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つわのホイスコーレに参加して〜ももちゃんとことりの対談〜vol.3 ももちゃん


ももちゃん
 つわのホイスコーレ'22秋参加者。津和野在住。
 教員経験を活かし、町内の小中学校のつなぎや、地域と学校とのつながりをつくり、子どもたちの豊かな学びをつくる。特技グラレコ。カフェでの一人読書がお気に入りのリフレッシュ。

ことり
 つわのホイスコーレ運営メンバー。津和野在住。
 児童養護に10年携わったあと、地域での対話の場づくりを経て、子どもたちの健やかな育ちのために親への場づくりをしていこうと考えている。結婚を機に津和野に移住。お寿司が好き。

子どもの育ちや学びに熱意のあるももちゃんとことり。
つわのホイスコーレを機にじっくり話し、刺激し合った二人が、再び教育話に花を咲かせました。


つわのホイスコーレは、味わう時間。



ことり:
つわのホイスコーレに参加してどうでしたか?

ももちゃん:
あれだけゆっくりした時間っていうのが久しぶりで新鮮だった。
普段は未来から逆算して今やることを決めて動いているけど、つわのホイスコーレのときは、雰囲気とか、誰かの表情とか、音とか光とかを、ああいいなって味わっていました
あと、リラックスもしてた。森でみんなが円になってウクレレで歌うのを聴いたり、今どんな気持ち?ってシェアしたりする時間の流れ方が心地よかったなって思う。

森で歌う、心地のいい時間。


“いまこみ”で体感。気持ちを聴き合う場って大事!


ももちゃん:
“いまこみ”(=いまここの気持ちをシェアするーティング)の一人一人の話をみんなで聴こうとする環境が心地よかった。誰かが喋りすぎたり、話を聞いていなかったりすることがあまりなくて、みんなが、それぞれの“どう感じているのかな“に興味を持っていたと思う。それが優しい空間で好きだった。
  
のりちゃんが体調不良なところがあるって開示してくれて、ああいう場がないと知ることができなかったし、自分もそれに対して自分が思ってる以上に今の気持ちを開示できたんです。のりちゃんもそれがよかったって言ってくれたので、あの場があってよかったなと思います。

一つ一つの言葉に耳を傾ける。


ことり:
あの時のももちゃん、のりちゃんに思いを届けた感じがあった。もう“溢れ出ちゃう”ってふうだったけど、2人が思い合ってるのがわかっていい友達だなって思ったよ。改まって思いを届けるって、友達でもなかなかやらないよね。

ももちゃん:
いまこみがなかったら多分言ってないんで…、そういう場が用意されてるのが、特殊な環境だなって。

ことり:
ちょっとホイスコーレとズレるんだけど、みんなで円になって気持ちを聴き合うみたいなことを、学生の頃から日常の中でできたらいいなって思うんだよね。ホームルームの時間とか総合の時間とか使って。
例えばケンカしたとき、気持ちを聴き合うことで、相手を責めたいんじゃなくて、本当はただ自分の気持ちを知ってほしいんだって気付いて、それをそのまま言える。その相手の気持ちを受け取る。気持ちを“ここに置く”っていうことができたら、クラスの人間関係とか変わってくるんじゃないのかなって思うんだよね。

相手の話を聴くことと、
自分の気持ちを話す練習を。


ももちゃん:
めっちゃ思いますね。本当の意味で話し合いができる環境って、あんまり子どもたちも慣れてないと思うんですよ。でも、それってめちゃめちゃ大事。人を信じたりとか、受け止めたり、自分に向き合う時間が足りてないと思ってて、そういう場をつくっていくことは本当にやりたいことの1つかも。

徳島県のある高校の寮では、夜ご飯の後に話し合いの時間を毎日取ってるそうです。共同生活のストレスとか、こうした方がいいんじゃないかというような話題が出てくる。そのミーティングが、気持ちに寄り添ったり、理解し合ったりする時間になっていて、大変そうだけどすごくいいなって思ってるんです。

ミーティングを積み重ねて深まる理解。


あったらいいな、日常の中に考える仕掛け。


ももちゃん:
おしゃべりカードというか、みんなが話せる話題とか問いとかがあるとうれしいなと思いました。未来の年票書いてみようシートとか。
私考えごとをするの好きなんですけど、他の人もゆっくりしながら「ちょっと今日は考えてみようかな」ってなるといいかなって。やるかどうかは自分で選べるようにして。

カードをきっかけに話が膨らむ。考えが深まる。


ことり:
それは、自分の内面を深めるもの?それを使って誰かと話すツールとして使うもの?

