ストーリータイプ04「再建、再生」
物語のストーリーは、「主人公の行動」によって7つのカテゴリー分類ごとに、計24の「ストーリータイプ(物語類型)」があります。
ストーリーのネタが浮かばない、ストーリーがつくれないという方は、ここで紹介するストーリータイプを参考に物語を構想してみてください。
今回は「主人公が段階的に熟達、発展する」カテゴリーに属するストーリータイプ04「再建、再生」をご紹介したいと思います。
「再建、再生」はどんな物語か?
これは、主人公が「傾きかけた、倒れかけた会社や組織、お店、スポーツチーム、部活動」などを再建、立て直していく過程を描く物語です。
物語的には、主人公の目的、目指すゴールが「再建、立て直す」という明確なものが設定されているため、比較的物語をつくりやすいストーリータイプであるといえます。
このストーリータイプでつくられている代表的な作品
このストーリータイプでつくられている既存の作品には、次のようなものがあります。
・映画『がんばれ!ベアーズ』
・マンガ、TVドラマ『ROOKIES』
・TVドラマ『王様のレストラン』
・TVドラマ『崖っぷちホテル!』
・ライトノベル、アニメ『甘城ブリリアントパーク』
……などなど。
「再建、再生」のつくり方
この物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにしましょう。
1.「どんな人物(主人公)」が、何のために「倒れかけた、傾きかけた何を再建する」のか。
2.「どんな人たち」を再生させるのか。
3.主人公は再建、再生していく過程において「何を学び、どう変わるか」。
このストーリータイプをつくるには、まず「何を再建するのか」、主人公が再建する「傾きかけたもの」を何にするかを設定することが大切です。とにかく傾きかけているものがなければ、この物語はつくれません。
再建するものは、会社、お店、組織、スポーツチームといった感じで、「何らかの商売や活動をする団体や集団」が適しています。
主人公は、この傾きかけたものの再建を頼まれたり、託されたり、巻き込まれたりしながら、その再建に携わっていくことになります。主人公は「何のために再建をするのか」、その動機、理由をしっかりと設定しましょう。
場合によっては、再建の際に主人公のパートナーとなる人物が登場したり、再建をジャマする人物が再建する組織や団体の内部にいたりする場合もあります。
また、組織や会社の再建は、その内部にいる人物たちを再生することとイコールとなります。
会社や組織が傾いたのは、その内部の人たちに原因がある場合がほとんどです。
つまり、会社や組織を再建するには、その内部の人達を変え、再生する必要があります。ストーリータイプ名にもあるように、「再建」と「人の再生」は一つのことなのです。
そんな内部にいる何らかの問題を抱えた人々は、どんな人物なのか、その人たちも設定しましょう。
主人公は再建を行っていく過程でさまざまなことを学んで、成長していきます。また、主人公が組織や会社内部の人々と接し、その人たちの内面を変え、再生する時に、その人々も大切なことを学び、変化、成長していきます。
主人公が傾きかけた組織や会社にいるさまざまな背景や問題を抱えた人物たちと出会い、その人物たちを再生し、変え、そしてその組織や会社を再建していく物語「再建、再生」に、ぜひぜひ挑戦してみてくださいネ。
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