2024年3月~5月のアルバム感想&好きな曲
それでは3月から5月の間にリリースされたアルバムの感想です。
Faye Webster『Underdressed at the Symphony』
アトランタの女性SSW。シンセやオーケストラを取り入れサイケっぽい。新しいことをやろうとして野心的なのも良い。ラッパーが多いアトランタという場所がそうさせるのでしょう、Lil Yatcyというメジャーどころが参加しているのも良い。1曲ごとに独立したプロダクションがあって聞きやすいですし、歌詞も実は声にそぐわず随所にやんちゃな部分が垣間見れるのも良いですね。ヨーヨーとポケモン好きですから、ぜひ来日公演を実現して欲しいところですね
Sheherazaad 『Qasr』
XであのArooja Aftabがプロデュースしているというのを知ってEPを聞いてみました。Sheherrazaadはインド系移民2世のアメリカのシンガーソングライターで、音楽的には南アジアのトラディショナルな楽器を使っていて、フォークのアルバムを聞いているようでとても馴染みやすい。まだデビューしたばかりで数曲しかないですが、歌詞もじっくり読み解きたいなと思わせてくれます。
Jacob Collier 『Djesse Vol. 4』
相変わらずマメで細かく繊細で聞いていて圧倒されます。色んなアーティストと足軽くコラボできるのも彼がマルチプレイヤーだからでしょうね。ただ真面目過ぎて…私は多少欠点がある人が好きなんだろうなと改めて思い知った。
Hannah Frances 『Keeper of the Shepherd』
PitchforkでBest New Musicで取り上げられているのを見て一聴してみたら、もちろん好きになりました。女性シンガーソングライターでアコースティックを基調に色んなサウンドを取り入れているのに確固とした個性があるミュージシャンを好きにならない訳がないのだ。調べてみたら、なんとあのFrikoと同じシカゴ出身で、シカゴは勝手にラップとかR&Bのイメージがあったのですが、こうやってインディロックも盛り上がっているんですね。そもそもリベラルな街ですし、そりゃ音楽シーンが活気づいているのは当然なんですよね。
Mannnequin Pussy 『I Got Heaven』
初めてこのバンドのアルバムを聞きましたが、Holeの『Live Through This』の正当な後継者と言いますか、まあとにかく聞いていて安堵する"叫び"が詰まったアルバムです。インディの女性シンガーソングライターを聞きまくっていたここ数年のおかげで、こういうバンドを新鮮にかつ馴染み深く聴くことができましたね。アルバムタイトル曲にもなっている"I Got Heaven"のギターを使った美メロに叫ぶようなボーカルの曲が、本作の名刺代わりになっている。
Kali Malone 『All Life Long』
PitchforkでBest New Musicに選ばれていたので一聴しました。たぶん私がこういう歌が無いインストゥルメントに全く免疫がないせいで、「自然で心地よいね」で終わってしまいました笑 この感じで歌が入ったら、それこそWeyes Bloodみたいになると思うのですが、Kali Maloneは歌を入れることにどれくらい意欲的なのかな~。
Moor Mother 『The Great Bailout』
ダークな雰囲気に詩を朗読するようなスタイルは変わらずですが、本作ではいつもより厳かな感じがします。詩も黒人のトラウマについてなど、心から発信されている感じがして、実は次に紹介するKim Gordonと同じアプローチを取っているアルバムでもあります。
Kim Gordon 『The Collective』
5年ぶりに届けられたKim Gordonのアルバムの先行シングル"BYE BYE"には度肝を抜かれた。前作からエレクトロ系に強くインスパイアされたアルバムだったが、本作は明らかにトラップとヒップホップにインスパイアされているからだ。しかも歌詞も歌うというよりかはマントラを唱えるみたいな感じで、71歳という年齢でかつ人気が落ち気味なトラップをここまで使いこなせたのがKim Gordonというのは本当に凄いことだと思う。基本的には他の曲も"BYE BYE"と同じような雰囲気の曲が続くのが微妙だけど、歌詞に注目すれば全く違うテイストであることには気付かされる。
Norah Jones 『Visions』
デビュー以降本当にコンスタントに新作を発表しているNorahですが、オリジナルアルバムは3年前のクリスマスアルバム以来ですが、その間にも多くのミュージシャンとセッションを行ったシングルを集めたオムニバスを発表したりと、一体いつ休んでいるんですかと聞きたくなります。前作はピアノを基調にしたいつものNorah Jonesという感じでしたが(コロナ禍の中でそれが癒しになった)、本作ではエレキギターが鳴っていたりとよりルーツミュージック色が強くなっているのが特徴的です。歌詞も悲痛な心の痛みを訴えかけるいつもの歌詞も見られるが、先行シングルになった"Ruuning"に見られるようなポジティブな歌詞も見られる。
Ariana Grande 『eternal sunshine』
『thank u, next』や『Potisions』からのハイペースでの活動から小休止。ツアーは行わず、映画『ウィキッド』への出演に集中といったところで、まさかのスキャンダル。まあArianaくらいであれば、スキャンダルの1つや2つ跳ね除けて、むしろプラスにするくらいだと思いますが、今回もそれでしたね。Ariana Grandeが大好きな俳優のジム・キャリー出演作の映画から取ったアルバムタイトルです。アルバム構成はハウスやクラブを基調としたサウンドで、久しぶりに組んだ天才マックス・マーチンの手腕が光っています。4~6月は著名な女性アーティストのリリースラッシュだったのですが、その中でもセールスでも順位記録でもアルバム評価でも群を抜いて良かったのですが、当の本人がプロモーションに控えめなのが残念ですが、そのうちツアーが発表されるのを待ちましょう。"bye"はディスコ調でアルバムのオープニングを飾るのに相応しい。シングルカットもされた"the boy is mine"は王道のR&Bで昔からArianaを追っかけている人は聴いていてほくそ笑んでいるはず。"yes, and?"は"thank u, next"に続く繰り返したくなるフレーズのアンセムで明確にハウスを目指した曲。実は曲のイントロが始まってヴァーズが始まるまで45秒もかかる、尖った曲構成なのにも注目するべきだ。そしてアルバム最大のキラーチューンでチャートを賑わした"we can't be friends (wait for your love)"の良さは説明する必要はないだろう。ラストのアウトロまで完璧だ。今年は『ウィキッド』も公開されますし、そのサウンドトラックもチャートで凄い記録を残しそうで。今から楽しみです。
Justin Timberlake 『Everything I Thought It Was』
ここで今さら彼の様々な悪行をBritneyの力を借りて書き連ねる必要はないけど、それでもここ数年の彼の過去の行いによる告発は目に余るものがあった。厳密に言うとその時代にも許されていないことだったのだが、ようやく日の目を浴びて今はその行いの禊ぎにいると言ったところだろう。それと音楽は別と言い切ってあげれるほど、本作の出来は正直優れているとは言い難い。もちろんかつて聞いたことのないサウンドを作ったアーティストがまた再びそれを乗り越えるみたいな高い壁が彼にもあって、やはりそれを乗り越えるのは難しい。つまり全体的にアルバムのサウンドが現行流行の後追いになってしまっている。もちろん個々には良い曲もあるんだけど、そこで"Selfish"とか言われても、ああそうですかって感じだ。
Kacey Musgraves 『Deeper Well』
