どうやって生きていくか。どう生きてきたか。vol.2
宏の悪戯は意地悪にも感じてきていた。
『あの事言っちゃおうかなー』
弱味を握られているようで、小学生にとっては『先生に言う』のような脅迫だった。宏にとってはふざけ半分でも恵夢にとっては立派な脅迫だ…
頼りのうーちゃんはその事件現場に居なかったので、なんの事か知らない。恵夢の他にも数人居たにも関わらず脅迫の相手は恵夢ひとりだけ。
ある日、宏に『ちょっとベランダに来て』と呼ばれた。恵夢は嫌だった、断るも強引にその場にいた木村にも引きずられるようにベランダまで連れて行かれた。ニヤニヤする宏と木村。ふと顔上げるとベランダのその先にうーちゃんが座っていた。
恵夢は少しホッとしながらも、浮かない顔のうーちゃんが見えた瞬間、恥ずかしさと不安で無理矢理引っ張られる腕を壁に擦り付けわざとすり傷を作って泣きながらその場を去った…。
憂鬱な日だった
なんかうーちゃんとも気まずい雰囲気だし、相変わらず木村と宏はニヤニヤと恵夢を煽るように…
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コロナ禍にある今、有意義な時間を過ごす一つになれればと思います。