ももちゃん:
それはどっちもかなって思います。「これ一緒に書いてみない?」って誘って、シェアしあったりお互いに深めあったりできたら面白いかなって。

ことり:
なるほど。部屋にあった掲示板の下に、途中から『幸せを感じた瞬間』みたいな問いが貼ってあったの覚えてる?

掲示版につくられた問いやおすすめのコーナー。
その人を知るきっかけにも、考えるきっかけにもなる。


ももちゃん:
そうそう、ああいう感じの!そういうのでもっとみんなで盛り上がれたらいいなって思ったんですよね。
 
ことり:
ももちゃんが帰った次の日(ももちゃんは1日のみ参加)、哲学カードをやってみたんだ。あのときはカード全部並べて気になる問いを話していくうちに、ジェンダーの話がすごく盛り上がって1時間くらい話してたんだよね。
例えば、トイレに入ったら哲学カードがドアに1枚貼ってあって、それが毎日変わるとかどうだろう。

ももちゃん:
面白い!「見つけた!」ってなる。

ことり:
洗面台の鏡の横にカードがあって、歯磨きしながらちょっと考えるとか。

ももちゃん:
今日見つけたカードの中で1番自分に引っかかってる問いはなんですか、って1日の終わりに聞くとか。
 
ことり:
このカードについて話したいから、このあと話したい人は集まって〜とかね。

私の“幸せ”ってなんだろう。


自己開示の場を。まずは先生たちに。


ももちゃん:
最近自分の人生考えるにあたって、いいなって思う4つのステップを知ったんです。
1つが自己認識、次が自己開示、3つ目が自己表現、最後が自己実現。

自己認識って一人でもできるかもしれないんですけど、自己開示とか自己表現は、周りに受け止めてくれる人やリアクションしてくれる人がいることが大事な気がしてるんですね。
普段あんまり自己開示とか自己表現って素直にできないんです、私。でもつわのホイスコーレはそれがめっちゃできる場って感じがします。“いまこみ”はまさに、自分の今の素直な気持ちを出す究極な自己開示という感じがする。

今自分がやりたいことをやるのも自己表現。


「ちょっとウクレレ弾きたいから弾く」とか、自分がしたい行動をするのも、自己表現に近いのかなと。人がいる中で自己開示や自己表現をするのはなかなか普段できないんで、フリープログラムの中でできるのは貴重な機会でした。

気になる本棚。
誰かの本棚はその人にとっての自己開示かもしれない。



ことり:
私はさ、自分の中の内面を掘り下げることと、それを話して「そうなんだね」って誰かに聴いてもらって、受け入れてもらって、ようやくここまで生きてこられたと思ってるんだ。
だからこそ、世の中みんなが自己開示や自己表現をできるようになって、受け入れ合えたら、もうちょっと生きやすくなると思うんだよね。
そんな世の中にしていくために、各家庭や学校教育で対話を教えられたらって感じている。


ももちゃん:
いまこみが文化として津和野の学校教育の中で根付くことができるなら、自分も推し進めたいです。
まず先生たちに先生たちにホイスコーレみたいなプログラムに参加してほしいって思う。先生たちが「自己開示ってしていいんだ」「ちゃんと話せるんだ」って実感したら、子どもたちにも同じような体験をしてほしいって思ったり、自己開示するハードルが低くなったりするかもなって思ってました。

先生たちがお互いに自己開示できるようになれば、
自分の気持ちを自分の言葉で言える子どもたちも増えるのではないか。


2年前ぐらいに、いまこみみたいなことを先生たちを対象にやったことを思い出しました。 
小学校の元教員でトランスジェンダーの活動してる幼馴染と、障害の分野から教育に課題観を持った男性と3人で企画して、先生たちと焚き火を囲みながら話したんです。

焚き火を囲むとなぜ話しやすくなる。
ぜひ先生たちとの時間も作りたい。


来年、もう少し先生たちの研修の部分にも関われたらいいなって思ってるんです。授業や教科を超えた先生たちの学びの環境作りとか、壁を超えて出会える研修を作りたいと思ってます。

…忘れてた記憶が色々蘇ってきた…。話すのって大事ですね。こういうこと本当はしたいんだって、思い返せました。

自己開示と自己表現をたっぷりした一日の終わり。

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話しているうちに、自分が本当にやりたいことを思い出したというももちゃん。
今後の活動まで思いを語ってくれました

津和野の仲間であるももちゃんとは今後もいろいろな形で助け合えたらいいなと思っています!

改めてももちゃん、ありがとうございました!

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