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児相39日目。「子どもが子どもでいれる場所」
退所が決まった子どもたちは嬉しそうだった。「今日と、明日頑張ったらここを出るんだよ!」と元気よく教えてくれた子どもたち。その横で一人、改めて入所してきた子もいて、その対になった感じがなんとも言えない感覚だった。
繰り返し入所する子は少なくない。いろんな理由があって再入所するんだけど、入所がダメなのかというとそうでもなくて、入所することで毎日のリズムを取り戻したり、心理司や僕たちのような補助員と世間話をして精神的に安定する子もいる。だからここで子どもたちと接する僕たちは、先生になってはいけないし、親になってもいけないし、指導者になってもいけないし、ただただ子どもたちを受け止め、ただただ子どもたちが安心して笑えるような空間を作らないといけない。もちろん、決められたルールの中でだけど。
保護所とか、相談所と聞くとなんとなく薄暗くて後ろ向きなイメージを抱くかもしれないけど、実はそんなこともなくて、今日も子どもたちはぼうずめくりで盛り上がりまくってたくらい。結構笑い声が絶えなかったりする。
子どもたちはやっぱり子どもたちらしくいてほしいなって。
いろんな環境で育って、いろんな理由でここに来るってことは子どもたちのタイプもさまざま。そのいろんな子どもたちの誰もがここにいる間に精神的安定を取り戻したり、前へ進むきっかけをつかんだりしてくれたら嬉しいけど、だからと言って能動的に働きかけるよりも、受け身の態度でどんなこともも受け止めることが大事なんだろうなと思う。あれしたほうがいい、これしたほうがいいと指示したり指南したりするよりも、じっと子どもたちのあるがままを受け止めて抱き止めることが大切。きっと子どもたちっていうのは、とにかく包まれたい、受け止めて欲しいって思っているはずだからね。
退所が決まった子どもたちと入所してきた子どもたち。
どんな子どもだっていつでも子どもらしく。そしていっしょにいる僕も一人の人間として人間らしく。いっしょにここは温かい場所でありたいと思う。一人でも多くの子どもたちの精神的安定を目指して。
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