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103万円の壁問題をビジネス基礎知識で読み解く

国民民主党が国民の手取りを増やすために、自民党と議論しています。

議論のポイントは、基礎控除を現状の103万円のから178万円に引き上げることができるかどうかです。

今までは、自公で過半数を取っていたので、他党の意見は聞かずに本予算を決めることができました(参議院も過半数を取っているため)。

ただ、今は衆議院が過半数割れなので、どこかの党に賛成してもらわないと、予算を参議院に送ることができず決定できません。

このような状態なので、野党がさまざまな案を通してもらうことと引き換えに、本予算案に賛成するというカードを使って交渉しています。

この議論はメディア等で取り上げてくれていますが、専門用語が多くどう考えればいいのかわかりにくいのが難点です。

ただ、このようなテーマでも、「ビジネス基礎知識」に当てはめてみると、内容が理解しやすくなります。

また、「ビジネス基礎知識」の具体的な使い方を学ぶこともできます。

この記事では、具体的な法案の内容や現在の本予算の仕組みについては触れません。

この問題をどのように考えたら良いか?と議論のポイントを明確することを目的にしています。

使用するビジネス基礎知識は以下の4つです。

・分解して考える
・会社が増収増益を目指す理由
・貸借対照表(B/S)
・「開発→生産→販売」のフレームワーク

この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に解説します。

「分解して考える」を使って考える

現状は結論に至っていません。では、どんな合意案があるのかを洗い出してみましょう。

洗い出す際に使えるのが「分解して考える」です。

「分解して考える」とは?

問題解決は解くべき問題=課題を見つけることがスタートです。

また、解くべき問題・課題は、業務と業務の間にあることが多いため業務フローで分解することで、課題設定がしやすくなります。

(詳しくは、問題解決のための思考法「流れに分解して考える」を解説を参照)

この考え方を応用してみます。

結論を分解して考える

1.やらない
2.今はやらないが再来年度以降検討
3.一部分だけ受け入れて実施
4.すべて受け入れて実施

A.他の予算と置き換えず予算も追加しない
B.予算を追加する
C.予算を追加せず増収分でまかなう
D.予算案を追加せず他の事業と置き換える

結論のバリエーションは、上記結論1~4と予算措置A~Dの組み合わせとなります。

結論は、1はやらない、2は来年度ではなく再来年度に検討、3は103万円を123万円、150万円など178万円未満で実施、4は178万円で実施です。

予算措置は、Aは今の予算案の中で予算の組み換えをぜずに調整、Bは予算案を追加、Cは過去及び来年度の増収分を当てる、Dは他の事業をやめて予算を確保です。

自民党の案は、3Aの123万円案、国民民主党は4Cの178万円案です。

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