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スタートアップの社名変更〜弊社事例より〜

自己紹介

初Noteなので、簡単に自己紹介も。株式会社スピークバディ、CEOの立石剛史です。アプリで気軽にできるストレスフリーな英会話『AI英会話スピークバディ』と『オンライン英語コーチングスパルタバディ』を20人程のフルタイム・数十名のパートタイムの仲間達と一緒に開発・運営しています💪

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今月社名を旧社名『appArray株式会社』から『株式会社スピークバディ』に変更したので、「スタートアップが社名変更をするのってどうなの?」と思っている方に少しは役立つかと思いまとめてみました。

社名変更の理由と背景

やってることと、社名のイメージが合わなくなったというのが最大の理由です。やはりサービス名と社名が同一の方が会社を世に広めやすいと考え、変更を決めました。
<背景>
・法人営業で説明しづらかった
 ー「appArray㈱です。AI英会話アプリ『スピークバディ』とオンライン英語コーチング『スパルタバディ』が有りまして」と長くなる。

・旧社名appArrayを読めない人が多かった←当たり前だ笑
 ーアップアレイと読みます。「アプリの配列」という意味です。そのためアプリだけの会社と思われる。この名前にした経緯は下記に。

・採用コストも増える
 ーエージェントや採用媒体経由で会社名を伝えてもイメージしづらい。

・サービスの認知度が上がってきた
 ーオンライン広告を始めてから、同サービスを知ってるという方が増えてきた。

・億円単位の資金調達もして『AI英会話スピークバディ』がメイン事業として完全に固まった
 ー同サービスをメインとする会社として投資家から出資を受けた

5年前にAI英会話をメインの事業に据えてから、ここ2-3年、社名変更を考えていました。昨年末にニッポン放送の年末特別番組に出る機会をいただいた際に、千葉功太郎さんも「社名変更はサービスに合わせて大胆に」と仰っていて、気持ち的には後押しになりました。
https://www.oricon.co.jp/confidence/special/54124/

社名変更における論点

社内でも話し合いましたが、サービスと合わせるという方向に皆概ね賛成だったので、スムーズだったと思います。

①どの名前にするか?
いくつかアイデアは出ましたが、上記の背景からも基本は皆A推しでした。
A. サービス名と同一
B. サービスに共通して使っている『バディ』を使った名前
C. 全く別の名前
他事業が育った数年後にBやC、ないしはその先に持株会社化を検討すれば良いという考えです。

②本当にサービスと同一が良いのか?
他社事例を見ると、クックパッドやメルカリ、SmartHRなどが社名変更でサービス名と同一にしています。
・クックパッド(旧社名コイン)
・メルカリ(旧社名コウゾウ)
・SmartHR(旧社名KUFU)
いずれも現在複数事業を運営しながら、知名度の高い事業の名前がプラスに働いているように見えます。

スタートアップでは、社名をサービス名と同一にしている会社が多いのですが、サービスと異なる会社も勿論有ります。私の知るところだと、ユーザベース(SPEEDA・NewsPicksを運営)、エウレカ(Pairs、Couples運営)、dely(Kurashiru運営)などもそうで、いずれの会社も成功(ユーザベースは上場、エウレカ・delyは大手が買収)しているので、これはこれで成り立つし、事業が増えてきた時や社名に特別な意味を込めている場合には良いのだと思います。

会社が成長するとサービス名から脱却する逆の動きも有ります。GoogleがAlphabetとして持株会社化したように、ビズリーチがビジョナルという名前で持株会社化したのも参考になる事例だと思います。

<参考記事>
【意外な社名変更まとめ21社】大胆な社名変更をする理由と由来を調べてみた
https://hrnote.jp/contents/contents-7918/

③他サービスの展開を妨げないか?
弊社には『AI英会話スピークバディ』の他に、オンライン英語コーチング『スパルタバディ』も有ります。複数事業を運営する上で、一事業に社名を寄せることが他事業の妨げにならないかは論点となりました。幸い我々の場合、両サービス名に『バディ』という同じ言葉を使っているので問題ない、という声が多かったのと、担当メンバーのモラールも気になりましたが、「問題ない」「将来的にサービスが育ったらまた考えて欲しい」という意見でした。