もちろん皆が『Golden Hour』のようなアルバムを作って欲しいと懇願していても、それに答えるか否かはKaceyの自由だ。そして本作ではもちろんその要望に応えているわけではない。前作からよりシンセとかエレクトロの要素が後退し、さらにフォークの要素が強くなった。ここ数年はそのフォークがサイケとかエレクトロと上手く融合したアルバムが多く輩出されている中で、ポップ寄りだけど王道のフォークに挑戦した姿には拍手を送りたい。ただ地味と言えば地味だ。もちろんアルバム通して聴くと完成度は凄く高いし、内省的な歌詞はより引き込ませる力を含んでいる。ただふり返った時に何か足りないという気分になってしまうのが残念だ(ただ包容力は凄いので年末に向けて評価変わるかも)。
Flo Milli 『Fine Ho, Stay』
犇めく女性ラッパーの世界でもより際立って私が「Missy Elliottっぽい」と感じているのがFlo Milliです。SZAやCardi Bも参加している"Never Lose Me"を始め、オールドスクールなヒップホップがたくさん収録されています。ただアルバムのセールス自体は低いみたいで勿体ないな。
Tierra Whack 『WORLD WIDE WHACK』
Flo Milliに続き彼女も正当にアートの面でもサウンド作りでもMissy Elliottから影響を受けていますが、もっとTierraの方がよりアートに振り切っていますね。デビューアルバムの『Tierra World』と違って、本作では一曲が一分以上ありますが、その代わりアルバムを通してコンセプトが薄くなったというか(彼女以外がそれをやってもそうとは思わないのですが)、どうしても全体的に地味な感じは否めない。何を恐れているのか、もっと強烈な個性を出しても良いのじゃないかなと思ったのですが。ただシングルカットされた"TWO NIGHT"や"27 CLUB"は良いですね。またFlo Milli同様に本作もセールスが悪いようで、本当にアメリカは女性ラッパーの"アルバム"を大切にしない国だなと。
Gary Clark Jr. 『JPEG RAW』
全体的にブルースやロックを基盤としているので、いつものGary Clark Jr.と言った感じですね。Jacob Colliar同様に少し真面目過ぎて…それでも完成度は申し分ないですが。
Julia Holter 『Something in the Room She Moves』
先行シングルの"Sun Girl"にも見られるように、サイケやフォークやエレクトロやアンビエントを包括したあなり完成度が高いアートポップのアルバムです。歌詞も繰り返しが多く、サウンドも明るい曲が多い。アートっぽいインディの感じなのに、どこか子守歌みたいな雰囲気もあり、彼女がコロナ禍に本作を製作していたというのは納得だ。フルートか尺八か、どちらかの楽器がとても印象的に鳴っていて、それがどこかしら和のテイストがある。これは彼女の夫が日系人だから、どこかで影響を受けたのかななんて想像したり。
FLETCHER 『In Search Of The Antidote』
前作と比べて本作ではエレクトロ要素は後退し、ロックの要素がかなり加わりました(分かりやすく言うとRina Sawayamaの『Hold The Girl』みたいなアルバム)。ただそれが彼女に求められているものなのかと言うと微妙。やりたいことをやるのは別に良いのだが、せっかくデビュー作でエレクトロを贅沢にポップスに落とし込んで完成度高い売れ線のアルバムを作ったのにね。しかも本作は参加プロデューサーも多くて、 イマイチ彼女の個性が見えなくなっているのが勿体ない。ただシングルカットされた曲は良いですよ。
Hozier 『Unheard』
"Too Sweet"が目下大ヒット中のHozierのEPです。"Take Me To Church"以降は結構定期的にヒットを飛ばしているんですよね、男性シンガーソングライターだから日本だとあまりなじみ無いですがね。EPは4曲だけですが、どれも良いと思います。
Nourished By Time 『Catching Chickens』
Pitchforkで紹介されていたのをきっかけです。ラップではなくDIY的なエレクトロ系で、けっこうキャッチーな曲が多いのが特徴的です。Frank Oceanと共振しているところが良くて、批評だけでなくセールスでも健闘して欲しいと思わせてくれるアーティストです。
Waxahatchee 『Tigers Blood』
上半期は後に触れるBeyonceを始めとした女性のカントリーに注目が集まりましたが、彼女も勿論その主要な人物の1人です。本作もリリース直後から各誌で絶賛されていましたね。2010年代からインディロックでかつカントリーをやっていたのは彼女ですから、批評面でキャリアハイを獲得するのは当然と言えば当然だ。やはり彼女ならではの乾いた声がかなりカントリーとマッチするし、メロディも洗練されています。
Adrianne Lenker 『Bright Future』
ついこの間Big Thiefが2枚組のアルバムをリリースしたばかりなのに、もうソロで新しいアルバム出すの?って感じだけど、その創作意欲は素晴らしい。それに加えてアルバムの内容も素晴らしいのだから文句なしである。フォークを基礎にサイケっぽい曲やカントリーの根底を思い出させてくれる純朴なカントリーがあったり、とにかく洗練されていてかつキャッチーな曲が多い。全曲全く違う味わいで、フォークのネックになりがちな「全部同じに聞こえる」が」全く無く、それぞれが独立したプロダクションでかつ統一感がある。とにかく凄い。特にBig Thief名義でもリリースした"Vampire Empire"のAddrianneヴァージョンなんて、正直バンドのモノよりずっと良い。ここで一つ心配が。ここまでソロで凄いと、Big Thiefに戻った時にどうするんだろうという一抹の不安が。
Empress Of 『For Your Consideration』
前作まで所属していたレーベルを離れて、新しいレーベルで新規一点といったところで、それが一番顕著に表れているのが製作に参加する面々である。Empress Ofは自分でプロデュースもできるのだが、本作では外部プロデューサーが多く参加していて、少しらしくない無いというか、自分自身でポップスターを演じているところがあるのが本作の特徴だ。これは同じくレーベルを移動して多くのプロデューサーと組んだFKA twigsを思い出した。正直こういう自分でプロデュースもできるアーティストが売れっ子プロデューサーと組むことに拒否反応があるのも分かるのですが、アルバム自体は凄く洗練されたポップスやハウスが多いのは着目するべきかと思います。個人的にはRina Sawayamaと組んだ"Kiss Me"が好きですね。ホンジュラス系アメリカ人としてのアイデンティティとして、スペイン語で歌っているのも気になります。ただやはり自分でプロデュースもできるアーティストなので、その個性は無くさず次作では遺憾なく発揮して欲しいですね(たぶんそのためにレーベル移動して、最初はそのレーベルに従うしかないですし)。
Shakira 『Las Mujeres Ya No Lloran』
ほぼ全編に渡ってスペイン語のアルバムです。もともとアメリカのことは考えなくてもグローバルでは大スターですからね、ようやくアメリカがそこに追いついてきたところでの久しぶりのオリジナルアルバムです。アルバムの後半は正直ここ数年の単独ヒットしたシングルの寄せ集めで、そこは好きじゃないのですが、アルバムの前半はしっかりオリジナルです。それが上質なポップスでそこにディスコだったりハウスだったりトラディショナルだったり、ちょうどKali Uchisがバリエーション豊かなアルバムを出して高評価を得ていたのですが、その元祖みたいな立ち位置がShakiraなので、そりゃShakiraの本作もバランスに欠けますが、念のための評価が高いのは納得せざるを得ません。ただCardi Bと組んだ"Punteria"はほぼDoja CatとSZAの"Kiss Me More"の焼き直しみたい出来なのは笑いましたね。
