任期最終年度を迎えて

 みなさんごきげんよう。5期生の高橋です。

 私は今年度でヤモリーズとして3年目になり,任期の最終年度を迎えました。今まで迷ってばかり,悩んでばかりの高橋くんの頭は現在,主に以下のような事柄で占められています。

1.卒業したあとの食い扶持
2.林業を始めようとしたときの想いと現実の乖離
3.新年度現場の運営

 1.はそのままです。
 今は地域おこし協力隊として給料をもらいながら活動していますが,来年はそんなものは無いので,自分で食い扶持を稼いでいかないといけません。
 「ヤモリーズは無事卒業しました。でも路頭に迷いました」では笑い話にもならないし,岡橋さんや諸先輩方などお世話になってきた(いる)方々に申し訳が立ちません。ので,現在は伝手を総動員して食い扶持を稼ぐために画策中です。


 2.は1年目が終わるくらいから漠然と感じていたことが段々明瞭になってきた感じです。
 私が林業を始めようと思ったのは,ある方から「林業で一番大事なのは木を伐って材を出すことではなく,山の保全だよ」と言われたことがきっかけでした。
 なので,山の保全につながる林業を学びたくて津和野ヤモリーズに入りました。
 しかし,最近はヤモリーズでの活動や学んでいること以前に,「林業」そのものが「山の保全」につながるのかが分からなくなってきました。

 例えば人工林を間伐していく施業も,そもそもその土地で自然に生えてきた木ではなく,他所から苗を持ってきてわざわざ植えた森林を扱っています。狭義の意味での山の保全を考えるなら,そんな他所から持ってきた木を育てるのでなく,その土地にあった木を育てた方が山の保全につながるように思えます。そう考えると,自分がやっていることが本当に山の保全につながっているのか分からなくなってしまいます。

 ただ,そんなことを言っては「林『業』」が成り立たなくなりますし,そもそも山に手を加えるな,という極端な話にもなりかねません。
 また,ある研究によれば,日本列島で稲作が始まった縄文時代後期から,日本の植生はそれ以前から大きく変わっていった,という説もあります。つまり,人が生きていれば自然に大なり小なり影響を与えてしまうことは避けられない,とも考えられます。

 そのため,今は,厳密な意味での山の保全ではなく,山への負担をできるだけ小さくしていくにはどういう形があるのか,というのを探っているところです。
 今ははっきり言って確たるものが全くないので,この一年でその探求を深めていきたいと思います。


 3.は結構悩みの度合いが高いです。
 私は5期生で,今年度6期生が3名入りましたが,私が採用された次の年はヤモリーズに入ったメンバーがいなかったため,現在ヤモリーズのメンバーは「3年目3名,1年目3名」という状況です。そうであれば当然3年目の者が新年度の現場リーダーをしなくてはならないので,私は昨年度に引き続き現場リーダーとなりました。
 昨年度に現場リーダーを務めた時には,私の段取りがまずく,進捗の遅れなどで多くの方に迷惑をかけたので,今年度はそうならないよう,昨年度の内に5期生同士で現場の体制などを話し合いました。
 ただ,岡橋さんとの踏査の時に,今年度の現場はなかなか難易度が高いこと分かっており,頭が痛いです。また,「今年度は昨年度と同じ失敗をしてはいけない」と自分で勝手にプレッシャーを感じており,胃も痛いです。
 
 とはいえ,弱音を吐いても誰も得はしないので,今年度の現場も完遂したいと思います。


 というわけで,これまで迷走三昧,懊悩天国だった高橋くんの3年目も相変わらずの三昧状態と天国状態で,ある意味いつも通りです。

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