④メンバーの理解や意見は?
社内アンケートを取ったか、全体ミーティングで聞いたか、半年以上前なので忘れてしまいましたが、、かなりすんなりと賛成を得られたように思います!「そのままでも」という声も有りましたが、「サービスの認知と共に会社名が広がるので良い」という前向きな声が多かったはずです^^

⑤株主や社外の人の意見は?
事業会社の株主の方で「自社もサービス名と社名は異なるので、社名浸透にコストがかかってる」というお話が有りました。他株主も「良し悪しや社名に込める経営陣の想いは有るものの、アーリーフェーズなら変更するのも有り」、という声が多かったです。

⑥手続きは大変か?
以下のようにやることはてんこ盛りでした。自分が苦手な事務的な部分も多く、総務やビジネス系メンバーにかなり助けられました🙏 
・ロゴ(特にこれが時間かかる)
・会社ホームページ変更(CIを意識して作り直しました)
・名刺
・Tシャツ
・正式表記(前株/後株、カタカナ/アルファベット)
・英語社名(Inc.にすると略称がSBIで他社とかぶるので、泣く泣くLtd.に)
・看板
・サービスのLPの修正
・ドメイン変更(G-Suiteでそのまま移行できたっぽい。。Thx!)
・役所
・オフィスなどの契約上の通知
・定款変更の株主総会(定款変更だし特別決議)
・カード等の名義
・社外への通知(ほぼノータッチですみません。。)

以上を考えると、設立時からサービス名と同一が望ましいが、ピボットも有り得るのでメインの事業が固まったら社名変更も許容、会社が成長したらより包括的な概念の社名に変更か持株会社化、というのが基本的な考え方のように思います。
いくつも事業がやりたい、大きな会社を目指したいと考えて、敢えて異なる社名をつける考え方も有りますし、自分も昔はそう思っていましたが、一つのサービスをPMFさせることは本当に大変かつ数年かかるので集中した方が良い。そして、顧客・メンバーを増やしていく時にサービス名と同一の方が何かと効率が良さそうというのが今の意見です。(一方で、広い概念の社名に想いや愛着を持っている社長は好きだし、尊敬している方が多いです!)

まとめ

社名変更は大変なものの、自社のイメージや将来の方向性に近づけられるので、うちのように、設立時にもう少し広い概念で社名をつけた、ピボットで設立時とやることが変わった、という会社には検討の価値が有ると思います。一方で、これで何かすぐに良くなるわけでは無いでしょうし、成功している会社でも様々なスタイルが有るので、事業を成長させて世に広めることや、社名に対する想いや愛着を持っていくことが本質なのだと改めて感じました。

【番外編:旧社名をappArrayにした経緯】
2013年5月に設立して、この2020年8月まで、appArray株式会社という名前でやってきて「由来は何なのか?」と聞かれることも有りました。
設立当初は「世の中の課題を解決するアプリを何個も作りたい」ということだけを考えていたように記憶しています。前職の金融業界で常時数名の顧客と対峙していた自分にとって、数千万〜数億人に使ってもらえるアプリというサービスは非常に魅力的に映りました。「今はない有るべきものを創る」という想いと共に、起業するならアプリを使った事業を作りたいと、覚えたてのプログラミング的書き方で「アプリの配列」という意味の『appArray』で登記したのが始まりです。
社名は、顧客のためにつけるか、社員のためにつけるか、という観点も知り、「サービス名は顧客のため、社名はこれからの仲間のためにつけよう。エンジニアに親しみの有る名前が良いな」とも考えました。「語呂が『あっ晴れ』だし、ええやん。」というダジャレはたまにバレますが、良い思い出です笑 
また、社名変更する上で、創業初期のメンバーにはどうしても一言言っておきたいと思い、久しぶりに連絡しました。2人とも明るく応援してくれたのが心から嬉しかったです。

appArrayでお世話になった皆様、本当に有難うございました🙇
これからは株式会社スピークバディとして宜しくお願い致します!!

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