ストーリータイプ11「ヒーロー/アンチヒーロー/魔法少女」
物語のストーリーは、「主人公の行動」によって7つのカテゴリー分類ごとに、計24の「ストーリータイプ(物語類型)」があります。
今回は「主人公が戦う、争う、問題を解決する」バトル/トラブルシューティングのカテゴリーに属するストーリータイプ11「ヒーロー/アンチヒーロー/魔法少女」をご紹介したいと思います。
「ヒーロー/アンチヒーロー/魔法少女」はどんな物語か?
「ヒーロー/アンチヒーロー/魔法少女」は、バトル/トラブルシューティングのカテゴリーのストーリータイプの中で独特の特徴を持つ物語です。
このストーリータイプは、主人公は「正義のヒーロー」であり、敵は「悪の存在」で、人々の平和を守るためにヒーローである主人公が平和を脅かす悪との戦いが描かれるストーリータイプです。
ヒーローは多くの読者の憧れの存在であり、正義や善を象徴するキャラクターです。そんな主人公がヒーローとしての使命を帯び、ヒーローとしての孤独を抱えながら悪と戦う姿を描くことができる、若い客層にとくに人気の高いストーリータイプです。
このストーリータイプでつくられている代表的な作品
このストーリータイプでつくられている既存の作品には、次のようなものがあります。
・映画『スパイダーマン』『スパイダーマン2』
・映画『Mr.インクレディブル』
TVドラマ『仮面ライダー』シリーズ
TVドラマ「戦隊シリーズ」
マンガ、アニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズ
アニメ『プリキュア』シリーズ
映画『ベイマックス』
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』
アニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』シリーズ
アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズ
TVドラマ、アニメ『コメットさん☆』シリーズ
TVドラマ『有言実行三姉妹シュシュトリアン』
……などなど(いやあ、趣味丸出しのライナップですね 汗)。
「ヒーロー/アンチヒーロー/魔法少女」のつくり方
この物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにしましょう。
1.「ヒーローとして選ばれる主人公」と、「ヒーローのパワーと使命」。
2.平和を脅かす「悪の存在、組織」。
3.主人公の「二重生活の悩みと孤独」。
このストーリータイプでは、「正義のヒーロー」になるべく選ばれた「ごくふつうの人物」である主人公のヒーローとして活躍が描かれます。
そんな主人公は、ヒーローとしての任を受ける際に「ヒーローとしての特別なパワー」と「ヒーローとしての使命」も同時に与えられます。
この主人公を設定するには、①どんな人物がヒーローに選ばれるのか、②「ヒーローのパワー」はどんなものか、③「ヒーローの使命」はどのようなものかの3つを設定しましょう。
戦隊モノや少女戦隊を想定している場合は、複数の人物がヒーローとして選ばれます。その際は、「ヒーローチーム」のメンバーそれぞれの人物設定をしっかりと設定しましょう。
ヒーローと対峙する敵は、ズバリ「悪の存在」または「悪の組織」です。ヒーローが正義や善を象徴する存在であるのに対して、この敵は悪を象徴する存在、組織となります。ただし、単純な悪者だと物語が薄っぺらいものになりかねないので、悪には悪なりの考えや理念、思想、価値観、目的、信条、論理体系などを設定しましょう。
また、この悪の存在は、「元々はごくふつうの一般人として社会で生活して」いたが、「ある不幸な出来事をきっかけに悪の道に堕ち、社会に仇なすヒーローの敵となってしまった人物」であることも多いです。その際は、なぜ悪に堕ちてしまったのか、そのきっかけとなる悲しい過去の出来事を設定するようにしましょう。
このストーリータイプでは、ヒーローである主人公の活躍と同時に、主人公のヒーローとしての悩みや孤独といったものも重要なテーマになります。
主人公は「一市民」としての自分と、「ヒーロー」としての自分の二重生活を強いられることになります。この二重生活によって、主人公は自由ややりたいことができない、自分の生活よりもヒーローとしての使命を優先しなければならないといったさまざまな制限と葛藤を経験することになります。それによって主人公は悩み、また孤独を感じていきます。
ヒーローものは、その華々しい活躍を伴う主人公のヒーローとしての面だけでなく、ヒーローといえどさまざまな悩みや苦悩、孤独を抱えてるという一人の弱い人間である側面の両方を設定し、描いていきましょう。
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