ラグビーが教えてくれたこと20
【上手い選手の分析をして、自分と何が違うのかを分析する】
上達するためには、客観的に指摘してくれる良い指導者がいて良い指導を受けるというのもあるかもしれませんが、
ラグビーを通して、自分で分析をして上達していくことの大切さも学びました。
僕がこのことを学んだのは、社会人一年目の時のことです。
2011年のW杯を観戦していた時に、オーストラリアのデービット・ポーコック選手の「ジャッカル」という相手のボールを奪取するプレーに魅了されました。
それまでもジャッカルというプレーのことはもちろん知っていましたが、自分はあまりそのプレーをするタイプの選手ではありませんでした。
しかし、そのワールドカップのオーストラリアと南アフリカの試合で、ひとりで何度もジャッカルを成功させチームに勝利をもたらした試合を、たまたまHUB(スポーツバー)で観戦した時に、ただただ唖然として、ジャッカルの世界に引き込まれたのを思い出します。
それから、自分もジャッカルができるようになりたい!と思うようになってポーコック選手のその試合を見返して、ジャッカルがキマる時間(何分何秒のプレーか)をメモ。チームの分析担当のコーチに、映像集を作ってもらい、何度も何度も見て練習しました。
練習したら、今度はその自分の映像をポーコックの映像と見比べてみる。左側にポーコックのプレー、右側に自分のプレー。似たような角度のものを選び、絡むタイミングを編集して合わせながら見てみると、自分との違いが一目でわかるんですね。今ではスマホでそういう機能があってできるかもしれませんが、当時はやり方がわからなかったので、それも分析コーチにお願いして作ってもらって、
「なんか違うなぁ・・・」の差を少しずつ埋めていきました。
もうそこからはトライアンドエラーの繰り返し。練習でも試合でもとにかくそのシチュエーションに立って、映像の素材も作っての繰り返しですね。
すると、初めはジャッカルなんて全くできなかったのに、なんとなく様になっていったりして。
当時のトップリーグでは、毎週ジャッカルのランキングがホームページで発表されていたのですが、そこにも名前が上がってくるようになったことが、自分の中ではゼロからスタートしたことが目に見えてカタチになってきたということもあり、その小さな成功体験が自分に自信をつけてくれました。
相手のノットリリースザボールで笛がなった瞬間に仲間達に祝福される瞬間が快感すぎて、ジャッカルは今でも自分の好きなプレーの1つです。
さて、
「上手い選手の分析をして、自分と何が違うのかを分析する」
ということが、もたらしてくれたラグビーにおける僕の小さな成功体験なわけでありますが、
これはラグビー以外のことでも言えることだと思います。
どんな業界でも自分より優れた人というのがいますよね。彼らが何故優れているのか、自分ができるようになるにはどうしたらいいのか。そういう視点で、分析して、学ぶ。吸収する。自分色に染めて試してみる。
優れている人と自分との比較は、勝ってるとか負けてるとか、妬みとか、そういう目で見ると、自分のプライドが邪魔をして、思考が停止してしまい本質が見えなくなってしまいます。得るものも得られなくなると思います。
「なんで凄いのかな?」
「何が凄いのか?」
「じゃあ自分は?」
で見えてくるものが、きっとどんな業界でもあるんだろうなと。
他人の「なんか良い」を深掘りして、自分と比較して、取り入れてみる。謙虚に。
ラグビーでの小さな成功体験が教えてくれました。これからも大事にしていきます。
そんな話です。