Olivia Chaney 『Circus of Desire』
前作から6年ものブランクを経てリリースされたオリジナルアルバムです。製作に5年の歳月がかかったそうで、その影響なのかレーベルからではなくセルフリリースというかたちで発表されています。もともとイタリア出身でイギリスのシーンに身を置いているので、セールスで成功したいみたいな欲は薄そうで、本作も使われている楽器は少なめで伝統的なフォークのアルバムです。じっくり聞きこみたいと思わせてくれて、何より彼女の声が凄く良いですね。そりゃ同じくフォークでもFeistみたいにしっかり工夫してくれるアルバムの方が好きですが、こういう伝統的なフォークが2024年にあっても良いじゃないですか。
Tyla 『TYLA』
南アフリカ出身でアマピアノというハウスのサブジャンルを基盤しているTylaのデビューアルバムです。おそらく去年の"Water"がかなりヒットして、デビューアルバムもそのヒットに答えられるような出来なのが凄いです。アマピアノが基礎にありつつ、そこから曲ごとにポップスだったりR&Bだったりに寄ったりして、多くの人が聞きやすいアルバムになっています。個人的には"Truth or Dare"や同じくアフリカ大陸出身のTemsが参加した"No. 1"などが好きですね。
Rico Nasty x Boys Noise 『HARDCORE DR3AMZ』
ラッパーであるRico NastyとEDM系のプロデューサーのBoys NoiseのコラボEPです。"Arintintin"のキャッチーさは見事です。Rico Nastyはラッパーですが、こうやって色んな人とコラボできる勘の良さは凄いと思います。
Sheryl Crow 『Evolution』
前作がカバーアルバムだったので、全曲自作曲のアルバムはおよそ7年ぶりですが、彼女の良さであるカントリーやアメリカーナをロック色強くアレンジしたアルバムになっています。良くも悪くも無難なアルバムですが、2024年は女性アーティストによるカントリーという流れがあって、彼女もその流れの中に入れて良いと思いますし、それに呼応してこのタイミングでアルバムをリリースしたのも示唆的だと思います。
Saya Gray 『QWERTY Ⅱ』
ジャズにルーツがある彼女ですが、サウンドはけっこうロックなところがあります。これからどう変化していくのか楽しみですね。
Beyonce 『Cowboy Carter』
Beyonceによるアメリカ黒人音楽文化のルネッサンス企画の第2章はカントリーです。ただ一聴すればすぐに分かりますが、あくまでBeyonceによるカントリーアルバムです(そこが素晴らしい)。使われている楽器やサウンドというより、概念としてのカントリーと言ったところでしょうか。アルバム冒頭を飾る"AMERICAN REQUIEM"は壮大なゴスペルのように始まり、このアルバムのテーマを集約していると言っていいでしょう。ラストを飾る"AMEN"も"AMERICAN REQUIEM"の繰り返しになっているのもアルバムとしての統一感が出ていますね。続く"BLACKBIRD"はアメリカのカントリーで黒人女性シンガーソングライターたちであるBrittney Spencer、Reyna Roberts、Tanner Adell、Tiera Kennedyが参加し、The Beatlesのカバーを披露しています。意外なカバーですが、ここだけ見ても本作はカントリーというジャンルに捉われない作品であることが分かります。先行で発表された"16 CARRIAGES"はカントリーのバラードで、これがダンスチューンである"TEXAS HOLD 'EM"と同じタイミングで発表されたことで、このアルバムがダンスだけじゃなく"Daddy Lessons"みたいなミドルテンポのカントリーもあるよという宣言みたいな曲になっていたんだなと、アルバムを通して聴くと分かりますね。実の娘さんが参加している"PROTECTOR"は本当にゆっくりと聞かせるバラードで、Beyonceの歌の上手さを再確認させられますね。実は今年は白人男性カントリーシンガーによるブロカントリーみたいな偽カントリーが流行に流行りまくっていて食傷気味だったところに、逆にBeyonceがカントリーというジャンルが本来持っている普遍的な良さを際立たせてくれたのは特筆するべきだと思います。短いインタールードみたいな曲が2曲続き(あのWillie Nelsonが参加している!)、本作の最大の売れ線の作りである"TEXAS HOLD 'EM"へ続く。"BODYGUARD"はカントリー飛び越えて、ロック色が強くてルネッサンス第3章は"ロック"という噂に確信を持たせてくれる曲だ。次にDolly Partonによるインタールードを挟み、Beyonce版"JOLENE"に入る。ただのカバーではなく、あくまでBeyonce流に歌詞が変更されているのも面白い。カントリー版"Sorry"と言ってもいいかもしれない。"SPAGHETTII"は今現在ビルボードチャートを席巻しているShaboozeyが参加している。完全にオルタナなカントリーで正直ラップかと思ったくらいである。この曲聴いているだけでも、音楽のジャンル分けがこの時代にどのくらい意味があることなのかを再考せざるを得ない。ここだけ見ても本作はやはりただの"カントリー”のアルバムではない、それ以上に意味がある作品になっている。"ALLIGATOR TEARS"も純粋なカントリーのバラードだが、ワニが歌詞に出てくるあたりしっかり南部の文化を感じさせてくれる。"Ⅱ MOST WANTED"はなんとあのMiley Cyrusが参加している。去年は大ヒットした"Flowers"のヒットが記憶に新しいが、それと同時に同じ時代を支えてきた二人が、こうやって優しいカントリーのバラードで共演するなんて想像できた人がいただろうか。聞いているだけで涙がホロリと流れてくる曲で、間違いなく本作のハイライトだ。先ほど挙げたブロカントリーの新しい顔みたいな感じになっているPost Maloneが参加している"LEVII'S JEANS"はまあまあだ。それでも"These Boots Are Made for Walkin'"や"Good Vibrations"が部分的に使われている"YA YA"は間違いなく"TEXAS HOLD 'EM"に続くダンスチューンだ。ダンスチューンだが生演奏で表現されているのが良いですね。"RIVERDANCE"も生演奏を基礎にしたカントリーのダンスチューンで、かつ前作である『RENAISSANCE』のハウスの要素もあるのが素晴らしい。大御所Dolly Partonが参加した"TYRANT"は驚くべきトラップの要素がある曲だ。全体的にとても良いアルバムで、かつ批評的にも社会的にも重要なアルバムである。本作で是非念願のグラミーの最優秀アルバム賞を狙って欲しいなと思う。
Tori Kelly 『TORI.』
Toriの声質的にはソウルとかが似合いそうですが、本作ではToriが子どもの時に聞いていたであろうY2K的なR&BとHip Hopの音が融合したサウンドだ。本人が具体的なアーティスト名として、Destiny's Child、Aaliyah、Missy Elliott、Timberland、TLCなどを影響元にあげている。それに倣っているのか本作ではToriは曲作りには(具体的に言うとプロデューサーはしてる)参加していない。用意された曲を自分好みにアレンジして収録しているという感じで、今までのToriのアルバムが好きな人はあまり好みじゃないと思う。ただ"thing u do" "missin u"などのポップスは良い感じだし、"holy water"は既存のToriの曲が好きな人は気に入るはず。
J. Cole 『Midnight Delete Later』
