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【卒業生×まちづくり】ツコウ卒業生インタビュー~池田詩織さん(関西大学を休学して津和野町でインターン)

津和野高校(ツコウ)に教育魅力化コーディネーターが配置されてから11年目となる令和6年度。

津和野高校で学び、それぞれの道を歩んでいる卒業生にインタビューし、津和野高校での学びや津和野町での暮らしが「今」の自分にどうつながっているのかお話をうかがいました。

今回は、在学中の関西大学を休学して1年間、津和野町にあるcafe&hostelTMCにてインターンをしている池田詩織(いけだしおり)さんのインタビューを紹介します。


池田詩織さんプロフィール


兵庫県出身。

地域みらい留学にて津和野高校に進学し、地域系部活動グローカル・ラボに所属。

令和2年度に津和野高校を卒業。

高校卒業後、関西大学文学部総合人文学科教育文化専修へ進学し、現在4年生(休学中)。

令和6年3月より、1年間の予定で津和野町にある「一般社団法人津和野まちとぶんか創造センター(TMC)」にてインターンシップ中。


環境が変わることで”自分”が他人にどう写るのか?を知りたくて寮のある津和野高校へ進学

兵庫県から島根県の津和野高校へ進学した池田さん。

自身の地元で、偏差値で割り振られた高校へ進学することに違和感があったそうです。

また、小学校〜中学校の同級生の顔ぶれがほとんど変わらない環境で、これまで自身が持たれていたイメージが、誰も自分のことを知らない場所に行った時にどう写るのか?に興味があったとのことです。

「自分を変えたいというよりは、これまでとは異なる環境や、自分を知らない人たちのコミュニティの中に入っても、これまでの”自分”と同じように見られるのか?というのを知りたいと思っていました。

そんな時、あるテレビ番組で寮生活のある高校を見て、地域みらい留学のことを知りました。軽い気持ちで島根のUIターンフェアに親を誘って参加し、高校のブースをいくつかまわった後、島根県西部の高校を巡るバスツアーに参加しました。」


そして実際に津和野高校を訪れてみて、まちの人やツコウ生の雰囲気の良さに魅力を感じ、ここに来たいと思ったそうです。

太皷谷稲成神社から見たまちの景色が大好きという池田さん。
赤い石州瓦を見ると、”津和野町”を強く感じるそうです。


「地元も合わせると13校の高校見学に行ったのですが、その中で津和野高校は、高校生もまちの人も、ふだんから挨拶してるんだろうなというのが伝わってきて、とても雰囲気が良いなと思いました。

また歴史が好きだったこともあり、歴史や伝統を感じる津和野町の町並みに惹かれて、その場で津和野高校の受験を決めました。」


ツコウで過ごした3年間の満足度は120%!

3年間、4人部屋(当時)の寮で生活をしていた池田さん。

「寮の友人とはなんでも相談できたし、毎日が本当に楽しかったです。

普段だったら人には見せないような”外向けの自分”だったり、友達なら我慢できるようなことも、部屋や生活が一緒の寮生同士ではお互いに隠せません。

だからこそ、お互いにダメなところも見せるし、知ってるし、許せる。すごく家族っぽかったなと思います。」

町内のお店でケーキを買い、寮の友達とクリスマスパーティー♪


また、所属していた部活動「グローカル・ラボ」での活動をはじめ、学校外の活動にも積極的に取り組むことで、まちの中に相談できる人、帰ってきたいと思えるおとなと会うことができ、人を信頼できるようになったそうです。

「町に関わりたいと思った時に、受け入れてくれるおとながまちの中にたくさんいると思いました。私の場合、歴史に興味があったのですが、そのことを話すと教育魅力化コーディネーターや知り合った地域の人たちが、どんどん関連のある人を紹介してくれるんです。

津和野町は、いわゆる”勉強”だけを重要としていなくて、”学校と家と塾の往復“だけではなく、自身の趣味や好きなことに取り組むことを大切にしているんだと感じました。

同級生もおとなも含めてたくさんの人と話せたことで、日常生活の中で自然と社会のことを知れたり、様々な考えをおとなの目線から知ることもできました。」


高校2年生の時から、同級生と2人で「アスギミック」という活動をはじめた池田さん。

「アスギミック」とは、「明日(アス)を作る仕掛け(ギミック)をつくる」という思いからつくった造語だそうで、自身も含めたツコウ生に様々な人と出会う機会を創りたいという想いから、高校や町に視察や講演等で来た人と話す機会(座談会)を創っていました。

