でもなく、真の30代の悩みや葛藤をそのまま表現できるドンピシャな人材です。そんな私にお話をくださったNegiccoの関係者の皆様に改めてお礼を言いたいです。

歌詞の組み立て方として、

【1番】
①Negiccoご本人たちが結成時から今に至るまでを振り返っている
②ファンの皆さんが①の様子を優しく見守っている
③30代(女性)が自分の人生を振り返っている
のどの視点も成立するように

【2番】
・新しいことは減っていくけど、日常の何気ないことを大切にしたい
・人(の見た目)やモノが変わっていっても、自分の中身は変わらない軸を持ちたい

というメッセージを意識しながら進めました。

30代って何考えてる?

一番大事な、「30代ってこういうことで悩んでるよなぁー」ポイントですが。

仕事は、多い人は3回ぐらい転職しながらだんだんと自分に合った仕事が見つかってくる時期なのかなぁ?って思います。あとは独立したり。

そして結婚。学生を終えたらすぐ結婚する人もいれば、職場やコミュニティ内で仲を深めたかたと結婚する人。30代に入ってからマッチングアプリや結婚相談所で知り合ったかたと結婚する人もたくさんいますよね。事実婚を選ぶ人もいるし、今の世の中じゃ結婚ができないからパートナーシップを結ぶ人もいます。もちろん、一人で生きるのも立派な選択肢のひとつです。

正直、仕事と結婚に関しては、30代とか関係ないと思います。いくつになっても挑戦していいし、いつ結婚してもいいよねぇ。

そんななかで結構大きな決断ポイントが。
男は〜女は〜ってあんまり区切りたくないけど、やっぱり妊娠出産問題に関しては、特に女性にとって避けては通れない問題だと思います。
自分の好きなタイミングで、「あ、今子供ほしいわ」と思い立って、何もかもスムーズに事が進んで命を授かることができる人って、ほぼいないんじゃないかな。

子供がほしい、ほしくない、ほしいけど授かれない、授かるために妊活をしている、妊活をいつ終えるか悩んでいる、など、こういった悩みが30代の女性にかなりヘビーにのし掛かっていると思っています。
また、自分(とパートナー)の人生プランが一番尊重されるべきなのに、まわりの人たちから無神経な言葉を投げかけられてしまう経験も多くなる時期です。

Negiccoの皆さんは、ご結婚、ご出産されています。しかもアイドルという職業と両立しながら。どれだけの人が励まされたことでしょう。本当にかっこいいです。
ただ、自分が今回の曲を書くにあたって、この幸せのかたちをたったひとつの正解にしてしまうわけにはいかないとも思いました。

Negiccoの皆さんのような幸せのかたち(あなたたちは幸せであるに違いない、と押し付けているわけではありません。いろんな悩みを乗り越えて今を生きていらっしゃると思います。このニュアンスが伝わりますように)。違う境遇の30代女性が選択した幸せのかたち。まだ幸せの正解をつかめていない人。
まじで30代ってこんなに幸せから悩みに向かってグラデーションがかかっているんだなって思います。

作詞をする時、ずっとこんなことをぐるぐると考えていました。曲を聴いて歌詞を読んで、誰か一人でも心が軽くなってくれたらいいな。正解は一つじゃないからそんなに気負わなくてもいいのかも。って感じてくれる人がいたら嬉しいです。

作曲・編曲について

次は作曲、編曲についてです。
曲の方向性の打ち合わせの際に、私のアルバムから参考曲を挙げてくださいました。聴いてくださってるなんて…うれしぃよぉ…。

私は頭が良いと思われたいし、個性的だと思われたくて、コードをこねくり回すクセがあります。あと、メロの上下を激しくするとか。
それはそれで良さがあるし実際好きな音楽ではあるんですが、聴いている人を置いてけぼりにしてしまうこわさもあります。だから、ここ数年は、同じ調性のなかでいかに美しいメロを生み出すか、というのを課題に曲を作ることが増えました。
今回の曲はまさしく、変なクセを取っ払って、Negiccoの皆さんやファンの皆さんに口ずさんでもらえたらいいなと思って頑張りました。

信頼する演奏陣

自分のアーティスト活動は最近失速気味ですが、それでも時々ライブに出たり新曲を書いたりする時には、いつも力を貸してくれるメンバーが居ます。

ギター…小川タカシさん
カンバスとして活動されている、最高の音楽家です。
歌声もギターも本当に素敵で、カンバスの活動もサポート活動もめちゃくちゃかっこいいです!
2017年にはRYUTist「想い出はプロローグ」の編曲もされています。
私がギターをまったく弾けなくて、ギタリストとのコミュニケーションに苦戦していたのですが、小川さんにお願いするようになってから心が軽くなりました。本当にいつもありがとうございます!!

ベース…尾崎旅人さん
私が大学4年の時に、バックバンドのメンバーとして知り合ってから、ずっっっとベースを弾いてくれています。だからもう11年弾いてもらってる…?ありがとう旅人くん。
デモ音源にふにゃふにゃのベースを入れて送ると、超絶かっこいい生ベースで返ってきます。そして麻雀の師匠です。次は絶対に勝つからな!!!

トランペット…宇野嘉紘さん
私がトランペットを誰に頼めばいいか困っていた時に、やぎぬまかなが「クチロロのライブで宇野さんに会うから連絡先聞いてこようか」と言ってくれて、その3日後には演奏をしてもらいました。それから何曲もお世話になっています。
無茶な譜面を渡しても笑顔で吹き切ってくれたり、ずっと面白いこと言ってくれたりして、最高の音楽家です。
今回の曲でトランペットを入れようと思った時に、宇野さんに吹いてもらうことを想定して作曲したぐらい、彼の音色は優しくてあたたかくて素敵です。

ドラム…井上拓己さん
たくみんとも付き合いが長いです。23歳の時に、自主企画でもないのに私がライブのブッキングをしなきゃいけなくなって、DMで「すみません井上さん出てくれませんか」ってお願いしたら快く出てくれたんじゃなかったっけ。
同い年なのもあるけど、すっごく話しやすいおかげで、曲の相談にたくさん乗ってもらっています。ドラム以外にも、ギターもベースも弾けるし、フルートも吹けるんだっけ?彼の血は音楽でできています。

ミックス…加藤侑作さん
侑作さんは、大学の1つ上の先輩です。とにかく優しくて、いつも私のことを先生って呼びます。私が大学の専攻に違和感を持ち始めて、侑作さんの専攻の講義を聴講するようになってから、湊雅行先生と侑作さんにたくさんお世話になって、いつも手をさしのべていただきました。
私の2ndアルバム「Ombre」のミックス・マスタリングは、侑作さんがしてくださいました!
今回、誰にミックスをお願いするか決める時に、侑作さんのお顔が真っ先に浮かんで連絡したら、快く引き受けてくださいました。

私が絶大な信頼を寄せるメンバーで、今回の曲は完成しました。
皆さん本当にありがとうございました!


まとめ

曲のことを書くつもりだったのに、Negiccoへの想いが溢れすぎているキモキモ人間のお気持ち表明から始まってしまった…反省反省〜!

「長いことやってきました」という歌詞に重みを出せるのは、21周年を迎えたNegiccoの皆さんにしか成しえないことだと思います。本当におめでとうございます。これからも大好きです(照)

私もNegiccoの皆さんの背中を追って、精進します。





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