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Adobe Fireflyの歩き方 2024.2現在
Adobeの生成AI Adobe Fireflyを発表したのが昨年の3月(アドビ、新たなジェネレーティブAI「Adobe Firefly」を発表)、Photoshopに実装されたベータの提供開始が5月、ベータが外れ一般提供開始となるのが9月、翌月のAdobe MAXで新たなモデルの追加というさらなる進化と、かつてないアプリ&サービスの進化を目の当たりにするアドビ社員が一番驚いているというスピード感で成長しています。
これは生成AIの進化のスピードそのものがそうなのであり、Fireflyのアップデートスピードは必然ともいえます。このシリーズでは、今日現在、Adobe Fireflyはどこで使えて何ができるのかをトラッキングしていきたいと思います。
Adobe Fireflyの3つのモデル
Adobe Fireflyは生成する内容に応じて今日現在3つのモデルがあります。
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また2023年10月に開催されたAdobe MAX 2023のKeynoteの中では、今後Firefly Video Model、Firefly Audio Model、Firefly 3D Modelが登場予定である事が発表されています。
Adobe Fireflyが利用できるアドビのツール
今日現在Fireflyを利用、体験できるのは、以下のアプリ&サービスとなります。
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Adobe IDを持っていれば、どなたでもFireflyを使って生成することができます。無償のアカウントも例外ではありません。一度生成すると1生成クレジットが消費されます。いくつの生成クレジットが使えるかは、どのような契約なのかによって異なります。以下をご参照ください。
生成クレジットに関するよくある質問
それでは、各サービス&アプリでどのようなFirefly機能が利用できるか、見ていきましょう。
Adobe Photoshopで利用できるAdobe Firefly
現在Photoshopデスクトップ版v25.4では、二つの生成AI機能が利用できます。
生成塗りつぶし
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生成塗りつぶしを使用すると、次のことができます。
オブジェクトを生成
背景を生成
画像を拡張
オブジェクトを削除
その他
使い方 | 生成塗りつぶしで Photoshop の未来を体験
生成拡張
生成拡張は、切り抜きツールワークフローの一部として、生成コンテンツで画像を拡張できます。
使い方 | カンバスの枠を越えて生成拡張を実行
Photoshop iPad版、web版での利用も可能に
Photoshop iPad版 v5.3では生成塗りつぶし、v5.4では生成拡張が利用できるようになりました。また、Photoshop web版2023年9月リリースでも生成拡張&生成塗りつぶしが利用できるようになっています。
Adobe Illustratorで利用できるAdobe Firefly
現在Illustratorデスクトップ版v28.2では、二つの生成AI機能が利用できます。
生成再配色
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使い方 | シンプルなテキストプロンプトを使用してアートワークをすばやく再配色
テキストからベクター生成(Beta)
テキストからベクター生成(Beta)を使用すると、リアルで編集可能なベクターグラフィックをわずかな時間と労力で作成できます。
最初のFireflyがビットマップ画像を生成するものだったのに対し、本機能はベクターグラフィックを生成するというところが大変ユニークです。このため、Adobe Fireflyのモデルに新しくFirefly Vector Modelが追加されました。
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またこの機能は、プロンプト入力のみならず、被写体、シーン、アイコン、パターンなどの生成する種類をプルダウンメニューから選べたり、アートボード上の他のグラフィックのスタイルを反映させるスタイルピッカー、そして最新のIllustrator v28.2ではベクターグラフィックの精密度をスライドバーで指示できる機能が追加されるなど、より脳内のイメージに近い結果をクリエイターが短時間で生成できるようにするデザインが大きな特長です。
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使い方 | シンプルなテキストプロンプトを使用してすばやくベクターグラフィックを生成
どなたでもブラウザで利用できるAdobe Firefly web版
2023年3月に発表したAdobe Fireflyのベータ版サイトとして立ち上がり、本リリース後もFirefly初体験の場として、そして新しい可能性のプレイグランドとして利用できるのがAdobe Firefly web版です。
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2024年2月5日現在、以下の生成AIが利用できます。
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テキストから画像生成
数多ある画像生成AIの中でもっとも典型的なものが本機能です。プロンプト指示で画像を生成します。
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今日現在、2種類のモデルが利用でき、それぞれFirefly Imade 1 Model、Firefly Image 2 Modelという名称で、切り替えながらご利用頂けます。ちなみに現在Photoshop内で利用しているのはImage 1であり、Image 2が利用できるのはAdobe Firefly web版上でのみとなっています。
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Image 2は、例えば髪の毛や肌の質感など、より写真的な表現にチューンされているのと同時に、適用量をスライダで調整したり、画像を読み込ませて参照することでそのスタイルに寄せる事ができたり、まるでカメラのように絞り、シャッタースピード、視野(レンズの交換)といった現実のメタファーで指示することができるなど、より多くのコントロールをプロンプトに依存せずに行えます。
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Adobe Expressで利用できるAdobe Firefly
Creativity for All すべての人につくる力をという新しいAdobeの大義の下登場したAdobe Expressは、クリエイティブのプロではない人々がクリエイティブの力を利用できるように、との思いで登場した新しいクリエイティブツールです。
世界中のクリエイティブプロが創った豊富なデザインテンプレートを利用でき、Adobe StockやAdobe Fontsといったクリエイティブ素材にアクセスできます。このテンプレートや素材を見つけ出すためAIベースの検索が利用できるのですが、同時に生成AIを使ってほしいテンプレートや素材をFireflyを使って生成することもできます。2024年2月現在、Adobe Express内で利用できるAdobe Firefly機能はベータ版含めて4つです。
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テキスト効果
任意の文字にプロンプトで指示した効果を施すことができるテキスト効果は、Adobe Firefly web版とAdobe Expressでご利用頂けますが、Adobe Expressでは、編集中の文字に太字や影のような効果と同様なライブ感覚で利用できます。
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テキストからテンプレート生成(Beta)
画像生成(Firefly Image 1 /2 Model)、ベクター生成(Firefly Vector Model)に加え、デザインテンプレートを生成するというFirefly Design Modelに基づいた生成AI機能、それがテキストからテンプレート生成(Beta)です。
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使い方 | テキストからテンプレート生成を使用して編集可能なテンプレートを生成する
Adobe Stock内で利用できるAdobe Firefly
4億点近い世界中のクリエイターが制作した様々なアセットを提供するAdobe Stockですが、Adobe Fireflyを使った画像生成を行う事もできます。
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また、ライセンスを購入した素材に対して、Adobe Fireflyの生成拡張をつかってトリミングを行い、コピースペースを確保したり、といった作業を施してダウンロードすることもできます。Photoshopを立ち上げて調整するといった作業を短縮して素材を直ぐに利用することができます。
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