Kendrick Lamarに"Like That"でディスられその返答としてリリースされたアルバム。"7 Minute Drill"が微妙過ぎてサブスクから取り上げるなど、本人も半分認めてしまっているくらい、微妙な作品だ。ある意味でKendrick vs Drakeの時に、先に戦線離脱を計ったJ. Coleは正しかったかもね、これじゃKendrickに勝てないよ。
Conan Gray 『Found Heaven』
3作目にして大胆にポップスターのようなアルバムを出してきましたね。80年代的な大げさなシンセサウンドやニューウェーブが特徴のアルバムですが、実はこれだけ80年代の色んな所で勃興したポップスをかいつまんで一つのアルバムにまとめているので、まさに現代だからこそできたアルバムでもあります。プロデューサーにもMax MartinやGreg KurstinやIlyaなど超売れ線プロデューサーたちを集めているのも見逃せません。ただDan Negroと組んだシンガーソングライター的な部分を大事にした1stと2ndアルバムが好きなファンからすると、だいぶ悲しいのも事実だ。"Found Heaven"でいきなりアンセミックに始まり、本作の方向性を決定づけている。"Never Ending Song"はいかにも80年代風なシンセサウンドでConanが普段の歌声より低い声で歌っているのが特徴的。"Lonely Dancer"はタイトル通りで、誇張されたシンセをバックに踊っているConanの姿が浮かび上がる。"Alley Rose"は80年代のハードロックのようなバラードで、Conanの歌声が太くなっているのが分かるというか、本作で一番驚くのってサウンドの変化っていうより、Conanの歌声の変わりようかもしれない。"Bourgeoisieses"は一聴しただけで、「あっ、あれだ」ってなる感慨深さがある。それだけじゃなく、続く"Foever with Me" "Eye of The Night" "Boys & Girls"も「あっ、あれみたいだ」というノスタルジックな感じになり(ここであげるアーティスト名は聴く人それぞれだと思う)、Conanの"エモい"感じがすごく80年代のシンセサウンドにマッチすることに改めて気づかされる。"Winner"なんてほとんどQueenだが、ここでConanとFreddieの共通点にも気づく。こういうサウンドを大胆に変化したアルバムは受け入れられないかもしれないが、アルバム単体で聞けばすごく楽しいアルバムだと思う。
Alice Russell 『I Am』
イギリスのソウルシンガーであるAlice Russellが10年ぶりにリリースしたオリジナルアルバムです。サウンドは王道のソウルで時に押し寄せるゴスペルのようなバックコーラスが頼もしい。歌詞も内省的なモノが多く、そこにAliceの力強いボーカルが乗っかるので聞きこんでしまいます。どんなジャンルでもヒットしやすいイギリスですし、"Gravity"はヒットして欲しいと願ってしまいます。
GloRilla 『Ehhthang Ehhthang』
アルバムをハイペースで出す、もしくは全く出さないで2極化しているアメリカの女性ラッパーたちですが、このGroRillaはけっこうハイペースでリリースします。"Yeah Glo!"に見られるようなサウンドとラップスタイルが続くアルバムですが、それでも最後までノリノリで聞けて最高です。個人的にはMegan Thee Stallionが参加した"Wanna Be"は好きですね。
Elyanna 『Woledto』
Elyannaはパレスチナ系チリ人で今はアメリカを拠点に活動しています。本作収録されている"Ganeni"に見られるような自身のルーツであるアラブとラテン音楽を融合して、それを耳馴染み良いポップスにするのが特徴的です。本作で初めてElyannaのことを知りましたが、やはり彼女のような多様なルーツを持つミュージシャンを見るとShakiraの影響力って凄まじいのだなと改めて思いました。"Callin' U"などのミドルテンポの曲やクラブでかかっていそうな曲もなんなくこなしてしまうあたりさすがだと思います。
Maggie Rogers 『Don't Forget Me』
3枚目のアルバムにして『Heard It in a Past Life』にあったエレクトロ要素は後退し、インディロックやカントリーの要素感じるソフトロックな作品に仕上がりました。プロデューサーもMaggie本人とIan Fitchukのみです。 "It Was Coming All Along"はアルバム冒頭を飾るにふさわしい爽快感ある曲で、続く"Drunk"も良い。"So Sick of Draming"や"The Kill"はシングルカットに相応しい出来です。この生楽器のエネルギーが溢れるアルバムこそMaggieがやりたかったサウンドなんだなというのが伝わってくるくらい解放感にあふれている良いアルバムだと思います。
girl in red 『I'M DOING IT AGAIN BABY』
ノルウェー出身のgirl in red(marie)は二枚目のジンクスに堂々とした態度で答えた。前作よりさらにポップになるという態度で。"I'm Back"は今までの彼女のファンも納得の出来ばえで「帰ってきたと」堂々と宣言する。"DOING IT AGAIN BABY"は本人が「最も楽しいトラック」と呼んでいるようにポップで踊れるカントリーである。"Too Much"は本作からのリードシングルで明るい曲調とは裏腹に歌詞は自分のやりすぎな性格を嘆いているようにも。MVも素敵ですね。続く"Phantom Pain"もポップな感じで、"You Need Me Now?"は今年ヒットを飛ばしまくってるSabrina Carpentersが参加しています。驚く人選ですが、Taylor Swift繋がりだと考えれば納得の人選です。これだけでも彼女はメジャーで大成功しようとしているなと思いますが、それを後押しするように曲自体もポップです。"A Night to Remember"も同様です。アルバムを一聴すれば分かりますが、本作では大胆にポップに寄っています。聞く分には楽しいですが、彼女の昔からのファンや"we fell in love in october"みたいな曲が好きな人からしたら、こういう路線が好きじゃないかもしれない。
Nia Archives 『Silence Is Loud』
イギリスのDJ兼ミュージシャンでドラムンベースをベースにしている方です。本作でデビューアルバムということですが、これまでもEPなどはリリースしています。歴代のEPと比べて、明らかに本作の方がポップで聞きやすいの特徴ですが、ドラムンベースに全く詳しくない私からすれば、これくらい聞きやすいアルバムは好みですね。"Cards On The Table"なんてドラムンベースというよりロックで、幅広いリスナーにアプローチしています。"Silence Is Loud"や"Unfinished Business"や"Crowded Roomz"などはもう完全にドラムンベースが基礎にありますが、メロディもしっかりしていて、そこに彼女特有の甘い歌声が乗ってくる個性も素晴らしい、ちょっと本当に涙を誘う世界観がある。打ち込みの音を使っているのに、何だが生の楽器を使っているエネルギーがあって、これはCharli xcxもそうだが、音の選び方と音響のセンスが優れているんだろうな。
Jade Bird 『Burn The Hard Drive』
アルバムではなくEPです。”Burn The Hard Drive”でのMura Masaとの共演には驚きますが、本作では全体的に新しいことをやっている雰囲気。ちょっと生演奏のエネルギーは後退してしまいましたが(数曲は以前の彼女らしい曲もあります)、今後どうなるのだろうかという期待も感じさせるEPです。
Alice Merton 『Heron』
