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EMPOWERED:会社の輪読会で読みましたプロダクトマネジメントの教科書です!

2022年初投稿となります。オオハシでございます。大変ご無沙汰しております。2021年は極力毎週投稿を心がけておりましたが、10月ごろ会社仕事やラグビー(コーチング研修受講)オレのゴミ拾い等々、多用となり、連続投稿は終了してしまいました。 今年も再開しますが、おそらく毎週投稿はできなそうです。(いきなり年初から弱気です)ゆるゆると続けていきますので本年もよろしくお願いいたします。​

これまで何度かご覧いただいた方もおられるかとは思いますが、前半を本を読んだ感想(あくまで個人的な感想や解釈)を記載し、後半は本からの引用を記載する、という形式で構成しております。 本年は引用箇所にも小見出しをつけてみましたので、そちらご覧になりたい方は、ジャンプしてくださいね。 それでは行ってみましょう。


EMPOWERED 普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダシップ

マーティ・ケーガン クリス・ジョーンズ 著
2021年6月の本
 

 EMPOWERED:エンパワーされた、という意味。『「力を与えられた」という状態。力を与えられるのは誰か。それは人と組織だ。つまりは、プロダクト関係者が活力を得た状態を目指すことが理想の状態ということだ』と、まえがき に記載されている。

 こちらの本は会社での『輪読会』というイベントがあり、良本をみんなで読み解釈を共有し合うことでメンバー全員の知の探索を進化させるという営みが面白そう!として参加した際の教材でした。 すごく重厚で内容も具体的で具体的で、確かに一人で読んでいたら挫折してしまったかもしれない、というぐらい濃い本でした。 みんなで読み終わった後に、改めましてもう一度速読で読み返して、さらに内容への理解が深まりました。 Think clearlyに記載のあった 「二度読んだ時の読書効果は、一度しか読まないときの倍どころではない。もっとずっと高くなる。私の経験から言えば、ほぼ10倍にふくれあがる。」の件は本当にそうだと改めて思いました。

 
 輪読会には、こちらのEMPOWERED の「まえがき」も執筆されました及川卓也さんもご参加いただいており、非常に有益なアドバイスもいただきながらの会となりまして、勉強になりました。 私個人としてはプロダクトマネージャー(PdM)というキャリアでは直接はなくて、いわゆる法人営業のソリューション業界を歩んで来たものですが、輪読会においては、プロダクトマネジメントを進めるプロダクトマネージャーやその関連の皆さんの素晴らしいディスカッションも聞くことが出来、勉強になりました。
 

上記記事の中にも「輪読会」の件、触れられてましたね。 そうなんです。この取り組みに参戦させていただきました。


私が勤務しているNTTコミュニケーションズ は 「人と世界の可能性をひらくコミュニケーションを創造する」という言葉を企業理念にかかげている会社であって、プロダクトマネジメントは非常に重要なことだと考えているので、こうした勉強会が社内で勝手に立ち上がって多くのメンバーが学んでいることは素晴らしいことだと自社の事ながらすごく感動しています。 また、そうした社内勉強会に、日本でのプロダクトマネジメントをまさにけん引されている及川卓也さんという方が参加いただけて共に学ぶことが出来る、という環境を与えてくれている自社にはほんとすごい会社だと思っています。

 輪読会の際の自分の担当の範囲は「ビジネスコラボレーション」という章でして、PdMを目指される皆さんとは少し距離をおいたビジネス側にいる立場的にこの章を選び、発表しました。 発表の際に 「リーダーは適切な質問が表に出るような環境を作り上げることが期待されます」 という表現があったので、以前読んだ 『教えないスキル』も紹介しました。

 

 ほとんど読書レビュにはなっていなくて、輪読会感想文になってしまっておりますが、以下ではいくつか引用です。(だいぶ減らしたつもりなんですが随分と多くなってしまった)

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引用:コーチング関連

P55 優れたコーチングとは何よりも、従業員が自らのポテンシャルを引き出せるように支援するという目的を持った、継続的な対話なのだ。
P57 あなたがマネジャーであれば、最も多くの時間とエネルギーをチームのコーチングに割くべきである。 つまり、チームの評価、コーチングプランの作成、チームメンバーの向上と成長の積極的な支援といった仕事に、心血を注がなければならない。

P89 キャリアのゴールにかかわらず、テックリードの真のポテンシャルは、技術への理解と、顧客が苦しんでいる問題への認識を組み合わせられる能力から生まれる。(中略) 最後に私の発見を一言で伝えよう。 テックリードに顧客またはビジネスの文脈についてコーチングする時間は、1分残さず最も価値ある時間の使い方の1つだ。

