泣きっ面に蜂
九州北部豪雨災害に被災された方につきましては、お見舞い申し上げます。
平成25年に豪雨災害に被災した津和野町でも、ようやく復旧が見えてきた所での大雨特別警報が発表、多くの方から心配のご連絡を頂きました。今回は、大きな被害はなかったようです。
とは言え、開設中の作業道への影響については気になる所で、警報前々日・前日・当日と現場確認には行っておりました。
前々日も10mm以上の大雨だったので、現場作業はないものの水の流れの確認に行った所、しっかりと転圧された路面は早い水流に掘削されることなく、いつも通りそこに在り、早々に現場入口に設置した止水板もしっかりと効いて、その速い水流を全身で受け止め、『これでもか!』と見せつけるようにその機能を存分に発揮しており、ふむふむと目を細めたのでありました。
その状況について帰宅後、普段一緒に現場入りしているDOMさんと新人の原青年にドヤ顔で報告した所、青年より『白糞谷の洗い越しも気になりますね〜』と追加の確認依頼。新人にも関わらず、お目が高い!と感心しつつ、翌日に新人の命に依り、洗い越しの確認。
さて、件の白糞谷の洗い越しでは、谷渡りで路面高を上げると同時に流水処理のため、木組みを5段積んでバラス投入。路線の前後の土を移動させて、さらに路面高を上げる作業の進行中、恥ずかしながら、その先にある大きな樫の根株でバックホウの側面を引っ掛けてサイドカバー周辺を損傷、修理調整中でした。
本当は闇に葬り去りたいところですが、自伐型林業に携わる方の参考になればと公開します。サイドカバーの根株による破損については、以前にもヤモリーズであり、師匠や重機屋さん、重機の保険屋さんに尋ねても林業での重機の破損は圧倒的に多いとのこと。私も以前の教訓を胸に、山側の根株についての処理を破損5分前にメンバーと共有、それから根株からできるだけ離れて作業できるように、路肩サイドをしっかりと填圧し…と意識した上でも一瞬の出来事でした。ああっー!!!と思ったと同時に機械を止めて、この状況。怪我がないのが不幸中の幸いと言い聞かせるも、サイドカバーだけでなく、オイルタンクまで破損したバックホウの業者からの修理見積もりは約100万円!その間、2秒あまりでこの金額。想定しながら作業していたからこそ、なお衝撃は大きく。。。
結果を見れば、それでも注意不足という事でしかないのですが、注意に注意を重ねてもまだ足りることは無いということを今回の件で再認識して今後の作業に臨みます。
話戻して、そのような経緯から、白糞谷は洗い越しの路面高を上げる途中でバックホウの修理待ちの中、今回の豪雨襲来となりました。豪雨の合間で、そんな白糞谷の確認に入った所、多少山側法面の土が落ちているものの、しっかりと転圧している路面や谷側法面は水の侵食もなく、問題なし。
一夜明けて翌朝、たまたま来町していた師匠にバックホウ損傷状況を見てもらいにメンバー含め現場にいくと…
まさかの地滑り!
赤のラインから黄色のラインに全体的に山肌が移動。素材生産業者が皆伐施行した跡地と言うこともあり、原因の推測は色々とありますが、直接的には、洗い越し部の高さを出しきる前の豪雨が、尾根地山部分と尾根裾野の堆積土との間に流れ込んみ、結果として滑ったと言うことでしょう。施工中の箇所の地滑りは手直しにも時間がかかるので、大変手痛いのですが、一方では、土留工も施工して強度のある作業道が砂防として機能し、道より下への崩壊を食い止めたとも考えられます。地形からこの地点が更に崩壊することは考えにくいとのことで、更に確実にする為に追加の土留工を施し、当初予定の高さまで路面を上げ、必要であれば山側の裏積工まで施す事で仕上げていきます。
踏んだり蹴ったりの白糞谷での作業ですが、バックホウ修理待ちで被せていた雨避けのブルーシートを3日振りに開けると、カバー画像のスズメバチの営巣。当に『泣きっ面に蜂』で悪いことが続きましたが、経験値はこの上なく、これを糧にLevelUpを図ります。当面は、いつも以上に気を引き締めて、問題対処に善処します!
※バックホウ修理は保険対応で持出なし、スズメバチの巣はDOMさんによって駆除されています。注意して、し過ぎることはありません。ご安全に。
written by ぐっさん