児童相談所62日目。「生きるってなんだろう。」
まだ5歳にも満たないのに、やけにハキハキと話す。今日が初めましてだったのに、そんな感じもしなかった。
その歳でここにくる理由はなにかあるのだろうけど小さな体で元気いっぱいに表現する。
親でもない僕たちに寄り添ってくる姿をみると、いろんな家庭環境を想像してしまうけど、想像したところでここでやることはなにも変わらない。ただただ子どもたちを受け止めて、ありのままの子どもたちをみつけて、なにかはわからないけど大切ななにかを伝えること。
保護児童が増えることでそれが相乗効果になって子どもたちは騒ぎ出す。走り回る。眠らない。そんなことももう日常茶飯事だし慣れてきた。
子どもたちを見ていてふと思った。
「生きるてなんだろう」
「自由って何だろう」
って。起きていたいのに眠る時間が決まってる。食べたくもない嫌いなものでも食べなければいけない。叫びたいのに叫べない。走り回りたいのに走ることができない。
因果に逆らうことが自由だ、不自由があるからこそ自由になれるっていうのはなんとなくわかるんだけど、それを子どもたちに伝えるための手段が難しすぎる。
自由を教えることほど大変なことはないなって改めて思った今日。
眠れないし起きていたいと騒ぎ立てた子どもたちもどうやらようやく眠りについたようだ。
明日の朝も、騒がしく賑やかに始まりそうだ。
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