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児童相談所86、87日目。「再会」

 退所が続いたのと北陸の豪雨で通勤手段が確保できなかったのとで、久しぶりの保護所。やけに静まり返った保護所だったのは、僕が到着するつい30分前に保護児童が退所したからだった。

 ただ今日はそこからまた保護児童が来る。

 急に決まったその保護児童は、僕がここに来るようになった時に初めて対応した保護児童で、約1年ぶりの再会。いろんな事情があってここにまた来ることになったようだ。

 お盆とか夏休みとか、花火大会だとかそんなことは関係なくて、保護すべき事態はいつ何時起きるのかわからない。こうやって繰り返してここに来ることに“させられてしまう“ことも多々あるし、緊急で急遽保護になることもあるし。

 そのいつ何時なにがあっても大丈夫なように、職員のみなさんはいつも準備をしているし、僕のような補助員も、ここに来る時はいつでも準備をしている。

 今日は久しぶりの彼と話したけど、まったく久しぶりの感じもなくて、ただただ何気ない会話をしながら、どんな感情でいるのかを感じながら時間を共に過ごした。

 やっぱり少し元気はなかったけど、また元気が出るようなきっかけがここで見つかるといいなと思う。詳しく言えないけど、里親のところでは難しかったみたいだ。

準備をして待ってはいるけど、保護児童はいないほうがいい。保護される子どもたちがいないことが平和なんだろうけど、今もどこかで保護を必要としている子どもがいるんだろう。

 久しぶりの彼に会って、初心を思い返してた。改めて、ここでなにができるのか、子どもたちとどんな関わりを持っていくのか、考えてみようと思う。


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