皆さまへ

大変ご無沙汰しております。

とてもとてもお久しぶりです。
皆もう私のことはすっかり忘れているかもしれないけど、言わせてください。

この度はご心配をおかけして大変申し訳ございませんでした。

ちょうど1年前の今頃に、私の無期限休暇が発表されました。
この件がバンドの公式アカウントからメンバーのことのように公表され、チームの一員として想ってもらっていることへのありがたみとただの一般人である私のことをこんな大々的に...という恐れ多さでとても複雑な気持ちになりました。また、私が心身の不調で休養するということが一瞬にして大勢の人に知られてしまったという事実が恥ずかしくて情けなくて悔しくて、とても苦しかったです。
発表された時はあまり具合がよくなく、この件についての皆さんのリアクションを見れずにいましたが、つい最近やっと全てのリプライを見ることができました。当時私のことをこんなにたくさんの人が気にかけてくれて、SNS上にコメントを投稿してくださっていたこと、恐縮です。ありがたいです。嬉しいです。本当にご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

楽しくて楽しくて仕事が最優先で夢中になるあまり、自分が気づかないうちに心がすり減っていました。そんな中でたくさんの楽しいことの中の少しの辛いことがとてつもなく大きくなってきて(あ、ちょっとやばいかも)と思っても、やばくない、まだいける、と麻痺させて気づいてないふりをして空元気で走り続けていたんだと思います。
こうなる半年前くらいから、自分でも心身がしんでいることはうっすら分かっていたような気がしますが、会社も世の中も大変な状況だし止まるに止まれなくて、何より止まりたくないし止まるという選択肢がありませんでした。心と身体はボロボロだけど、やるしかない、やるんだ、という意思だけでなんとか引っ張って走り続けた結果、全てが壊れました。

急なことだったので各所にとても迷惑をかけてしまいました。社会人として完全にダメな潰れ方をしてしまったこと、本当に申し訳なく思ってます。ごめんなさい。

死ぬほど楽しかったもの、大好きだった居場所や生きがいだったものがなくなってお先真っ暗。なにもかもが崩壊した自分だけが残りました。何より、こんなに盛大に潰れるまで誰にも助けを求められなかった自分に絶望しました。近くに助けてくれそうな人はたくさんいたのに、あんなに素敵なやさしい人たちに囲まれていたのに、誰にも「ちょっとやばいから助けてくれ」が言えなかった。そんな自分がとても悲しかったです。

この件で会社やバンドの印象が悪くなるのは嫌なので補足しておきますが、私は会社が本当に大好きでした。ぶっ飛んでいるしめちゃくちゃだし側から見たらブラックだと思う人もいるかもしれないですが、皆さまのご想像通りのアットホームな社風で、社長をはじめ、とてもおもしろい人たちのいる会社でした。何より自由に何にでも挑戦させてくれることが本当にありがたかった。たぶんですけど、この業界はある程度経験を積まないと重要な事案を任せてもらえる事はあまりないんじゃないかと思います。たぶんですけど。でも社長は、どこぞの馬の骨かも分からないような私を受け入れてくれ、何の先入観もなく純粋に熱意と能力を買ってくれてか、かなり早い段階で会社の柱のような大切なバンドのことを任せてくれました。逆に「もうこんなにやらせてもらっていいの?」と戸惑いはしましたが、早くから自由にやらせてもらって本当にいい経験をさせてもらったし、自信にもなりました。自由にやらせもらえるからこそ、何もしてない自分がいると、すぐにそれが浮き彫りになる苦しさもあります。でも、それをも楽しみながらしばらくはやってきた、つもりでした。夢中になるあまり、自分で休む時間をつくることが下手で睡眠を怠ったり不規則な生活をしてしまっていたり、そんなところもダメになった一つの要因なのかなと思います。シンプルに自己管理ができてなかったです。情けないです。
何が言いたいかというと、私がこうなってしまったのは私の責任なので(そんな人はいないかと思いますが)会社やバンドに悪いイメージは持たないでほしいな、ということです。すさまじい音楽愛に溢れた最高の会社です。

お休みをもらってからは、正直笑えないくらいの地獄のような日々もありましたが、今は寝て起きてご飯を食べて風呂に入ってまた寝るという生活はできているし、奇跡的に今もなんとか人間の形を保っております。

おこがましくも無期限休暇という形で休ませてもらってましたが、自分の中で崩壊したものがとても大きく、修復の兆しが見えません。やりたかったこともやり残したこともたくさんあるし、死ぬほど大好きな仕事だったので、できることならまたやりたいという気持ちはあります。でも、しばらくはダメそうなので、先日社長と話して正式に退職をさせてもらうことにしました。
もし、万が一、少しでも、ごく僅かでも、1ミリでも、頭の片隅の片隅にでも、私が戻ってくることを待ってくれている方がいたならごめんなさい。
今のところ戻れる予定はありません。

なかなかこの現実を受け入れることができなくてずっと苦しい時間が続きましたが、いろんな人に助けてもらって最近ようやく自分の中で区切りをつけることができました。
まる1年もかかってしまいました。
前までは全く聴けなくなっていた大好きだった音楽が徐々に聴けるようになってきました。それだけで本当に嬉しいです。純粋にただの音楽好きに戻れるなら、もうそれだけで十分です。またお客さんとして気軽にライブにも行けたなら、それはもう最高です。ひとまずそうなれるまで、私は別の場所で何とか生きていこうと思います。

この仕事を通じて出会って仲良くしてくれた人たちのことは大好きです。今の私には何の肩書きもありませんが、また以前のように仲良くしてくれたら嬉しいです。

改めて、この度はご心配をおかけして申し訳ございませんでした。
またどこかで会えたらうれしいです。


では、また。

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