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建付けと思想は硬派に、モチーフはとことん軟派に。

もう1週間もない。次の月曜日をどんな気持ちで迎える?
これから先、人生のうちでこんな気持ちになることも、こんな状況に置かれることもないんだから、悔いのないようにやってもいいんじゃないかなと思って、今日から1週間毎日noteを書くことにしました。

まず前提として、すっごく勝手なことを言ってるのは自覚したうえで……なのだが、私のnoteは補助的なものでしかないです。というかSNSやnoteなどの本や同人誌以外での展開をあまり真に受けられても困るというのが本音です。

というかもっというと、見えてるとこが全部でもないんだし、見せてるとこが全部でもないです。もっと過激派かもしれないし、全然そうでもないかもしれない。もしかしたら実はプライベートでこんなことをやってる(た)かもしれないし、仕事であんなことをやっている(た)かもしれません。でも、それを絶妙な塩梅で見せたり見せなかったりします。その辺の匙加減くらい露悪的にあざとくやりますよ、そりゃ。

と、いうことを踏まえていただいたうえで、今日からのnoteを読んでいただけると嬉しいですね。まあ、強要はできないけど。

前置きが長くなりましたが、とりあえずこちらを読んでください。無料です。

敗者復活戦からあの場所への切符はたったの1枚しかなくて、それをめぐって熾烈な戦いが行われるわけだけど……というか、もう行われてるのだけど、やっぱり何度考えても自分の信じてることを言語化をする必要がある。
ファンは信じてるだけでいいとか祈るだけでいいとか言われるし、そういう考えももちろんあるだろうけど、それだけじゃ足りないこともあるだろう。

もう言っちゃおう。取り繕っても仕方ない。
上記の本の中でも書いたように、大阪の笑いが差別的だとか古いとかという文脈で見取り図への言及が多かった時、私は本当に辛かった。あまりにも辛くなってそのあと覚醒し、今に至るのだけど……w
しかしよく考えてみると、そもそも私は別に大阪の出身でもなんでもないのに、なんでこんなに大阪の漫才に執着してるんだろうかと不思議ではあった。それはやっぱり伝統と文化に根差していること、そこに生きる人の思想に紐づいていることに惹かれているんだという考えに行き当たった。

そしてあんまりエモモードでは言いたくないけど(そういうムードに飲み込まれるとカッコイイだけで勝てないから)、でもそれでもあえてそういう言葉で言うと、救われてるんだと思う。
だってこんなうわべだけの世の中で、わざわざ本音でスリリングにぶつかれるようなシチュエーションってほかにある? コミュニケーションコストのかかるやりとりを「してもいいよ」という姿勢を、振る舞いで見せつけてくれるものって漫才だと思うし、そのこと自体に救われている。それって本当に温かいことだから。
加えて、自分の至らなさとかダメなところ、諸々の歪みや矛盾点をそのまま言うのではなく、文脈や物語に落とし込むことに徹底的にこだわるハイコンテクストな表現にも惹かれている。それをさ、モチーフだけピックアップしてああだこうだいうのは、単純にリテラシーの問題と思うよ。
建付けと思想は硬派に、モチーフは徹底的に軟派にすることで、緊張と緩和が生まれ、それが笑いにつながる。私は、その文化に紐づいたトラディショナルな流れの真ん中にいるのが見取り図だと考えている。だから応援してる。まあ、その真ん中に誰がいるのかっていう解釈も人によって違うだろうし、そもそも大阪の漫才に救われてない人もいるだろうけどね。というか救われてない人が多いのが最近のトレンドなのだろうなあ。

でもなあ、こういうのも、どんだけ言葉を尽くしてもさあ、「ただのファンなだけw」とか「過激派乙w」とか言われてさ、こんだけの思いがそれぞれの人にあるってことが特に伝わらないのが悔しい。
見取り図の漫才に救われてきたから応援したいと思うし、それにやっぱりずっと一生劇場に私は行きたいから、そういった未来のためにできることがあるならいいなって思ってる。
移り行く世の中では、価値観も媒体もプラットフォームもマネタイズも何もかも水物で変化してしまうけれど、仮にどんな世だとしても、劇場での漫才は最後まで守られるものかなと思う。し、守るべきだと思う。さすがに。いやあ、さすがに。
そして漫才をやるからこそ漫才師でいられるし、自己喪失を防げるとも思うし。まあ、劇場に一生行きたいってのはもちろん私のエゴでもあるけど、それ以上の意味を見出したいと思う。

見取り図がいるから私は週末の劇場のために働けるし、どんなことも耐えられるし笑えると思う。多分私だけじゃなくて、ほかのファンの人もそう思ってるはず。どんな人生だったとしても肯定できる気持ちになる。そしてそういうネタ構成やパフォーマンスによって作られる漫才が、伝統や歴史だけじゃなくて、スキルに大きく支えられていることを多くの人が理解できたら、おそらく次の月曜日には笑顔でいられると思う。


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