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ストーリータイプ06「ロマンティック・コメディ」
物語のストーリーは、「主人公の行動」によって7つのカテゴリー分類ごとに、計24の「ストーリータイプ(物語類型)」があります。
今回は「主人公が段階的に熟達、発展する」カテゴリーに属するストーリータイプ06「ロマンティック・コメディ」をご紹介したいと思います。
「ロマンティック・コメディ」はどんな物語か?
「ロマンティック・コメディ」とは、一言でいえば「ラブストーリー」のことです。
ただ、通常ラブストーリーというものは「メインのストーリー」に組み合わされる、登場人物同士の成長パターンの1つとしてサブストーリー的に描かれるものです。
たとえば、「バトルや謎解き」のストーリーがあり、それがメインの物語として描かれる中で、「主人公とヒロインが戦いや謎解きの過程で、親しくなり恋愛感情が育まれていく」というストーリーを組合わせて描かれるという形です。
つまり通常の物語では、クライマックス、ラストシーンで「戦いや謎解きのメインのストーリーの結末」と「登場人物同士の恋愛の結末」の両方が描かれていきます。
しかし、この「ロマンティック・コメディ」は、戦いのドラマなどと組み合わせて恋愛を語るのではなく、メインのストーリーで恋愛を語っていく「ラブストーリーがメイン」の物語となります。
そのため、クライマックス、ラストシーンでは「登場人物同士の恋愛の結末」のみが描かれます。
このストーリータイプは、登場人物の恋愛を主題にした、2人が出会い、親しくなり、時にはぶつかり、時には支え合いながら次第に惹かれ合っていく、そんな2人の「恋の過程」を描く物語です。
このストーリータイプでつくられている代表的な作品
このストーリータイプでつくられている既存の作品には、次のようなものがあります。
・映画『ローマの休日』
・映画『プリティ・ウーマン』
・マンガ『めぞん一刻』
・マンガ『エマ』
・小説、アニメ『とらドラ!』
・小説『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか? ~好きになったJKは27でした~』
……などなど。
「ロマンティック・コメディ」のつくり方
この物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにしましょう。
1.「どんな人物」と「どんな人物」が恋に落ちるのか。
2.恋に落ちる2人の間に存在する「2人を引き離す、一緒になれない要素」はどんなものか。
3.2人は互いに相手のことを知り、親しくなる中で、どんな大切なことを学び、何に気づくのか。
このストーリータイプは、メインの物語にサブエピソードとして組み合わせるラブストーリーモデルと同じく「誰と誰が恋に落ちるか」が重要です。恋に落ちる2人は、意外な2人であるほど、恋をしてはいけない2人であるほど面白くなります。この主人公と恋の相手がどんな人物たちなのか、意外な人物像や組み合わせを設定しましょう。
また恋に落ちる2人の間には、その2人を引き離す力、2人が一緒になることの妨げとなる要素を必ず設定しましょう。この2人を引き離す要素をどう克服するか、それにどう向き合うかが、ストーリーの主題になります。
恋が主題のロマンティック・コメディでも、キャラクターの成長は大切な要素です。
この惹かれ合う2人は、互いに影響を与え合い、互いが互いを変え、成長させていきます。そして、この相手に影響を与え、変化、成長させることが、2人が恋に落ちる理由になるのです。
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この「ロマンティック・コメディ」について、さらにお知りになりたいという方は拙著『ストーリータイプコレクション[1]「ステップアップ・ストーリー編」6種』にてくわしく解説されています。
今回ご紹介した「ロマンティック・コメディ」の特徴や作成のコツ、そしてこのストーリータイプの物語を組み立てるうえで土台として使える汎用プロットテンプレート「ストーリーフレーム」も収録しています。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。