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児童相談所70日目。「2年目の児童相談所 一時保護所」

 3月半ば。新型コロナウィルスに家族全員が感染し、自宅療養が続いていたことでここに来るのは約半月ぶり。その間に、あの行き場のない感情を僕の体を殴ることで発散していた保護児童の彼は、新しい環境に行っていた。

 久しぶりに来ると、見慣れた子が飛びついてきた。その後ろから新しい保護児童が続く。「先生は嫌だ」と言われずに喜んでくれたのは嬉しいことだ。新しい保護児童の子たちともすぐに打ち解けた。やっぱり、この髪の色とマニキュアは子どもたちにとっては動物園にいる動物みたいに物珍しいみたいだ。

 「そんな髪の色の人初めてみた」

 そう言って話が弾む。

 今まで何ヶ月か、暴れ回る子どもたちを見てたから、今日がやけに落ち着いているように感じた。歳の近い子同士仲良くなっていて話し相手がいたり、もう一人はお互い好きな釣りの話で盛り上がったり。

 今は新年度の4月。いろんなことが新しくなる季節でもあって、職員の異動があったりするんだけど、子どもたちにはその移り変わりはあまり関係なくて“今、この時“がどうかが重要で、

今が満たされているか
今が心地よいか
今が楽しいかどうか

そんなことのほうが大事なんだよね。

騒がしくしていた子どもたちの寝静まった。僕も久しぶりだったのでかなり心に余裕があった。
静かで落ち着いた保護所だった気がする。

児童相談所の一時保護所も今年で2年目。どんな出会いがあるのか楽しみだ。

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ちばつかさ
いつも読んでくださりありがとうございます。いろんなフィードバックがあって初めて自分と向き合える。自分を確認できる。 サポートしていただくことでさらに向き合えることができることに感謝です。