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資金調達への挑戦④ ピッチ資料作成

ピッチで伝えるべきこと

5日間の研修も今日で4日目です。
なんと、明日の最終日は3分間ピッチを実際にやってみるという実技・・・。
いつだってインプットよりもアウトプットのほうが勉強になるということは理解していますが、まったく想定していませんでしたので、急に緊張してきました。
この文章を書いている今も少し胃がシクシクしています。
ピッチの資料を作成しようと思うと、どうしても自社のサービスがいかに優れているかを延々と書いてしまいそうです。
しかし、プロダクトの細かい説明は少なくともピッチでは求められていないようです。
理由は、資金調達をして、ぐるぐる回している内に顧客ニーズがより深く分かることで、プロダクトの細かい部分などどんどん変わっていくためだと思います。
それよりも、その市場性を非常に見られるんだと感じました。
市場性としては、まず、マーケットの規模。
そして、その市場が抱えるペイン(課題)。
それをこのプロダクトでは、どう解決していけるのか?
競合他社との比較で、なぜ勝てるのか?
最後に、そのビジネスが超絶、最高にうまくいったときに、どれだけのバリュエーションを生み出せるか?
そういったことが市場性なのだと思います。
そしてもう一つのポイントは、なぜあなたでなければならないのか?
ただし、なぜ私でなければならないのかは3分のピッチでは軽く触るくらいしかできないのではないかと思います。
しかし、重要なポイントですので、軽くでも触れておいた方が絶対に良いと思います。
また、軽くとは、時間のボリュームの話で合って、核心を突く言葉をたった一言で伝えるのが良いと思います。

ピッチの見本 Airbnb はなにが凄いのか

今日の研修では、民泊予約サイトのAirbnbのピッチ資料を見本とした解説でした。
たった14枚のスライドで上記のピッチに必要な事柄をすべて入れ込んでいました。
1枚目は、表紙
2枚目は、3つの課題を文章で示しています
3枚目は、その課題をどう解決できるか
4枚目は、同業のマーケット規模
5枚目は、業界のマーケット規模(TAM/SAM/SOM)
6枚目は、プロダクトの実際の画面を見せることで、ユーザー体験をみせる
7枚目は、ビジネスモデル。収益化
8枚目は、事業戦略。どのように広げていくかの戦略
9枚目は、競合比較
10枚目は、競合と比べてどこに強みがあるのか
11枚目は、チームの紹介
12枚目は、メディアでの評価を紹介
13枚目は、ユーザーの声を紹介
14枚目は、簡単な資本計画。今回の調達でどこまで成長するよという内容
実際にこの14枚で3分ピッチを行い、最初の資金調達に成功をしたようです。
ただ、たった14枚に、投資家が知りたい情報のほぼすべてが詰まっていて、本当にお手本とするには最高だと思います。
まだプロダクトがない方は12、13枚目のようなところはスライド不要かと思います。
私もメディアに掲載してもらったことがないので、12枚目は真似できません。

競合他社比較について

今日も研修の終わりに質問の時間が設けられました。
参加者の一人がこんな質問をしました。

「私のサービスには競合がいません。唯一無二のサービスです。その場合、競合比較はいらないでしょうか。」

実は、私も競合他社のない、まったく新しいプロダクトで現在資金調達をしようと思っています。
今までにないコンセプトのサービスなので、競合比較のスライドを私は入れていませんでした。
ですが、その考え方がそもそも間違いだったことに気が付きました。
講師の戸村さんはこんな回答をしました。

「競合がないということは、市場がないということです。新しいプロダクトは既存のプロダクトにとって代わっているだけです。」

なるほど。
例えば、車を最初に一般人に普及させたフォードだって、「車は他の会社で大量生産をしていないのだから、競合はいない。」なんて思わなかったはずです。
その当時の車のライバルは、馬車や蒸気機関車だったはずです。
そして、今、トヨタのライバル会社は何も日産やホンダやメルセデスだけではありません。
自動運転を開発しているグーグルも立派なライバル会社、競合他社なはずです。
また、今後は家庭用飛行機だって大量生産されるかもしれませんし、前にホリエモンが言っていたように椅子が車の代替になっているかもしれません。

そう考えたとき、私が取りに行きたいユーザーは、いったい今は何を使っているのか?
そして、それでは解決できないことがあるから、弊社のサービスを使っていただける。

そう考えると競合は確かに、成功するビジネスにはかならず100%存在するということになります。

封筒とペンと紙と切手の代わりに、PCメールが普及し、それが携帯電話になり、スマホになり、おそらくいつかスマホもなにかに代替されます。

競合相手はいます。確かにいます。
私はつい先ほど、競合他社比較のスライドを作り終えました。
緊張してはいますが、明日、披露するのがとても楽しみです。

相手は素人だということを忘れない

これは昨日、ピッチさせていただいた方にも言われましたし、今日の研修講師の戸村さんからも言われたのですが、VCと言ってもその領域に関しては相手は素人です。
いろんな企業のピッチを聞いているだろうし、学歴も高そうだし、知識めちゃくちゃ深そうだし、業界の常識や慣例などはもうとっくに知っているだろう。
そう思ってピッチをしてしまう人がものすごく多いのではないでしょうか。
勿論わたしもその一人です。
ピッチが終わってからの質問で、いつも思うのは、
「あ、そこで躓いてしまうんだ」
「わかるだろうと思っていたけど、ここも説明しないと伝わらないんだ」
「これってこの業界だけじゃなく、全部の業界でも一緒だと思っていたけど、うちの業界だけの風習なのか」
みたいなことが多々ありました。
ピッチをする際は、1対1でも、ピッチイベントの時でも、必ず相手は素人であるということを忘れずに、できるだけ視覚に訴える形で分かりやすい簡略な資料を作るとよいと思います。

まとめ

起業するような人は型に嵌まらずに変わったことをするような人が多いと思います。
人と同じではいけないと思っている方も多いと思います。
しかし、ピッチは見本通り、人と同じが素晴らしいと思います。
なぜなら、ビジネスモデルがそもそも唯一無二で素晴らしいものであるはずだからです。
これが、みんなと全く同じビジネスモデルをいかに素晴らしく伝えるか?という競技であれば、ピッチの伝え方もいろんな創意工夫が必要かと思います。
しかし、知っていただきたいのは、ピッチの面白さではなく、プロダクトの面白さです。
Airbnbのピッチ資料をそのままパクって、全く同じ構成にしたところで、世界で唯一のプロダクトを分かりやすく説明した素晴らしい資料になるはずです。
もし、それでも酷評されるのであれば、ピッチ資料が悪いのではなく、そもそもプロダクトにもっと改善余地があるのかもしれません。
或いは、発想は面白くても、狙っている市場が悪いということだって考えられます。
スケールする余地がないプロダクトであれば、いかに優れていてもバリュエーションはつかないでしょうし、スモールビジネスをやるのであれば、出資ではなく、銀行融資のほうが良いのかもしれません。

と、私は明日のピッチの実施試験を前に、偉そうにハードルをガンガン自分で上げてしまいました。
明日のピッチで、この記事の内容が正しかったことを、しっかりと証明したいと思います。
明日も記事を書きたいと思います。
では、自分にグッドラック。

「幸運を祈るよ!」なんて、僕なら誰にだって言うもんか。ひどい言葉じゃないか、考えてみれば。ってホールデンには言われてしまいますね。

では、おやすみなさい。

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