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#3 マッチングアプリ体験記「新宿の夜を明るく照らす、町田の彼女」(序章)
前回の記事は、こちら…。
大定番である「ペアーズ」「タップル」を同時にダウンロードした私が、まず利用したのは、ずばり「ペアーズ」だ。
仕様についてはお調べいただけば分かると思うが、難しく考えずに直感で操作することが出来るため、まだ自己肯定感の低い初心者にはピッタリであった。
【登録当日にマッチング~楽勝の気配~】
登録をしたその日に、さっそくある女性とマッチングをした。
プロフィールの画像は、誰かの結婚式での写真なのだろうか?
ネイビーのドレスワンピースを着、片手にはシャンパン、笑顔の写真には八重歯がのぞく。
「おっ、可愛いやん」とイイネを付けると、しばらくして相手からもイイネが届き、マッチングが成立したのだ。
そして同時に、相手からメッセージが届いた。
イイネありがとうございます!
あいこ(仮)と申します。宜しくお願いします!
我思った、こんなに幸先良くいくもんか、と。
契約時に6か月分の料金を払ったが、まさかの1人目でゴールイン!?
マッチングアプリ内で人気の女性は、多くのイイネを得ることで「自己肯定感の湯にどっぷりとつかり、のぼせが上がっている」と言うことは、利用されている方の共通認識であるかと思いますが、(そうでない方は申し訳ない)
女性とマッチングした男も然り、まだマッチングしただけなのに、
「相手は俺のことが好きなんじゃ…、俺の見た目がどタイプなんじゃ…」
クソおめでた野郎に、なっちまうんですよね。愚かなもので。
【実際に会ってみよう~新宿でバル飲み会~】
「恋はスリル、ショック、サスペンス」とはよく言いますが、
■ 相手をよく知らないという、スリル
■ 文字だけのヤリトリでも電気が流れるような、ショック
■ なぜ私に「イイネ」してくれたんだろう、サスペンス
お互いのことを何も知らぬまま、とんとん拍子で、彼女とのやり取りは進み、マッチングから一週間後の土曜日に、新宿で飲むこととなった。
待ち合わせの場所に現れた彼女は、ベトナムの民族衣装アオザイのような襟首のワンピースを着て、ピンク色のマスクを着けていた。
第一印象 : すごく可愛い…、お人形さんかな…??
お店は駅から近い低価格のバルを予約した。
お互いにギクシャクしつつも、そのバルでは二時間ほどお酒を飲んだ。
緊張のせいもあり、僕は結構な杯数のビールを飲んだ。
その中で、やはり感じたのはマッチングアプリだからか、相手の経歴を掘り下げていくような会話や、価値観のすり合わせるような質問が多かったように思う。
「どんなお仕事しているの?」
「転勤はあるの?」
「大学はどこに行っていたの?」
「彼女はどれくらいいないの?」
「結婚願望はあるの?」
【二軒目を狙え~難しく考えては駄目だ~】
1軒目のバルを2時間で出たのだが、その時点で時間は20時頃。
ここは男としてもう1軒行きたいところだ。
よく他の方の体験記に、「2軒目に行くか行かないかの攻防」や「初回デートは時間を決めてサクッと」みたいに書かれていたのを見ていたが、迷える世の男性に僕はあえて言いたい。
そんなことは気にするな、と。
色んな理由を付けたり(ex「この近くにいいバーがあるんで…」)、相手に必要以上に気を使ったり(ex「あのぉ…、もし良かったらまだ少し時間ありますか…」)、そんなこと必要はないのではないでしょうか。
行く行かないは相手が決めることなので!!
その時も会計を済ませ、お手洗いから戻ってきた彼女に「もう1軒行きましょう」と言い、店を出た。
1軒目にお店に向かう時よりも、歩く距離が少し近い。
お互いの肩が、少しこすれあうくらいの距離感。
人を避けたりするときには、コツンとぶつかる感じ。
少し涼しい夜の風が心地よく、もうこの子が良いなあって思っていた。ちょろいので。
2軒目は予約もしておらず、やっている店も少ないので、近場の居酒屋に入った。
ある程度打ち解けてきているが、まだ敬語交じりの会話。
そこでは2時間ほど飲み、店を出た。
【行けるのか3軒目~オイ、行けるのか~】
時間はおそよ11時、お互いに終電を意識する時間。
僕の頭には、ある予感がよぎる。
うれしはずかし朝帰り…
そんなことを考えながら、お店を出た。
少し通り雨が降ったようで、夏の雨の香り、濡れたアスファルト、
ゆっくり歩きながら、さっきは肩がぶつかる距離だったが、もう少し近くなっちゃうかもな…。
酔いのせいもあり、気持ち悪いニヤツキを抑えきれずに彼女を見た。
そこで見た彼女の姿に、ハッとさせられた。
彼女は目標をとらえた逃走中のハンターのごとく、わき目もふらず駅に歩みを進めていた。
一切迷いのない眼差しと、競歩のように力強い足取り。
どうやら俺は考え過ぎていたようだ。危なかった。
何なら少し安心したよ、ありがとう。
気付けせてくれて、ありがとうだよ。
彼女を改札まで送った。
そこには週末の恋人たちが改札前で繰り広げる「やだ、帰りたくない♡」「ばか、おれもだよ♡」などは当然なく、一切の名残を残さず彼女は改札をくぐり、振り返りもしなかった。
強い子だよ、すごく。
僕は彼女が見えなくなるまで、手を振り続けた。
それは戦地に赴く旦那を、見送る妻のように。
【次の予定を取り付けろ~何のためと自問自答~】
帰りの電車で彼女からの連絡がきた。
今日は色々とごちそうさまでした!気を付けて帰ってくださいね。
「ありがとう、そちらこそ気を付けてくださいねー!」と返信をしたところ、彼女から数分後にまた連絡が、
今度お昼からどこかに行きませんか?動物園とか
!! 可愛い!! 動物園! 行く行く!!
そして彼女と2回目のデートの約束が、その日中に決まったのである。
テンションの上がった僕は、電車でおのぼり爆睡丸になり、起きたら宇都宮にいた。
次回:彼女との2回目のデート。あれフラグたってる??