P117 エンパワーされたプロダクトチームをつくり上げるには、解決すべき問題のオーナーシップをプロダクトチームに渡し、チームが最適と考える方法で問題を解決できるようにする必要があることをおわかりだろう。

P124 プロダクトマネジャーにとって最優先となる貢献事項と職責は、エンジニアが構築を依頼されているサービスが、本当に構築するだけの価値があるかどうか、必要な結果を生むかどうかを確認することである。
 つまり、デザイナーやエンジニアと協力して、価値、ユーザビリティー、実現可能性、事業実現性を備えたソリューションを編み出すことだ。それがプロダクトディスカバリーであり、毎日4時間専念すべき仕事である。

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引用:顧客について

P145 私が最初に主張したいのは、「顧客」という言葉について具体的に定義し、その定義を守るということだ。

P146 私は、「顧客」という言葉を神聖な存在に近い扱いとすることを好んでいる。この考え方によって、プロダクト担当者が、会社の行動や判断に顧客が必然的に果たす役割を理解できるようになると信じている。
P147 有能なプロダクト担当者の仕事は、顧客に代わってイノベーションを起こすことであって、顧客へのアンケートやインタビューを鵜呑みにすることではない。

P151 エンパワーされたプロダクトチームでは、約束したタイミングで出荷するだけでは十分ではない。出荷したものは機能しなければならない。―顧客やビジネスの問題を解決しなければならないのだ。 これははるかに難しい。

P223 忘れないでほしい。私たちが賢いプロダクト担当者を採用しているのは、作業を指示するためではない。顧客に愛されビジネスがうまくいく形で、難しい問題を解決してもらうためだ。

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引用:プロダクトビジョンと戦略

P244 プロダクトビジョンは、会社がつくろうとしている未来を語る。どのような形で、顧客の生活を向上させようとしているのだろうか。 その目標にどのように達するかは説明しない。

P303 悪い戦略は、良い戦略を練り上げるためのハードワークを自ら避けた結果なのである。なぜ避けるのかと言えば、考えるのは大変で、選ぶのは難しいからだ。しかし相反する要求や両立しえない価値観の中から選択をすることこそリーダーの仕事であり、それを放棄するとなれば、悪い戦略しか生まれない。

P314 (良い戦略は)「戦略マネジメント」ツールだとか、マトリクスやチャートといったものも無用だ。必要なのは目の前の状況に潜む1つか2つの決定的な要素―すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントを見極め、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。

P342 最も優れたチーム目標は、リーダーとチーム間の議論の行き来から生まれる。

P372 私は、自分でデザインするのをやめて、優れたデザインが生まれる場所をデザインしなければならないことに気づきました。自らをマネジメントできるようなチームをデザインする必要があったのです。(中略)
 私は、そのとき以来ずっと、「個人の集団」を「チーム」に変えられるように心がけています。チームは、どんな個人も奇跡を起こせないようなときに、奇跡を起こせるのです。

P411 フォーカスとインサイトに基づく真のプロダクト戦略の重要性。 プロダクト戦略は、各プロダクトチームにどの問題を解決してもらうかを示す。リーダーたちは、インパクトの大きい少数のインサイトに基づいて戦略を組み立ててから、ほとんどの組織に対して問題を解決するように依頼した。

EMPOWERED

引用:エンパワーされたチーム

P426 エンパワーされたプロダクトチームにおけるチームの役割は、顧客に愛され、かつビジネスになるプロダクトを開発して顧客に奉仕することである。

P437 リーダーは、あらゆる質問に答えることは期待されませんが、適切な質問ができること、そしてもっと重要な点として、適切な質問が表に出るような環境をつくりあげることが期待されます。

P455 会社がプロダクトチームの水準を上げたければ、会社がプロダクトに対する考え方を変えねばいけません。
 プロダクト組織を、単なるテクノジー組織の一部(あるいは、もっと悪い場合はIT部門の一部)と見なすかわりに、組織そのものとして見る必要があるのです。

P464 本書を読んだ次世代のリーダーが、部下と会社が求めるリーダーになるためにやるべき仕事を理解してくれることを大いに期待している。(中略) 最後に、皆さんがご自身の才能とエネルギーを永遠に発揮し続けることを願っている。

EMPOWERED

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以上です。 最後までお読みいただきありがとうございました。 いつもはブクログのレビュをリンクさせておりましたが、今回の本ではほかの方のレビュは少な目だったので(専門書だからだと思う)、今回はリンク記載は行いません。 

また、お越しいただければ幸いです!

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