依頼した方には、高校生に伝えたいことを考えてもらい、池田さんたちは場づくりに力を入れていたそうです。

「1年間で計13回開催する中で、テーマや話す場の環境づくり、参加人数や雰囲気に合わせたアイスブレイクの実施などを含めた空間づくりなどを学ぶことができました。

“場づくり”の工夫次第で、その場のあり方や参加者それぞれの学びの成果などを変えていけることは、とてもやりがいがあり楽しかったです。」

県外からイベントで津和野町に訪れた大学生や社会人など、約15名を招いて高校生との交流を実施。


就職活動をする前に、自分が学びたかった事を研究したくて津和野町へ。

津和野町で、教育魅力化コーディネーターが”教育を軸にした学びの場”の創出に取り組んでいる姿を間近で見て面白さを感じ、教育学が学べる大学へ進学しました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行等もあり、大学の授業のほとんどがオンラインになり、やりたかった研究に取り組めなかったそうです。

「自分が学んでみたかったこと、研究したかったことをしていないのに、就職活動なんかできないと思いました。

このまま流れで就職するのではなく、立ち止まる時間をつくり、やりたかった研究ができる場所はどこだろう?と考えた時に、津和野町ならそれができると確信したので、大学を1年間休学して津和野町に帰ってきました。」


そして、令和6年3月より津和野町内にある一般社団法人津和野まちとぶんか創造センター(TMC)にてインターンとして働きながら、津和野高校をフィールドに調査研究活動を行っています。


「研究内容は教科学習と実社会との連携について、どうすればより実社会に即した学びができるのかをテーマにしています。その中で、普通科改革に取り組んでいる学校の事例収集を行うので、普通科改革に取り組んでいる津和野高校で研究をしながら生活できることがちょうどよかったと感じています。

週4日はTMCのカフェやホテルで勤務し、1日は津和野高校での研究も兼ねて『産業社会と人間』という授業に入らせてもらい、先生方の授業のサポートを行っています。

その他にも総合的な探究の時間等で生徒のプロジェクトサポートを行ったり、つわの学びみらいの広報業務のサポートをしたりと、パラレルワークをしながら津和野暮らしを楽しんでいます。」

週に1回、津和野高校での授業サポートを通して自身の研究活動を行っています。


高校教員の授業づくりのサポートができる仕事に就きたい

津和野町での1年間のインターン後は、高校教員の授業づくりの手助けができる仕事をしたいと話す池田さん。

「高校時代に教育魅力化コーディネーターがカリキュラム設計をしていたのを見て興味を持ったというのもありますが、今実際に高校の授業づくりに参加してみて、教員が忙しすぎると感じました。

高校の先生方が授業設計や課外実習など、教授することに対して工夫できる時間を持てる環境をつくるような仕事をしたいと思うようになりました。」


また、実際に津和野町で暮らすという経験をすることで、将来的に津和野町に戻ってきて暮らしていけるのかを確認していると話してくれました。


「オンラインで津和野町と関わるのは問題ないと思いますが、津和野町に帰りたいと思っている人が、実際に帰ってくるにはお金と時間が必要だと強く感じています。そして地元出身者以外では、まだ誰も実現できていないのではないかと思います。

津和野町側の受入余地や受け入れ体制などもまだまだ十分ではないと感じるので、これらの課題について、何か自分にできることがあれば力になりたいと思っています。」

高校時代からの同級生とおうち居酒屋を開催したりと、津和野暮らしを満喫しています!


中高生へのメッセージ ”悩んだ時は、楽しいほうへ”

これからたくさんの選択や決断をしながら人生を切り拓いていく、中高生のみなさんへのメッセージを伺いました。

「悩んだ時は、楽しいと思う方を選ぶこと、そしてスマ-トフォンをただ見るのではなく、自分自身が気になったことや興味を持ったことに対して、主体的に検索して調べるようにすると良いと思います。

近頃はAIの発達もあり、InstagramでもYouTubeでも、自分の関心に近いと思われる情報が自動でオススメとして流れてきます。それらをただ見るだけではなく、興味を持った単語や人について調べ、その分野を専門的に知っている人になるのです。すると、周囲の人からその分野について頼りにされたり、任せてもらえるようになります。

高校生の時から、情報収集をする際にオタク的に調べる方法を知り実践しておくと、社会に出て、未知の分野に関する仕事をしなけらばならなくなった時に、インターネットや本の中にある先人の知恵を上手に借りることができるようになると思います。」


ツコウでの授業サポートや自身の研究活動、そして津和野暮らしという自身の”やりたい”や”好き”を実現している池田さん。

津和野高校への地域みらい留学がきっかけとなり、津和野町での1年間のインターンを通して、この先移住してきて生活できるのか?という検証の結果を聞けるのも楽しみにしながら、残りの津和野町での生活を応援しています。


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