こちらもアルバムではなくEPです。girl in redがロック的なサウンドをもっとポップにしたアルバムを今年リリースしましたが、それをもっと前からやっていたのがAlice Mertonです。その結晶みたいな曲が"run away girl"です。
Baby Rose, BADBADNOTGOOD 『Slow Burn』
Baby RoseとBADBADNOTGOODが組んだEPです。Baby RoseはネオソウルでBADBADNOTGOODはジャズのインストゥルメンタルのバンドで、相性は言うまでもなく抜群です。ジャズがベースにあるのは明らかですが、一曲ごとは完全にソウルです。特に"Caroline"は美しいし、改めてBaby Roseの歌声の色っぽさに魅了されます。
Pearl Jam 『Dark Matter』
90年代初めのグランジの流れの中で今でも新作を発表し続ているバンドがPearl Jamです。Andrew Wattという若干33歳のプロデューサーと組んでいますが、去年のThe Rolling Stonesの新作をプロデュースしたと知って、本作の出来に納得しました。ギターの音が強く、それでかつメロディがしっかりしていて。バンドの良さというのを遺憾なく発揮していて、逆にチャートの中で目立つというのも良いと思います。
Pillow Queens 『Name Your Sorrow』
アイルランドのダブリン出身のバンドです。バンド自身の方向性として具体的なジャンルは指向しないようにしているそうですが、バンド形態で4人で奏でるサウンドであるということは1stアルバムから変化ありません。また同じくアイルランド出身のバンドであるThe Cranberriesを想起させるのは言うまでもありませんね。リードシングルであった"Gone"に代表されるようなヘビーなギターサウンドが展開される曲が多く、歌詞は内省的ですが力強いです。
Taylor Swift 『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』
今年のグラミー賞授賞式の受賞スピーチの中で突然発表されたのが本作ですが、もはやグラミー賞ですら彼女の宣伝の舞台なのです。凄い自信です(本作がアナウンスされたときのMiley Cyrusの呆れた顔が忘れられませんが)。デラックス版を数時間でリリースし多種形態による驚異的なセールスやチャート換算の変化による記録の更新もアルバムの内容が良ければ何も文句ないのですが、いかせんアルバムの内容が良くない。Taylorとしては『Lover』や『Midnights』の路線で自分のサウンドを確立していきたいのでしょうが、それにしてもそれらとの差がない上に地味だし(アルバムのジャケットの色がそうであるように)。しかもデラックス版は『Fearless』や『Speak Now』を彷彿とさせる曲もちらほらあるので、曲数が多すぎて印象に残らないし、とにかく勿体ないなと。それでも一定の水準はクリアしていると思うので、もうちょっと間隔を開けたほうが。
Anitta 『Funk Generation』
前作の『Versions of Me』が幅広いリスナーを意識したせいで単発のシングルは良いのだが、アルバムそのものは大変微妙で味気ないポップアルバムになっていたのから、本作で良い方面に化けたというか、Brazilian Funkと呼ばれるジャンルのサウンドを軸に激しく踊れるサウンドでAnittaの魅力がとても生かされている。元々ブラジルのスターですから、変にアメリカのシーンを意識しなくても良いと自信をこのアルバムをきっかけに持って欲しいですね。
Pet Shop Boys 『Nonetheless』
80年代デビュー組ですが、実は精力的に活動しているグループです。"Loneliness"に代表されるように、今までの彼ららしいクラブ向けのサウンドよりポップにアレンジしアンセムのように歌い上げる曲が多いのが本作の特徴です。曲によっては懐かしいとノスタルジックな気分になる曲もありますし、ベテランになろうが守りに入ることなく、リスナーの心と身体を躍らせたいというポジティブなアルバムを作ったのは評価したいですね。
Jess Glynne 『JESS』
2018年に『Always in Between』をリリースして以来、所属していたレコード会社との方向性の違いから曲をリリースできなかったJessですが、2023年に新しくEMIと契約し、6年ぶりにようやく3rdアルバムをリリースできたそう。"Silly Me"は硬派な感じでそれこそアルバムジャケットのような曲だ。ただ"Easy"はJessのソウルフルな歌声にハウスのような曲で私たちが「これぞJessだ」と安心する曲だ。"Friend of Mine"は流行中のドラムンベースを意識した曲で、後半に向けてバラードやソウルフルな曲が続く。以前はバイセクシャルやレズビアンというレッテルを張られることに疑問を呈していたJessですが、現在は元プロ女子サッカー選手のアレックス・スコットと交際しているそうで、それが本作に与えたポジティブな影響も見逃せませんね。
St. Vincent 『All Born Screaming』
2010年の『St.Vincent』では“近未来の新興宗教の教祖”、2017年の『MASSEDUCTION』では“精神病院に収容されたSM女王”、2021年の『Daddy’s Home』の“ジョン・カサヴェテス映画の中のジーナ・ローランズ”と、ここ数年はアルバムごとにペルソナ(というかオルターエゴというか)を演じてきたSt. Vincentですが、本作では初のセルフプロデュースということもあってか、ペルソナではなく生身の姿、生まれたままの姿での叫びのような曲で構成されている。"Hell Is Near"や"Reckless"は静かな曲だが後半にかけて盛り上がる構成だ。"Broken Man"ではまるでストリートで喧嘩を一方的に売りまくる男性のような雰囲気を醸し出していて、ノイジーなギターが聞いていて最高に高揚する。そのままデイヴ・クロークがドラムで参加した"Flea"はSt. Vincentが影響を受けたであろう90年代のオルタナティブロックやグランジを感じさせる。管楽器の音がレトロな雰囲気を演出する"Violet Times"やポップで楽しい"Sweetest Fruit"やレゲエやスカっぽい"So Many Planets"などバリエーション豊かな曲が続く。本作はペルソナではなく、各ペルソナを演じていたアルバムの集合体が本作に集まっているバリエーション豊富なセルフプロデュースのアルバムという側面が大きいだろう。そして最後にCate Le Bonが参加した"All Born Screaming"で盛り上がらない人なんているだろうか?かつてないほどバリエーション豊かで、自由な叫び声をあげたアルバムがここに誕生した。
Andra Dy 『CASSANDRA (cherith)』
デビューアルバムを2015年にリリースしてから本作の間はなんと9年。まあAndraの音楽を聴いている層はポップ業界のような早いペースとは相容れないい層だと思うので大丈夫だと思うが、それでも9年はとても長い。じゃあ肝心の音楽はどうだと言うと、まあ無難だ。彼女のルーツであるジャズをベースにしていて、しっかり聴きやすい曲が多いです。ただ"Rise Up"のような大衆受けするような曲がないので、9年ぶりにリリースするアルバムとしては少しインパクトに欠けているのが勿体ないかな。しかし彼女のような歌声がソウルフルなアーティストがもっとポップな受け方をする世界が来ないかなとも思いますね、じゃないと硬派な音楽ファン(グラミー会員みたいな)だけに受けてもね~。
Yaya Bey 『Ten Fold』
前作『Remember Your North Star』が大絶賛だったYayaですか、本作でもその才能が遺憾なく発揮されています。ただのR&Bというよりクラブでも流れていそうなモダンでテンポの早い曲なのが本作の特徴だ。でも生演奏の良さはしっかり伝わってくるのも良いですね。ただ曲数が多いので、もうちょっと絞った曲数で勝負してくれるといいなと。
