恵夢の初恋。 幼少期にスイミングスクールに通っていた時。 優しいスイミングスクールのコーチに懐いていた。 だけど、顔も覚えてなければ名前さえ… 何故、その記憶があるかと言えば、小学生の頃「恵夢の好きな人って誰?」と聞かれた時に答えに困って答えたのが「プールのコーチ」だった事くらいで。別の人に聞かれた時にはこのコーチの存在を忘れて「お父さん」と答えたくらいの記憶。でも、本当に父の事は大好きだったから間違ってはいない。 恵夢はどちらかと言うと、見た目とは裏腹に同級生の子
進級し、クラス替えとなった。 密かに願っていた【うーちゃんと同じクラス】は叶わぬ夢となった。恵夢はこの先もずっと叶わぬ夢を願うがことごとく弾かれる運命なのかもしれない。 変わらず人気者なうーちゃんの周りは常に男女共に囲まれていた。恵夢には入り込む隙がなかった。どんどん遠くなるうーちゃん。気づけばうーちゃんの隣には常時、トラが居るようになっていた。 トラとうーちゃんは校内でも1・2番な長身だった為この2人が並んで歩いていると目立つのは言うまでもない。そんな2人の脇にはキャ
*このnoteを始め、懐かしさに当時流行っていた音楽を聴きながら書いています。不思議ですね、タイムトラベラーにでもなったかのようです。ここに書き記しているのはノンフィクションとフィクションの融合です。もしかしたら同世代の方には共感してもらえたり同じくタイムトラベラーになってくれる方がいたらうれしいです。 思い出と音楽って深く繋がっていて、曲を聴くと思い出す人だったり出来事だったり場所だったり、悲しくなったり…セットなんですよね。だから懐メロって最高!! ここに出てくる"恵
思いがけない恵夢の行動に宏は言葉を失っていた。 恵夢はすっきり勝ち誇った気分で部活に向かった。 相変わらず茶化されるけど、一つ大きな問題が解決した恵夢には今日ばかりはそんな茶化しも気にならなかった。 それが功を奏したのか、風向きが変わってきた!! 木村に突然のモテキ到来‼︎ 小柄だった木村を先輩女子たちが可愛い❤️と一気に人気者になった。 それまでの噂はどこ吹く風〜 そもそも噂のもとは可愛がられてた木村をからかう為に先輩男子たちが始めたものだから…このモテキ到来
宏の悪戯は意地悪にも感じてきていた。 『あの事言っちゃおうかなー』 弱味を握られているようで、小学生にとっては『先生に言う』のような脅迫だった。宏にとってはふざけ半分でも恵夢にとっては立派な脅迫だ… 頼りのうーちゃんはその事件現場に居なかったので、なんの事か知らない。恵夢の他にも数人居たにも関わらず脅迫の相手は恵夢ひとりだけ。 ある日、宏に『ちょっとベランダに来て』と呼ばれた。恵夢は嫌だった、断るも強引にその場にいた木村にも引きずられるようにベランダまで連れて行かれた