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児童相談所67日目。「可愛い子には旅させよ」
人格(パーソナリティ)というものは、気質、気性、習慣的性格、役割性格という4つの層構造になっていて、一番内側の気質や気性は生まれ持ったものの影響で変化しづらいと言われている。
習慣的性格や役割性格は育った環境や文化などによって変わるものなので、気質や気性に比べて変化しうるもの。これはきっと、僕たちも経験があることだと思う。
児童相談所の一時保護所に来る子どもたちは、気質や気性の観察はもちろんのこと、習慣的性格や役割性格にも注視が必要だ。なぜなら、育ってきた環境などによって発言や行動が作られていることが多いから。
愛着が足りていない、社会的な行動ができない、配慮ができないなど、今まで当たり前に思っていたことが、社会では当たり前ではないことが多かったりもする。
そんな中、習慣的性格が大きく変わった保護児童がいた。まるで別人かのように発言や態度が変わったし、なにより問題行動が一切見られなかった。
なにがあったのか?
それはこれから過ごす施設で、しばらく予行練習として過ごしたことがきっかけだった。おそらく、過ごしやすかったのだろう。彼にとってなにかが変わるトリガーになった経験だったようだ。
親というものは、なぜか自分の子育てが完璧だと思っていることが多い。だからこそ怒鳴るし、理不尽に怒る。でも、客観的にみると、子どもたちの人格に対して悪い影響を与えていることも少なくない。
だからこそ、時には子どもたちを新しい環境に触れさせることが大切になってくる。親とは違う、家族とは違う何かに触れた時、習慣的性格と向き合い自分を見つめて成長のきっかけを得る。
可愛い子には旅させよ
囲い込まず、子どもたちから少しずつ手を離していくことが子育てには重要かもしれないと改めて知る出来事だった。ここの保護児童は、ここからいろんなところへと旅立っていく。いろんなところへ行っても、彼らが彼ららしくありのままで生きていけるように、なにかここで発見してくれたら嬉しいなって思う。
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