Kings of Leon 『Can We Please Have Fun』
基本的には4人で奏でる音でアルバムは構成されていますが、しっかりキャッチーなバンドサウンドなので聞きやすいですし、何よりカッコイイ。逆にこのギミックの少なさが最近のシーンの中では浮いてしまいそうですが、そのせいかチャート成績が振るわなかったのが勿体ないですね(それは完全にチャートの集計方法が悪いですが)。
WILLOW 『empathogen』
アルバムごとに大きくサウンドの変革を行ってきたWILLOWですが、本作では新しいレコード会社に移籍したのも相まって、より一層サウンドが変化したように思えます。もちろん根底にあるのはロックですが、冒頭からJon Batisteが参加しているようにかなりジャズからの影響が強い。それに加えてエモっぽい感じで歌い上げるので、けっこう新しい音楽を聴いているような新鮮な気分になります。これだけ挑戦を辞めないWILLOWですから(それゆえ本作はセールスがよろしくない)、いつかとんでもないアーティストになる予感がします。
Sia 『Reasonable Woman』
クリスマスアルバムや映画のサウンドトラックを除けばオリジナルアルバムは『This Is Acting』(2016年)以来8年ぶりだ。もちろんSiaのように中堅のアーティストなら8年ほど間が空くのも普通だが、Siaの知名度や売れている様子を鑑みると、8年と言うのは間が空きすぎていたとも思える。ただ辛抱強く待ち受けていた人(特に『1000 Forms Of Fear』や『This Is Acting』が好きな人)には納得のポップソングの数々です。客演も豪華でSiaと同じく歌い上げる系のポップディーバの元祖であるChaka Khan、そして同郷で過去一緒にアルバムを作ったKylie Minogueの参加が嬉しいですね。こういう一定の水準をクリアするポップソングの数々を作らせたらSia×Greg Kurstinのコンビの右に出る人はいません。個人的に"I Forgive You"がSiaにしか歌いこなせないパワーバラードでとても良いと思います。
Ibibio Sound Machine 『Pull The Rope』
AfrobeatとかElectroをバンドで表現するのが彼らです。基本的には前作の延長線上にあるサウンドですが、唯一無二の魅力があるのが良いですね。個人的にはもうちょっと派手でさも欲しかったかな。
Jessica Pratt 『Here In The Pitch』
今年の個人的なダークホースだったのが彼女です。もちろんJessicaのことは知っていたのですが、Folkスタイルを基調とするゆえ、「良いんだけど、どこか地味」というのが弱みでした(英語が第1言語じゃない私にとってキャッチーなメロディがあるというのは大事なポイントなんです)。ただPitchfolkがBest New Musicに選んだ"Life Is"に顕著なように、いつものFolk調のギターを基調に控えめであるがベースとドラムとシンセが追加されより豪勢なサウンドになっている。"Life Is"では「time is time and time is time again」と呪文のように繰り返し、現実がただ過ぎることに残酷さを見出していますが、それならの壁を越えていこうと希望も歌っています。”Better Hate”は憧れについて歌っていて、コーラスの部分で入るサックスの音が特徴的です。この曲にも顕著なように「ラララララ」と歌詞にならないハミングのような声もアルバム通しての特徴だ。"World on a String"では我慢することで時代の太陽に、自由な感覚の痕跡になりたいという彼女の欲望が歌われる。彼女のアーティストとしての姿勢なのかもしれない。"Get Your Head Out"ではボサノバ調でどんな苦しい状態でも頭を上げて前に進もうという勇気が歌われていて、ここでも彼女は本作のテーマである「時間」について言及しています。そしてその時間は奪われているのが特徴です。”By Hook or By Crook”ではそのまま「時間」について歌われていますが、実はこれは自分が今いる場所を俯瞰して見ているような状態についても歌っていて、「私たちの犯罪は西の単なるリズムだ」と言っていて暗にアメリカで暮らしている自分たちのことを示しているのかもしれません。そしてそれを少し不吉に描写しているのが何とも世評を反映しているかのよう。随所になっている「カチッ」という音が時計の針の音を表現していて巧みな曲です。”Nowhere It Was”では引き続き不吉な時計の針の音がする怖い雰囲気のある曲ですが、どこかロサンゼルスの夕暮れ時を想像してしまう不思議な魅力にあふれている。"Empire Never Knows"は直球にアメリカについて歌っていると思われる。帝国は永遠に知ることは無いけど、落ちることは無いと希望も歌われています。"The Last Year"ではコーラスが温かい曲で最後をしめるにはピッタリの曲です。暗くもあるが温かくもある。アメリカのFolkの良さを再び私に教えてくれたJessica Prattに感謝です。そしておそらく私の年間ベストに必ず入ります。
Rachel Chinouriri 『what a devastating turn of events』
リリースされた当初から私のお気に入りのアーティストがインスタで絶賛していたので聞いてみたところ納得。とても良いですね。UK出身でギターを片手に等身大の気持ちを歌うっていうのけっこう物珍しいですよね。個人的にArlo Parks同様にノビノビと自由にこれからもやって欲しいです。
Dua Lipa 『Radical Optimism』
押しも押されぬスターになったDua Lipaです。前作『Future Nostalgia』の成功を引きづりつつ、異なるアプローチでダンスミュージック中心のアルバムを作ってくれました。前作より感じるのは生のバンドのエネルギーです。Tame ImpalaのKevin Parkerが曲作りの中心を担っているだけありますね。"End of An Era"は新しい時代の幕開けを感じさせる曲で、そのまま"Houdini"へ流れます。"Houdini"は本作から先行で発表された曲で、明確に前回のディスコサウンドとは異なる新しい挑戦をしていると高らかに宣言している曲です。"Training Season"と"These Walls"と"Illusion"はシングルカットされただけあって、ノリノリで聞けます。"Falling Forever"と"Maria"と"Happy For You"もミドルテンポのダンスミュージックでまさにバンドの生のエネルギーで満ちている曲です。全曲合わせて11曲しかないのも、一曲ごとが本気でありことの証拠です。確かに前作より売れ線ではないかもしれませんが、それを作る必要のない自由なプロダクションを彼女はもう手に入れたということです。
Iron & Wine 『Light Verse』
実はFiona Appleを客演に呼んだ"All In Good Time"を聞くまでは彼のアルバムは聴いたことが無かったのですが、本作で初めてフルで彼のアルバムを聞いてみると、これがとても心地よくて、フォークとインディロックに軸を置いているからThe Nationalが好きな私が好きにならない理由がないですね。そう言えばPhobe BridgersがboygeniusのメンバーであるJulienとLucyに聞かせたというのがIron & Wineの曲だったというエピソードもあって、そこから既に私がハマるきっかけがあったんですよね。
Liv.e 『PAST FUTUR.e』
エレクトロよりのR&Bを作るLiv.eですが(未だにアーティスト名の発音の仕方を知らない)、ボーカルアルバムというよりインストアルバムと言う感じです、低音の感じ素晴らしいですが、どことなくゲームみたいなウキウキ感があります。
Emmy Meli 『Hello Stranger』
