見出し画像

「会社のことよくわからないまま社会人になった人へ」勇気を出して読んだシリーズ第2弾レビューです。

 ハイ、オオハシです。晴耕雨読3週連続になりました。3週連続雨ですね。昨日は近鉄花園ラグビー場へ応援に行ってきたのですが、D-Rocksは規律を守ることがまたもできず完敗となってしまいました。気を取り直して本日も読書を進めての投稿です。非常に平易な本ですが、改めて勉強になった本です。それでは行ってみましょう。

会社のことよくわからないまま社会人になった人へ

池上 彰
2022年9月の本

 よくわからないまま社会人になった人へシリーズ読書レビュー第二弾。さすが池上さん、相変わらず非常にわかりやすくまとめてくださっています。経済も、会社も、政治も、なんとなく知っているというレベルで大人になってしまった自分だなと思っていたので、恥ずかしながらもこのシリーズを読み直すことは勇気が必要だったけれど、読んでよかったと思っています。(第一弾は「経済」から読んでみました)

 個人的コメントとですが社会人になってもう23年目、自分なりの価値観やら判断基準はあるけれど、そもそも会社のことってよくわかってるんでしたっけ?と改めて棚卸すこととなりました。やっぱりこちらのシリーズなので一時間ぐらいで読み切れて、再読も十分できたけれど、「経済」よりもずっと理解できていたかな。次の「政治」についてはどうだろうな、読み切って自分なりの読後感を確認してほっとできたことがよかったです。
 会社入って23年目ですが、やっぱり僕はわが社が好きです。

 以下、抜粋とコメントです。

会社からの報い

 「人はなんのために働くのか?」と聞かれたら、「お金のため」と答える人は意外に少ないはずです。「自分の好きな仕事だから」「仕事が楽しいから」「自分が好きな会社だから」「会社に愛着があるから」。そういう思いがあるから、一生懸命働けるのだと思います。日本の会社というのは、給料だけでその人に報いているわけではないのです。
 一生懸命働いた人は、次の転勤でいいところへ異動させたり、あるいは会社の中で大事な地位に就かせたり、また本人の希望をなるべく汲み入れたりなどの方法は、どこでも行われています。異動で報いたり、大事な仕事を任せることで会社が評価していることを知らせるなど、給料以外で報われる部分がたくさんあるのです。

会社のことよくわからないまま社会人になった人へ P93

 この部分、すごく腹落ちでしたね。確かに業績評価がよくてボーナスが多くなったところで、そりゃ少ないより多いほうがうれしいけれど、モチベーションとなる源泉は日々のフィードバックであったり、お客様から感謝されることであったり、やってよかったと思えることだったり、そういうことの積み重ねが大事だと思いますね。

本当に優れた経営者

 リクルートは、江副浩正氏という天才的な経営者が作り上げました。しかし、政治家や中央省庁の官僚にワイロを贈ったというリクルート事件で江副氏が退陣しても、リクルートグループは発展しています。それだけではなく、リクルートからは、さまざまな人材を輩出しています。それは、ちゃんと後を担う人がいたからなのです。
 (中略)

 社員が「自分たちがやったんだ」と思える組織作りができている会社
 優れた指導者がいなくなっても、ちゃんと後を担う人がいる会社。

 会社に寄りかからず、いつでも自立して、いろんな分野で活躍できる人を輩出する会社。とても難しいことですが、そんな組織を作り出せる経営者が本当の意味でもいい経営者ということです。

会社のことよくわからないまま社会人になった人へ P111

 こちらの部分でも昔のエピソードが思い出されました。会社に入ってまだ数年のころ、私の所属する会社は、社長に対してもダイレクトにメールを打てるような会社であるため、「もっともっと社長が前面に立ってほしい」「ビジョナリーカンパニーに出てくるような企業であってほしい」ということを生意気に社長にメールをしていたら、いつの日か、「社長がお呼びです」と総務部の方から呼ばれたことがあります。約一時間社長と一対一でこんな若造と話をしてくださる機会を設けていただいた際、当時の社長からこれを読んだほうがいい、と言われた本が「ビジョナリーカンパニー②」でした。(2006年だそうです) ②では3Mほか社長が大きく前面に出ない企業こそGreateな企業だ、というところがメインメッセージでした。
(さすがにまだブクログも始めていなかったようで検索したら本棚には載っていたが、レビューが書かれていなかったのでリンクはなしです)


組合は神経というメタファー

 人間であれば、体のどこか悪い部分、痛みがある部分があった場合、人間の脳に神経が伝達します。労働組合は、脳という経営陣に対して、体の悪いところ、痛みの部分を伝達する神経のような役目があるのです。
 体のどこかに悪いところを発見したら、まずは末梢神経(組合員)が気づき、神経(労働組合)が脳(経営陣)に伝達する。組合員が早めにアピールしてくれた結果、検診してみたらガンの初期だったことがわかるかもしれません。すぐにその部分に対応すれば、完治できるかもしれませんが、それに気づかないままでいれば、悪化して、死んでしまう、つまり会社がつぶれてしまうようなことになるかも知れません。
 そういうふうに考えると、労働組合は実はとても大事な役割があるんだということがわかるのではないでしょうか。

会社のことよくわからないまま社会人になった人へ P171

 なるほどなメタファーだと思いました。組合活動に関して、こんな風に考えたことはございません。確かに東芝の事例がありましたが、数々の企業の不祥事に対して組合が気付いて経営に伝達していれば、悪いことは悪い、といえる文化があれば、というところですね。


何のために働くのか

 あなたの仕事によって、喜んでいる人がいるなんて、とても素敵なことだとは思いませんか。自分が働くことによって、喜ぶ人がいる。社会のために役立っていると実感できる。社会の中に、自分を必要としている人たちがいることを知る。これが、「自己実現」なんだろうと私は思うのです。
 人間は「社会的存在」です。社会の中で、自分の存在価値を確かめることで生きていくことができるのです。あなたが働くことで、社会の中に、あなたの生きていける場所が見つかります。
 あなたの働く場所が会社であれば、会社で働くことで、専門性も身につくでしょう。新しい勉強もできるはずです。勉強ができて自己実現ができて、しかも給料までもらえる。こんなに恵まれたことがあるでしょうか。

会社のことよくわからないまま社会人になった人へ P186

 ここのフレーズ、もうこの本の最後のクライマックス部分なので最も素敵なことが書かれている、という気はするのですが、すごく共感しました。働くことは、傍(はた:周りの人)を楽にするということだとも言ったりします。傍を楽にしながら自己実現を果たし、しかも給料までもらえる。こんなに恵まれたことがあるでしょうか。ごもっともだと思います。これからも喜ばれる人になりたいと思います。(ということで「喜ばれる人になりなさい」をリンクしておきます。こちらもとても素晴らしい本でした。)


以上

非常に読みやすい本でして、おすすめの本でした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。次週は柏に行く週なので、連続投稿は厳しくなりそうですが、また楽しんでいきたいと思います。

もしよろしければ「スキ」押していただけると作者励みになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?