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児相33日目。「この場所の意味」
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、ここでの食事はとても静かなものだ。子どもたちはそれぞれの部屋で静かに食べるし、僕たちは食堂で静かに食べる。一人が好きな子にとってはよいかもしれないけど、楽しく食べたい、会話をしたい、話を聴いてもらいたい子どもたちにとってはつまらない食事なのかも。
そんな状況にあるここ、児童相談所の一時預かり所。さまざまな理由があって子どもたちが一時的にやってくるんだけど、あくまでも一時的であって、その後は家に帰ったり、施設に行ったり、里親のところに行ったりと子どもたちの状況によって変わってくる。そう考えてみると、「この場所はどのような”立ち位置”なのだろう」と考えることがある。
独房のような味気のない部屋で、静かにご飯を食べて、規則正しく生活をすることで社会に戻ったときに困らないようにするのがよいのか?それとも、ここでなにか生きるヒントを獲得して、どこへ行こうがなにか行き詰まった時にここでのことをヒントとして思い出すようなところにするのか?
ここで半年以上子どもたちと関わってきたけど、その目的がとても曖昧な気がしている。早くここを出たいけど出られない子もいたりして、できることなら一日でも早く、青春の大切な時間を外で過ごしたほうがいいよねって思う。まぁ、社会はそんな簡単なものじゃなくて、子どもたちは簡単には退所にならないんだけど。
だからこそ、ここにいる間には子どもたちとたくさん会話したい。立派でもなんでもないこんな大人との会話の中で、「あ、なんとか生きていけるじゃん」「あ、立派じゃなくて大丈夫だ」「なんか楽になった」そんなものを掴んでほしいし、僕も掴みたいしね。
最近、彼とはご飯の話題で盛り上がる。今日も坦々麺の話で盛り上がった。家にはNintendo Switchが待っているらしい。早く戻りたいよね。でもなかなかここを出ることができない現状。だからこそ、いっしょにいる時は楽しくいたい。待ってるSwitchを一瞬でも忘れられるようにさ。
未来のことは誰にもわからないから、ここで過ごそうが外で過ごそうが、明日がどうなるのかなんてわからない。でも、子どもたちの気持ちが少しでも早く不安から逃れられるように、そんな場所にしたいよね。
社会によって偶然にも一時預かり所で出会う子どもたち。ここに来なかったらきっと会うこともなかった子どもたち。すべての子どもたちが生きる選択をするような心持ちでいたいなと思う。
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