たまたま聞いた"I Am Woman"を聞いてレトロなサウンドに力強い声で歌う面白いアーティストだねと思ったのですが、この度初めてのアルバムです。"Breakthrough"に顕著なようにレトロですが明らかにトラップのリズムがあります。退屈ではないですが、多少陳腐な感じもして、さらにMeghan Trainorとも比べられそうなので、もうちょっと成長を見守っていきたいです。
The Chainsmokers 『No Hard Feelings』
EDMが下火になっても色んなジャンルとのコラボすることをやめなかった彼らですが、今でもしっかり再生数が高いので普遍的な人気を獲得したと言っても良いでしょう。聞いていてただ"楽しめる"音楽も必要でしょう。
Vampire Weekend 『Only God Was Above Us』
Vampire Weekendらしいエネルギーときれいなオーケストラが組み合わさって素晴らしいアルバムになっている。宇宙にいるような夢ごこちにさせてくれる。メディアでも高評価なのに、セールスが全く芳しくないのどうにかならないのでしょうか。King Of Leon同様にバンドがこんなに素晴らしいのに、それを売り出すことができないもどかしさ。
『Everyone's Getting Involved: A Tribute to Talking Heads' Stop Making Sense』
去年4Kリマスターされ公開された『ストップ・メイキング・センス』のトリビュートアルバム。所属レーベルやジャンルを超えて多様なアーティストが参加している。"Psycho Killer"をMiley Cyrusが歌っていて、かなりポップスよりなサウンドになっている。"Heaven"はThe Nationalが参加していて、本作の中で数曲ある原曲のエネルギーを体現している内の一曲と言ってもいい。"Thank You for Searching Me an Angel'はBlondshellが。原曲とはけっこう違うアレンジですが、面白いのがしっかりBlondshellの曲のように聞こえる点です。ほとんどグランジのエネルギーです。The Linda Lindasの"Found A Job"はしっかりポップで若いエネルギッシュなバンドサウンドになっている。原曲の気怠い感じもしっかり再現されている。Paramoreの"Burn Down the House"は最高の一言で、この曲をトリビュートアルバムの先行シングルにしたのは大正解です。しっかりDavid Bryneのコーラスも入っていて、そのお返しに実はDavid BryneがParamoreの"Hard Times"をカバーしたので、そちらも必聴だ。Teezo Touchdownの歌う"Making Flippy Floppy"も原曲のエネルギーをしっかり体現している。"This Must Be the Place"はBADBADNOTGOODとNorah Jonesが歌っていて、こちらもしっとりしていて凄く良い。"Genius Of Love"も良いし、この曲が持っている先進性みたいなものを再確認させられる。girl in redが歌う"Girlfriend Is Better"もレズビアンを公言している彼女が歌うことで歌が持っている意味合いも変化していて面白いし、けっこうポップな出来栄えなのも面白い。Lordeの"Take Me to the River"も先行で発表された曲です、彼女にしか出せない世界観をしっかり表現できていると思います。以上の中で言及しなかった曲も良いのもあるのですが、ちょっとあまりに原曲とかけ離れすぎてあまり好きになれず。でも本当に色んなアーティストが垣根を越えて参加していて、改めてTalikng Headsというバンドの素晴らしさを知ることができたので、トリビュートアルバムとしては大成功でしょう。
Billie Eilish 『HIT ME HARD AND SOFT』
アルバムをリリースしてない去年ですら『バービー』の挿入歌である"What Was I Made For ?"のヒットで存在感を放っていたBillieですが、本作に関しては先行のシングル発表も無し。逆に言えばそれだけアルバムに自信があるということであり、彼女は3rdアルバムにしてその境地にたっしたということ。そしてその自信はしっかりアルバムに込められている。たった10曲だけという曲構成で短いながらとても濃い素晴らしいアルバムだ。"SKINNY"は静かな始まりで途中から挿入されるストリングが綺麗で重厚的だ。"LUNCH"はヒット曲になりそうな要素を持った曲で、それでもしっかりBillieにしか出せない低音な感じが素晴らしい。「あの娘をランチで食べちゃおう」という歌詞もBillieのバイセクシャルネスを感じるものになっている(ただ最近「もう誰とデートしているか公にすることは無い」と発言しています)。『千と千尋の神隠し』すら着想を得た"CHIHIRO"はBillieの新境地というか、途中でDaft Punkのようなエレクトロ要素が入るのが面白い。ただのロックやポップではなく、完全にオルタナティブの領域にいることが分かる。目下大ヒット中の"BIRDS OF A FEATHER"は幸福感溢れる曲。ニューウェイヴでちょっとトロピカルな感じもあって、何より後半で聞かせるシャウトにBillieの声の太さに驚きます、こちらも実はBillieの新境地です。"THE GREATEST"は本作から一番最初にできた曲らしく、自分自身を鼓舞する曲です。曲の最後に転調して終わるので、前作収録の"Happier Than Ever"の続きのように聞こえます。"L'AMOUR DE MA VIE"もミドルテンポで始まりつつ、最後はシンセとオートチューンを多用したクラブチューンに変貌して面白い。続く"BITTERSUITE"もシンセばりばりな感じで、次回作で思いっきりこっちの作風に寄るかもなんて聴き手に思わせてくれたり。ラストの"BLUE"も前半と後半で曲調が異なる。特に後半のストリングが、しっかり"SKINNY"に続く。しっかりアルバム全体の流れを考えていて、これって完全にもうやってることオルタナティブなんですよね。そんな曲をアルバムに何曲も入れているんですよ。Billieの今後の進化が楽しみで仕方ないです。確かにアルバム全体のバランスは悪い感じもしますが、私は本当に素晴らしいアルバムだと思います。何より進化していこうという姿勢が素晴らしい。日本でも週間オリコンチャートで15位だったそうで、洋楽として大健闘です。
Zayn 『Room Under The Stars』
Zaynの新しいアルバムです。今までのR&Bやエレクトロから遠く離れ、最近の音楽シーンを席巻している男性アーティストによる牧歌的なロックやフォークサウンドです。別に悪くは無いのですが、どうしても一番最初に来る感想が「このサウンドが嫌だからOne Direction離れたんじゃないの?」になってしまうのが残念。
Beth Gibbons 『Lives Outgrown』
PortisheadのメンバーであるBeth Gibbonsの新しいソロアルバムです。同じ日にBillie Eilishが凄いアルバムを出してきたんですけど、その同じようなクオリティをベテランのBethが出してきました。今年は元Sonic YouthのKim Gordonも最高なアルバムを出してきたので、ベテランから若手まで今年は女性アーティストの年ですね。アルバムはダークなんだけど、しっかりロックでオーケストラな感じで。Billieがっていうよりどっちかというと、このアルバムを聞いてLana Del ReyやMitskiがどう感じるのか知りたい。
Rapsody 『Please Don't Cry』
前作の『Eve』から5年の時を経てリリースされたアルバム。久しぶりのアルバムだからなのか、22曲の大ボリューム。正直長すぎて、1曲の印象が薄くなってしまって。ただ彼女特有のメロディアスラップと言いますか、オールドスクールなラップの素晴らしさは健在ですね。せめて、もう少しアメリカのラップシーンでRapsodyのような女性ラッパーが活躍できる土壌があればいいのですがね。
girli 『Matriarchy』
UK出身のポップシンガーの新作です。シンセサウンドですが、ロックな感じもあり、聞いていて楽しい。クィアを自認しシンセやポップよりなサウンドを奏でるミュージシャンは飽和状態になりつつありますが、girliはそれを割と早い時期からやっていたのでもうちょっと評価されても良いように感じます。
Galantis 『Rx』
EDMが下火になった今、あえて新しいアルバムをリリースする勇気は素晴らしい。ただ収録曲がここ数年のシングルの寄せ集めな感じがして、ベストアルバムっていう感じはする。でもDavid Guettaと組んでストリングを多用するEDMのスタイルは唯一無二の感じがあります。
Ani DiFranco 『Unprecedented Sh!t』
90年から活動を続けているFolkとIndie Rockの重鎮であるAni DiFrancoの新作です。90年代からバイセクシャルをカミングアウトしていますが、昨今勢いを増しているのクィア×インディシーンの先駆けのような存在なので、ここで改めてAniに注目が集まっても良いと思います。いつものようにFolkを基調としていますが、時々ハードなリズムが繰り出される曲もあります。歌だけにとどまらず、活動家としての側面もあるので、精力的に活動するAniにはリスペクトとまりません。
Alana Yorke 『Destroyer』
なんと前作から9年も間が空いたAlana Yorkeの新作です。"Marion"などしっかり前作が好きになった人も好きになれる曲などが多く、何と言ってもボーカルのアルトボイスが素晴らしいですね。ただ前作から9年も空いた必要性を特に感じない作品でもあったので、次はそんなに間を空けずに新作をリリースしてくださいね。
Kiesza 『Dancing and Crying: Vol. 1』
Kieszaの新作ですがEPで、気軽に聞いてねという感じ。Kieszaらしい遊び心溢れるダンスミュージックを中心に収録されています。
Coi Leray 『Lemon Cars』
Coi Lerayの新作ですがこちらもEPです。ラッパーですが、けっこうR&B調の曲もいける人みたいで、本作の大半はメロウな曲で占められています。ラッパーとしてのCoiが好きな人は物足りないかもしれません。
Shenseea 『Never Gets Late Here』
ジャマイカ出身のレゲトン&ダンスホールのミュージシャンですが(父親が韓国人のため実はアジアのルーツもある)、主にアメリカで活動しているShenseeaの新作です。今までよりずっと力が入ったアルバムで、どれもけっこう売れ筋のレゲトンやダンスホールです。そこに彼女独特の歌いまわしと言うかラップが入るので心地よいです。”Hit & Run” "Neva Neva"はつい口ずさんでしまう要素のあるくらいキャッチーな曲ですが、"Work Me Out"みたいなクラブ受けしそうな曲もあります。
Becky Hill 『Believe me Now?』
Zara Larrsonの時にも書いたのですが、EDMのDJと多く組んだ女性アーティストがアルバムになると弱くなる現状があるのですが、例に漏れずBecky Hillもそうな気がします。シングルカットされた曲の印象は良いのですが、いかせんアルバムを通しで聞くとね…。
Arooja Aftab 『Night Reign』
パキスタン系アメリカ人のArooja Aftabの新しいアルバムです。パキスタンのフォークサウンドやジャズの要素を絡めて唯一無二のスタイルは見事です。歌詞も深い暗闇について歌っているものが多いですが、やはりAroojaの声が心にしみわたるので、不思議と希望があります。
"Thinking About You" Faye Webstar
Feye Webstarのアルバムから一曲。Feyeのシンガーソングライターとしての魅力が詰まった曲です。リズムがあるのがいいんですよ。
"All in Good Time" Iron & Wine feat. Fiona Apple
Fiona Appleが参加した曲です。2人の掛け合いが見事ですが、一発撮りのような緊張感も漂っていて素晴らしい。
"BYE BYE" Kim Gordon
Kim Gordonがヘビーなエレクトロのビートを背景にマントルを唱える異色作です。年齢関係なく進化しようという姿勢、下火なトラップに一泡吹かせてやろうという勇気、全てが最強です。
"Running" Norah Jones
Norah Jonesの新しいアルバムから一曲。ジャズというよりかはルーツっぽい感じで、「走って 走って」と何度も繰り返されるコーラスが印象的です。
"we can't be friends (wait for your love)" Ariana Grande
先行でリリースした"yes, and?"が(世間的には)不評だったのですが、いざアルバムの発売日に発表されたのがこの曲。キラキラしたシンセに悲しい歌詞。ほとんどプロモーションしてないのにセールスで大健闘したのですぐに研究される必要があります。
"Deeper Well" Kacey Musgraves
Kacey Musgravesの新しいアルバムから一曲。カントリーの要素は後退し、よりアコースティックな雰囲気が増している一曲。
"Obsessed" Olivia Rodrigo
『GUTS』のデラックス版からの一曲。引き続きロックな感じで、揶揄されがちなドラマクイーンをあえて演じるというMVも曲の世界観を忠実に再現できていると思います。
"Spinning" Julia Holter
Julia Holterの新しいアルバムから一曲。インディロック×アンビエントと言う感じで、聞いていると不思議な世界へ導かれる。
"Bored" Waxahatchee
カントリー&アメリカーナで彼女が一番良い声をしていると思います。
"Sadness As A Gift" Adrianne Lenker
静かな曲なのに凄く緻密でエネルギーに満ち溢れている曲。
"Alter Ego" Doetchii feat. JT
コーラス部分でみせる爆発力さすが。上半期ずっと聞いてた。
"Punteria" Shakira, Cardi B
曲の雰囲気もMVも質感もまるまる"Kiss Me More"だけど良い曲なので大丈夫だと思うよ。
"TEXAS HOLD 'EM" Beyonce
Beyonce流カントリーとはどういうものか、この一曲に詰まっています。
"The Kill" Maggie Rogers
こちらもMaggie流のカントリー。このサウンドが彼女がやりたかったものだったんだなと。もうちょっとセールスで健闘しても良いはずですけどね。
"Too Much" girl in red
ロックの要素がだいぶ後退しましたけどね、この曲は素敵です。MVもナイス。
"Good Luck, Babe!" Chappell Roan
聞け!踊れ!泣け!そんな自分に幸あれ!
"Loneliness" Pet Shop Boys
聞け!踊れ!泣け!孤独でも大丈夫!
"Broken Man" St. Vincent
「私は壊れた人間だ」
"Not Like Us" Kendrick Lamar
「ovo~(ovo)」
"Training Season" Dua Lipa
新しいアルバムを代表するような一曲。実は歌詞が"New Rules"のアップデート版でもある。
"Life Is" Jessica Pratt
Jessicaが次の時代を生きる我々に何が必要なのかを説く曲。Folkが本来持っている力を思い出させてくれる。
"BIRDS OF A FEATHER" Billie Eilish
幸福感に包まれて本当に鳥になって飛んで行ってしまいそうになる曲。